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アダム・クーパーが演出家役で舞台に登場~新演出版『コーラスライン』日本プレミア公演が開幕!【ドレスリハーサルレポート】

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『コーラスライン』日本プレミア公演

ニコライ・フォスターが新演出を手掛け、アダム・クーパーが演出家ザック役で出演する『コーラスライン』日本プレミア公演が、2025年9月8日(月)、東京は池袋の東京建物Brillia HALLで開幕した(9月22日まで上演)。その後は、9月27日(土)〜9月28日(日)仙台、10月2日(木)〜10月6日(月)大阪へと巡演し、10月10日(金)〜19日(日)には東京凱旋公演が行なわれる。

オーディションを受けに来た男女たちが舞台上で歌と踊りによって自身の人生を語り、表現していく物語『コーラスライン』は、1975年にニューヨークのオフ・ブロードウェイで開幕、翌月にオン・ブロードウェイへの進出を果たすと、翌年(1976年)のトニー賞でミュージカル最優秀賞はじめ9部門を制覇、さらにピューリッツアー賞や、ドラマ・ディスク・アワード、ニューヨーク演劇批評家協会賞も受賞し、1985年には映画化された。マーヴィン・ハムリッシュ作曲のミュージカルナンバーはいずれも名曲揃いだが、中でも「ONE」は日本のCMでも頻繁に流れるほど、よく知られている。

そんなミュージカル史上の金字塔的名作が、オリジナル版の原案・振付・演出を担当したマイケル・ベネットへの最大のリスペクトを込めつつ、新たなヴァージョンとして2021年に英国レスターのカーヴ劇場で生まれ変わった。新演出をカーヴ劇場芸術監督のニコライ・フォスター、新振付をエレン・ケーンが手掛けた。編曲や美術・照明などもすべて一新。また、それ以前の舞台ではもっぱら声のみの出演だった演出家ザック役が、新演出版では舞台上にどんどん現れるようになった。そんなザック役を演じたのがアダム・クーパー。同作は2024年にはロンドンのサドラーズ・ウェールズ劇場をはじめ英国各地で上演され、大きな反響を呼んだ。

『コーラスライン』日本プレミア公演初日となる9月8日の午後には、ドレスリハーサルと会見が、初日舞台に先だって報道向けに公開された。

(撮影:樋口隆宏)



<ドレスリハーサル>

【ストーリー】
物語は、ニューヨーク。舞台の新作ミュージカルのオーディション会場。ステージ上には、1本の白い線が書かれている。その線の前に、最終オーディションに残ったメンバーは17名。最後の課題を渡される。『自分自身について語ってほしい』と。そして、課題を渡すのが、新作ミュージカルの演出家・ザックである。最終オーディションの面々は、多様な人生を歩んできており、誰一人として同じ回答をする者はいない。自分の人生のシェアをするとき、人は最高の主役であり、輝く瞬間を見るのであった。そんなメンバーの中に、過去にザックと恋人関係にあったキャシーも、再び舞台に戻るためにオーディションに挑んでいた。

(撮影:樋口隆宏)

(撮影:樋口隆宏)

最終審査に残った17名 (撮影:樋口隆宏)

マイク「I Can Do That」 (撮影:樋口隆宏)

演出家席のザック(アダム・クーパー) (撮影:樋口隆宏)

(撮影:安藤かなこ)

シーラ、ビビ、マギーの美しい三重唱「At the Ballet」 (撮影:安藤かなこ)

クリスティンとアルの夫婦の「Sing!」 (撮影:安藤かなこ)

(撮影:安藤かなこ)

コニー「ハロー12歳、ハロー13歳、そして恋」 (撮影:安藤かなこ)

「Mother」を歌うジュディー (撮影:安藤かなこ)

「Gimme the Ball」を歌うリチー (撮影:安藤かなこ)

「ダンス10点、ルックス3点」のヴァル (撮影:安藤かなこ)

プエルトリコ人だがイタリア系のステージネームで活動するポールと、ザック (撮影:安藤かなこ)

ザックの元カノ、キャシーがオーディションにやってきた「The Music and the Mirror」 (撮影:樋口隆宏)

スター経験のあるキャシーに「コーラスの仕事をすべきでない」と、ザックは咎めるが… (撮影:樋口隆宏)

