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時を刻んだ「北沢浮遊選鉱場」を一望するカフェ「北沢Terrace」。

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時を刻んだ「北沢浮遊選鉱場」を一望するカフェ「北沢Terrace」。

佐渡市相川にある「北沢Terrace(テラス)」。史跡「北沢浮遊選鉱場」を目の前に臨む、絶好のロケーションに建つカフェです。こちらをはじめたのが、宿泊施設を営む「有限会社浦島」。秋晴れが心地いい日にお邪魔して、この場所でお店をはじめた経緯や提供しているメニューへのこだわりについて、浦島の間島さんにお話を聞いてきました。

有限会社浦島

間島 万起人 Makito Majima

1992年佐渡市生まれ。高校卒業後、東京の大学に進学。関東で就職し企業に勤めたのちUターン。家業である「有限会社浦島」へ入社。佐渡のおすすめ土産は国指定の伝統的工芸品でもある「無名異焼」。

――「北沢浮遊選鉱場」が一望できる、最高のロケーションですよね。どうしてこちらでカフェをはじめることになったんでしょう?

間島さん:きっかけは、2012年の「ダイニングアウト」というイベントです。世界のトップシェフを誘致して、佐渡の食材と人材を活用して行われる一夜限りの野外レストランで、その記念すべき第1回目がこの佐渡で行われました。

――それは素敵な企画ですね。

間島さん:そこに私たちも参画させていただきました。北沢浮遊選鉱場でのプロジェクションマッピングと「鼓童」の演奏を背景に、特別なお食事を提供しました。そのときに、プロジェクションマッピングを投影する機材を持ち込んだのが「北沢Terrace」の建物で、この場所が眠っている事に気づかされました。

――こんなにいい場所に建っていながら、使われないままになっていたんですね。

間島さん:それまでは、これだけの史跡がありながら、ただ写真を撮って通り過ぎるだけの観光地になってしまっていました。それをなんとか滞留していただけるように、史跡を活用した新しい観光地にしていきたいという思いから、店舗をオープンすることになりました。

――お店で提供されているメニューの中で、おすすめはありますか?

間島さん:おすすめは「佐渡島黒豚の金山カレー」です。お肉は自社グループで育てている「佐渡島黒豚」を、お米は佐渡産コシヒカリを使用しています。道遊の割戸をイメージして盛り付けていて、仕上げに金粉をまぶしています。

――佐渡を満喫できる一品ですね。自社で養豚までされているとは驚きました。

間島さん:佐渡では廃れてしまった養豚を復活させたい、佐渡へ来た方に海産物だけではなくて佐渡のお肉も召し上がっていただききたいという思いから、養豚事業をはじめました。黒豚のエサには佐渡の西三川のりんごや昆布、酒米などを加えています。完全放牧型の飼育をしていて、とてもきめ細かな肉質と甘みのある脂身が特徴です。

――宿泊業をされているといろいろ感じるところがあると思いますが、間島さんから見た佐渡の魅力ってどんなところですか?

間島さん:「何もないこと」だと思います。現代社会の人々が、常に情報や刺激にさらされている中で、佐渡は心からリラックスして、自然と一体化できる環境だなと感じますね。

――都市部のような便利さや刺激がないからこそ、時間を忘れてのんびり過ごすには絶好の場所ですよね。

間島さん:それに佐渡は、ゆっくりと滞在して、自然や文化、人との触れ合いを通じて心を癒す、滞在型の観光地へと変わってきています。「暮らすように旅をする佐渡」として、常に何かに追われている現代人が心をリセットすることができる、大きな魅力のある場所なんじゃないかなと思います。

北沢Terrace

佐渡市相川北沢町2

TEL: 0259-58-7085

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