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千歳船橋さんぽのおすすめ7スポット。甘党やパン好きが喜ぶ店が目白押し!

さんたつ

【散歩の達人】vol.2 千歳船橋スイートライフ

最近の千歳船橋は散歩しがいがある街に変わった。以前は事務所やチェーン店だった場所、住宅地の方にも個人店が増え、し・か・も! 何やら甘い香りが……。甘党も喜ぶチトフナの今をご案内。

『Nectar.(ネクター)』パンの香りに包まれて心が和む喫茶店

店は間口が狭く、いい香りが満ちる。
キッシュ669円、ハンドドリップコーヒー605円。

バゲットやペイザンをはじめ、シンプルな食事パンが充実。「お客さまにはどういうものと合わせたいか、好みを聞いた上でおすすめをお伝えしてます」と、店主の村山藍さん。2階は喫茶スペースになっていて、自家焙煎のコーヒーが評判。豆は常時6種類あり、100gから販売も。

・11:00~20:00(コーヒーは~18:30LO、豆販売およびその他ドリンクは~19:00LO)、月・木・日休。

『BUTTER CUP(バターカップ)』お菓子とワインのスイートな関係

週末の『BUTTER CUP』はイートイン可能。地域のオアシスとなっている。
自家製アイスクリーム(ダブル)690円~も販売。季節限定の味も。
フランナチュール500円とグラスワイン850円~。

伝統菓子から素朴なおやつまで、ずらりと並んだ焼き菓子に夢中。契約養鶏場の卵など材料はなるべく国産のものを選び、手作りする。ワインはクラシックなフランス産を中心に、イートイン(土・日限定)ではお菓子と一緒に気軽に飲めるものを用意。ほろ酔いになり、カウンター談義がつい饒舌に。

・13:00~19:00、月・火休。

『salut!!(サリュー)』正統派&ユニークな創作パンの宝庫

カルダレモンロール260円。

開業前、フランスで腕を磨いた店主の末次佑介さん。「パンが主食の国は消費量も作る量もすごい。鍛えられました」。本場仕込みのバゲットの隣に、カルダレモンロールなどアイデア商品が。購入品を携え、近くの馬事公苑でピクニックなんてどう?

・9:00~19:30(売り切れ次第終了)、日・月休。
・☎03-6804-4065

『Livreve(リヴレーヴ)』甘党の願いをかなえる夢の国

エレーヌ660円(手前)、エメ660円(右奥)コム ラ リュンヌ650円(左奥)。

2021年、パティスリーが不足していた千歳船橋に現れた救世主。ひときわ美しく艶を放つエメは、アールグレイとマスカルポーネが華やかに香る一番人気だ。ムースのケーキは他にもあり、ピスタチオのエレーヌも好評。季節限定のグラニータは、果物で作るシャーベットドリンク。

・11:00~19:00、火・水休。
・☎03-6804-4183

『CHEESEト廻(チーズトメグル)』気になったら試食も兼ねて角打ち!

チーズの購入は100g~、角打ち30g~。グラスワイン、日本酒は700円~。

「チーズ好きが高じてレストランに勤めて、ソムリエも兼務しました」と、店主の中山友基さんはチーズ愛を告白。2023年、とうとう、国内外のナチュラルチーズを取り揃える専門店を始めた。角打ちもでき、選んだお酒に合わせてチーズを提案してくれる。

・11:30~19:00(金は12:00~19:30、土・日は10:30~18:00)、月・火休。

『THE TIME HAS COME(ザ タイム ハズ カム)』住宅地に出された小さな立て看板が目印

買い付けは、主にデンマークで行う。陳列棚には北欧のほか、スイス、ドイツのものも。

2014年頃から、店主の大杉章さんが自宅の1階で営業中。チャイムを鳴らすと出迎えてくれ、靴を脱いで上がる。大杉さんが現地で買い付けた1960~70年代の北欧ヴィンテージ雑貨を前に、宝探しの気分。ちなみに、BGMは大杉さんの好きなアメリカのロックンロールで、私物のレコードコレクションも圧巻。

・13:00~19:00、水休。
・☎03-3706-5453

『酒肴ト串 エレキトリック』普段使い抜群のコンパクトな良店

2024年7月で1周年。串1本250円~、タコ刺し1280円、自家製冷奴400円。焼酎グラス580円~。
レアな焼酎も。

串焼きには主に信玄どりを使い、電気式の焼き台でじっくり熱を通す。炭火ももちろんいいが、電気だとさっぱりと焼くことができ、「クセのない味わいで、ダイレクトに鶏の旨味を味わえます」と、店主の渡邊さん。純米酒、焼酎の厳選された品揃えは、酒通も熱烈支持。口直しにはクラフトジンを!

・17:00~24:00、日休。
・☎070-9080-8297

最近のチトフナはアツイ!

大きな商店街がある経堂と祖師ヶ谷大蔵に挟まれた、谷みたいな街。チェーン店が目立っていて、千歳船橋らしい景色って少ないなあ——。10年ほど前に住んでいた時、そんな印象を持っていた。いい店もあるにはあったが、散歩の途中でふらっと立ち寄れる店が少なかった覚えがある。

「でも、最近のチトフナはアツイんだよ! 個人店が増えて、街を歩く人を見ても、前よりいろんな世代の人がいるようになったよ」

知り合いからそんな噂を聞きつけ、久しぶりに訪れてみた。たしかに、本当だ。しかも甘党、小麦好きにとって魅力的なスポットが目白押しじゃないか! にわかに漂いだした甘い匂いに導かれ、まずは城山通り沿いにある1軒の扉を開けてみる。

甘いものを介してゆるやかにつながる縁

土・日の『BUTTER CUP』は、カウンター席がにぎわっている。ワイングラスを片手に店主の早川麻由子さんとおしゃべりしたり、他の常連客とも乾杯したり。添加物など余計なものを使っていないからか、食べ物に気を使う子供連れや、年配の方々も足しげく通っている。あらゆる世代が、休日になるとこの空間に集まるのだ。

「ママが次に飲むワイン、どれがいいと思う?」

早川さんが男の子に聞く。ボトルに貼られたエチケットのイラストを見て、男の子は「う〜ん、これ!」と直感でセレクト。その1本を、周りの大人たちも分かち合う。これこそ、今のチトフナらしい休日の過ごし方なのだ。「平日は、駅の向こう側にある『CHEESEト廻』にも行きますよ」。

常連客の1人が、また別の行き付けを教えてくれた。この2軒とさらに『Nectar.』は、いずれも2023年オープン。『Nectar.』は『CHEESEト廻』のチーズを使ったパンを手掛けるなど横のつながりも強い。数珠つなぎのように、訪れた店で次に行きたくなるお店を教えてもらえるのが楽しい。

また、以前は駅周辺にケーキ屋が足りていないのがチトフナ在住甘党の最大の悩みだった。解決してくれたのは『Livreve』。元々クリーニング店だった場所にオープンした。大家はそのクリーニング店で、現在も『Livreve』裏で営業中。「ケーキ屋が入ったことを喜んでくれていて、うちの制服もきれいにしてもらっています」とオーナーシェフの石黒啓太さん。そう話す笑顔と、パリッと糊の効いた真っ白い制服が、なんだかまぶしい。

さて、次はどの道を歩こうか? 住宅地のあのお店にも寄らなくちゃ。

取材・文=信藤舞子 撮影=オカダタカオ
『散歩の達人』2024年9月号より

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