最近なんだか疲れがとれない…もしかして「寒暖差疲れ」かも?そのワケと簡単ケア方法
そんななか「最近なんだか疲れが取れない」「からだがだるくてやる気が出ない」といった人もいるのではないでしょうか。
その不調は、もしかしたら寒暖差による疲労が原因かもしれません。そこで、今回は季節の変わり目で体調不良になる原因とその対策についてご紹介します。
春先の不調、実は寒暖差疲労かも?
冬から春にかけて季節が移り変わる時期は、寒暖差が大きく、日中の暖かさに比べて朝晩は冷え込むことも多いでしょう。また、1日のなかだけでなく、日によって冬のような寒い日もあれば、夏と勘違いするほどの暖かさになる日もあるため、からだがついてこれなくなってしまうこともあります。このような寒暖差が、体調不良の原因になっている可能性があるのです。
この寒暖差の影響で起こり得る主な不調は「頭痛」「肩こり」「倦怠感」「咳や鼻水」などが挙げられますが、寒暖差による不調は身体面だけでなく、精神面にも影響を与える恐れがあります。(※1)
あなたは大丈夫?自律神経の乱れをチェック
寒暖差疲労のひとつとしてメンタルの不調を挙げましたが、そもそも、メンタルの不調は自律神経が乱れることで起こります。
自律神経は、交感神経と副交感神経の2種類があり、「交感神経」は主に日中の活動中に優位に働きやすいのに対し、「副交感神経」は夜間などのからだを休める際に優位に働くのが特徴です。しかし、何かしらのストレスがかかると、本来副交感神経が優位に働くべき場面でも交感神経が優位になってしまい、からだがリラックスできずに疲労がどんどん蓄積されてしまいます。
この自律神経は環境や気候の変化に左右されやすく、春の気温差にも注意が必要です。そこで、まずは自分の状態を知るところから始めましょう。
<自律神経の乱れチェック>
・頭痛、めまい、立ちくらみ、動悸などがしばしば起こる
・急に息苦しくなることがある
・便秘、下痢、腹痛がよく起こる、続いている
・手足のしびれを感じることがある
・胸やけ、胃もたれなどによる食欲不振
・慢性的な肩こり、腰痛がある
・よく寝ているのに疲労感や倦怠感が抜けない
・わけもなく憂うつな気分になり落ち込んでしまうことがある
・些細なことでイライラする、落ち着かない
・悪夢や金縛りが頻繁にある
複数当てはまる場合は、自律神経が乱れている可能性があるので、ケアが必要です。
また、寒暖差以外にも「几帳面な性格」「運動不足」「ストレスを感じやすい」といった人は、自律神経が乱れやすいといわれています。このような人はとくに、生活習慣を見直したり、日頃からリラックスできる時間を意識的に確保したりして、からだを労ってあげることが大切です。(※2)(※3)
季節の変わり目でも元気に過ごすには?
季節の変わり目の不調は諦めて受け入れるしかないのか? と思うかもしれませんが、決してそんなことはありません。寒暖差に負けず元気に過ごすには、生活習慣を見直したりからだを動かしたりして日頃から対策を行うことが大切です。さまざまなセルフケア方法があるので、まずは自分が無理なく始められそうなものから行ってみてください。
1.規則正しい生活を送る
不規則な生活は自律神経を乱しやすいといわれています。仕事や家庭事情で生活リズムが不規則な人もいるかもしれませんが、できるだけ毎日朝は同じ時間に起きて日光を浴びるようにしましょう。朝日を浴びると、幸せホルモンといわれる「セロトニン」の分泌が促進されます。このセロトニンは気分を安定させ、ストレスを軽減する効果があります。
日中は適度に動いて、栄養バランスのいい食事を摂り、夜になったら寝る、といった規則正しい生活サイクルを意識しましょう。(※4)
2.湯船に浸かる
少し暖かくなってくる季節なので、入浴はシャワーで済ませてしまう人も多いかもしれません。しかし、入浴の際はぜひ湯船に浸かることをおすすめします。湯船に浸かることでからだの深部から温まり、血行がよくなって筋肉の緊張が解けやすくなります。これにより、副交感神経が優位になってリラックス効果が期待できるのです。できれば、半身浴ではなく、首まで浸かる全身浴で手先から足先まで温まりましょう。首まで浸かることで、首こりや肩こりなどの不調にもアプローチできますよ。(※4)
3.ストレッチをする
