箱根町 再エネ電力に切り替え開始 来春までに約30施設で
箱根町は11月21日、同町の公共施設で再生可能エネルギー由来の電力(以下「再エネ電力」)の使用を開始したと発表した。11月1日に宮城野浄水センターと仙石原浄水センターで、6日に役場本庁舎・分庁舎・郷土資料館で供給が開始されている。今年度中の5カ月間で362tのCO2排出量削減が期待できるという。
同町は導入にあたり株式会社エナーバンク(東京都中央区)が提供する電力調達の仲介サービス「エネオク」を利用。せり下げ式オークションの形式で、これにより従来の化石燃料由来の電力に比べ料金も安く抑えられるという。
50%削減達成へ
同町は来年4月までに約30ある公共の高圧電力施設全てで再エネ電力の導入を目指している。100%切り替わることで「第2次箱根町地球温暖化対策実行計画」で掲げる温室効果ガス排出量の削減目標の水準に大きく近づくという。
同計画では基準年度(2013年度)における温室効果ガス排出量を7165tと算出。目標では2030年度までに約50%にあたる3582tの削減を掲げる。計画策定時はこれを「野心的」とし、担当者は「コスト面で再エネ電力の導入はハードルが高いと感じていた」と話す。
ところが今年4月、南足柄市が県西地域で初めて「エネオク」を利用したという事例を受け同町でも検討が進められた。「切り替えて変わるのは請求書のやり取りくらい。リスクも大きくない」とコスト面の課題を解消し本格的な導入が決まったとしている。