やさしくもグランピーなシェフが作る多国籍パイ♪神戸・魚崎の『グランピーキッチン』 神戸市
阪神魚崎駅・北側の出口を出るとどこからか漂う“おいしい香り”。その匂いにつられて尋ねた『GRUMPY-KITCHEN(グランピーキッチン)』(神戸市東灘区)で、イギリスの伝統的なパイを楽しんできました。
オーナーシェフのリチー・グラエムさんは、南アフリカ出身で、アフリカのみならずマレーシアやインドネシアなど、世界7か国13か所を転々としながらホテルの総料理長を務めた経験もあります。
神戸のホテルに縁があり10年前から日本へ。2019年12月にオープンし、日本人の奥さん・リサさんとともに切り盛りしています。
日本で販売されているパイといえば“スイーツ系”が主流ですが、同店では肉や野菜を使った“おかず系”のパイが約8種ずらりと並びます。ここまで種類がそろうお店は関西では珍しく、故郷の味を求めて大阪・京都から訪れる外国人も多いのだとか。
パイは直径約9センチで、1番人気の「チキンクリームパイ」、2番人気の「サーモンパイ」、「ビーフパイ」、新商品の「ローストチキンパイ」など、360円から600円まで価格もさまざま。日本人でも食べやすい味にアレンジされています。
場合によっては13時頃までに売り切れてしまうことがあるそうで、電話でのみ商品の取り置きが可能です。
リチーさんが手掛けるパイは形がしっかりとしていて“サクサク&ほろほろしない”のが特徴。食べづらいところが欠点でもあるパイですが、生地の配分を調整することでしっとり食感を実現しています。
おかず系のパイは5日間、アップルパイは3日間日持ちがするため、まとめて購入していく人も多いそうです。自宅に持ち帰って電子レンジで1~2分温めるのがおすすめだとか。
パイ生地のなかにはフィリングがぎっしり。「チキンクリームパイ」は、鶏むね肉やにんじん、玉ねぎ、グリンピースなどの具材がごろごろ入り、北海道バターや生クリームなどの濃厚クリーミーな味わいがこの季節にもぴったりです。
打って変わって「ビーフパイ」は、がつんとした肉の甘みがダイレクトに伝わり、食べ応えも十分♪温めることで中からデミソースがとろっとあふれ、おかず感覚で楽しむことができました。
あわせて試してほしい、ひとあじ違う「アップルパイ」。希少な青リンゴを使うことで、果物そのものを味わっているかのようなフレッシュな酸味が斬新。青リンゴを手でカットしながらパイ生地に詰め込み、ザグザグとした歯ごたえを演出しています。
リチーさんには“いつ食べても同じ味でお客さんに届ける”というモットーがあり、ベストな素材が手に入らないと商品の販売を中止するそうです。長らく青りんごが入手困難の状態だったようですが、昨年11月より再販売されることになりました。
隣のショーケースにはオープン当初から人気の「ブラウニー」や「とん足ゼリー」「燻製マヨネーズ」など、食卓に華を添える逸品もそろいます。3日かけて作る「ブリティッシュポークパイ」は完売でした!
オーストラリアの伝統菓子「ラミントン」は、まわりにコーティングされたココナッツのサクサクとした舌ざわり、チョコレートのしっとりほろ苦な風味がベストマッチ♪手土産にもおすすめです。
並んでいるパイやスイーツは、防腐剤や保存料、着色料などの添加物は不使用。安心して食べることができますね。
金・土曜の17時から限定でバル営業を実施し、ホットワインなどのアルコールとパイがつまめます。異国情緒あふれる雰囲気にチェンジし、訪れるお客さんも日本に住む外国人が多いそうです。スペースに限りがあるため事前予約がおすすめ。
冬は「モロッコパイ」や「ローストチキンパイ」が、夏は「チキンカレーパイ」などの期間限定商品もあり、常に登場する新商品も見逃せません。
店名の“グランピー”とは“頑固者”を意味し、“やさしくもグランピー”なリチーさんの手から生まれる料理がこれからも楽しみです。
場所
GRUMPY-KITCHEN(グランピーキッチン)
(神戸市東灘区魚崎中町4-6-14)
営業時間
11:00〜19:00
定休日
日・月曜