現代人は、PCやスマホの長時間使用などで無意識に首に負担をかけていることが多いです。首には重要な神経が多く通っているため、首のこりを解消することで自律神経を整えられる場合があります。そこで、日常的に首のストレッチを取り入れてみましょう。今回ご紹介するストレッチは場所を選ばず気軽にできるので、仕事や家事の合間に取り入れてみてくださいね。
(1)背筋を伸ばして肩の力を抜く。
(2)左腕を後ろに回して、右ひじをつかむ。
(3)頭を右に倒して10秒キープする。
(4)頭を斜め前に移動してさらに10秒キープする。
(5)左右の腕を入れ替えて、反対も行う。
4.ツボを押してみる
自律神経を整える効果が期待できるツボを押してみるのもおすすめです。合谷(ごうこく)は、副交感神経を優位にして自律神経を整える働きがあるツボです。精神的なストレスを緩和させて心を落ち着かせて、自律神経の乱れにアプローチします。場所は手の甲、親指と人差し指の間のくぼみです。人差し指側に向かって押すようにしましょう。(※5)
春先の不調には漢方薬もおすすめ
ここまでさまざまなセルフケア方法をお伝えしてきましたが、季節の変わり目による不調には漢方薬の服用もひとつの手段です。漢方薬は自然由来の生薬からできており、不調に根本からアプローチしてくれます。決まった量を飲むだけなので、忙しい毎日にも取り入れやすいのが嬉しいポイントです。
春先の不調の改善には、下記のような働きのある漢方薬を選びましょう。
・不安や気分の落ち込みを緩和する
・血流をよくして自律神経の乱れを整える
・消化・吸収機能を改善して、からだの内側から心を元気にする
・ホルモンバランスの乱れを改善する
もし、急に生活習慣を改めたり、ストレッチを毎日したりするのが難しい場合は、まずは漢方薬を服用してみるのもいいかもしれません。
春先の不調におすすめの漢方薬
・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
気(エネルギー)の巡りをよくし、こもった熱を冷ますことで、精神状態を安定させ、のぼせ、不眠、高血圧、イライラや気分の落ち込みを改善します。(※6)
・十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
気(エネルギー)や血(栄養)を補うことで、気力、体力を回復させます。疲労倦怠、食欲不振、貧血、消耗性の疾患や病後の衰弱などに効果があります。(※7)
スマホで気軽に専門家に相談できる「あんしん漢方」のような、オンライン個別相談も話題です。あんしん漢方はAI(人工知能)を活用し、漢方のプロが効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれるオンライン漢方サービス。
スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談できますよ。お手頃価格で不調を改善したい方は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。
季節の変わり目の不調には積極的なケアを
季節の変わり目は何かと体調を崩しやすいです。とはいえ、春先は入学や卒業、転職などさまざまなライフイベントが起こりやすい時期です。できるだけ、体調を崩さず元気に過ごすためには、今回ご紹介したセルフケア方法を日頃から取り入れることを意識しましょう。ただし、ご紹介したケア方法を一気に始める必要はありません。大切なのは続けることです。まずは無理のない範囲でできることから始めてみてくださいね。
参考サイト
(※1)せたがや内科・神経内科クリニック「春に起こりやすい不調・寒暖差疲労1」
(※2)社会福祉法人 恩賜財団 済生会「心と身体がしんどい原因は、自律神経⁈」
(※3)医療法人 入澤会 いりさわ心と体のクリニック「自律神経失調症」
(※4)せたがや内科・神経内科クリニック「寒暖差疲労の基本知識」
(※5)はらだ指圧整体マッサージ治療室「副交感神経を優位にするツボ|自律神経を整えて心身リラックス」
(※6)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒(医療用)」
(※7)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ十全大補湯エキス顆粒(医療用)」
この記事の監修者
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
(mimot.(ミモット)/あんしん漢方)