「What I did for Love」を歌うディアナたち (撮影:安藤かなこ)

(撮影:樋口隆宏)

「ONE」 (撮影:樋口隆宏)

「ONE」 (撮影:樋口隆宏)

「ONE」 (撮影:樋口隆宏)

「ONE」 (撮影:樋口隆宏)

<会見>

(左)演出・ニコライ・フォスター、(右)アダム・クーパー (撮影:安藤かなこ)

アダム・クーパー [演出家ザック役]

『コーラスライン』の新演出版の話を聞いた時はすごくワクワクしました。もともと映画を観てよく知っている作品でしたが、2013年にオリジナル版のリバイバル公演をロンドンで観て、時代を超えて変わらず面白味を感じる作品である一方で、やはり時代性という意味では少し遅れを取っていて、せっかくの作品の良さが伝わりきれていない部分があると思いました。良い作品、例えばシェイクスピアだって、色々な解釈をされていますよね。ならば素敵なミュージカル作品だってどんどん新しく解釈されていくべきだと感じていたので、ニコライ(・フォスター)が新しいヴァージョンの演出をする、そして演出だけでなく振付や音楽アレンジも変えると聞いてとても素敵だと思いました。

(撮影:安藤かなこ)

かねてより色々な場所で何度も「ニコライ・フォスターという若くて素敵な演出家がいる」という噂を聞いていて、もしオファーが来たらぜひご一緒したいと前から考えていましたが、今回ご一緒してみたら想像以上に素晴らしい演出家でした。

彼は演出家として優れているだけではなく、とても安心できる場所を役者に提供してくれます。コラボレーション精神にあふれていて、非常に謙虚な方です。ニコライは変化に対してたいへん寛容で我々のアイデアやたくさんの変化を受け入れてくれます。

(撮影:安藤かなこ)

本来舞台上に姿を見せないザックを舞台上に登場させるというアイデアも稽古の中で二人で一緒に探らせてもらいました。ニコライさんは、イギリスで、いや、もしかしたら世界で今最も忙しい演出家といっても過言ではないと思いますが、既存の作品に新しい命を与えるというすごいビジョンを持った素晴らしい演出家です。役者として素敵な経験をさせていただきました。今後もぜひたくさんご一緒させていただきたいと思います。

僕自身、舞台の上で素晴らしい才能を目の当たりにする喜びを毎日感じているので、公演を観た日本のお客様にもとても素敵な体験をしていただけると思います。ぜひこの素晴らしい作品を楽しんでいただきたいです。

(撮影:安藤かなこ)

ニコライ・フォスター [新演出版 演出]

(1975年の初演から50年の時を経て新演出の特別な許可がおりたことについて)これまでは、偉大なマイケル・ベネットのオリジナル演出に基くプロダクションしかありませんでしたが、アダム・クーパーと共に白紙の状態からこの作品を新たに作り直すというチャンスをいただき、とても恵まれた立場にいます。演出・振付・照明・デザイン…あらゆるところから新しく解釈する機会をいただきました。

今回は21世紀のレンズを通して作品を見るということに着目し、偉大な振付家のエレン・ケーンに助けていただきながら、作品の中に見られるテーマのセクシャリティや、演出家と役者の関係性が現代の演劇界の中でどう生きられるかということを、現在のお客様にどのように伝えていくかを大事に考えながら、創っていきました。

もともと優れた作品でしたので、それに見合う新しい演出、新しい振付を提供できるのかという不安はありました。個人的にマイケル・ベネットに対する大きなリスペクトがあるのと、この作品を作るにあたり彼の歴史を振り返ってみて、いちダンサーから歴代の中で最も偉大と言っても過言ではないブロードウェイの演出、振付家となった彼の偉大さに追いつけるかどうかというのが1番の難題でした。

(撮影:安藤かなこ)

アダム・クーパーさんは偉大な俳優というだけでなく、美しい人間性を持った方です。自分自身のことをよくわかっていらっしゃり、とても誠実で創造力に溢れています。今回コラボレーションできたことは本当に光栄です。アダムは日本でも大スターですが、僕もマシュー・ボーンの作品や『ビリー・エリオット』で拝見してから憧れの存在だったので、宝物のような体験になりました。

彼は、自身のプロフェッショナルな経験と、コラボレーションに対するオープンな性格、そして力強いリーダーシップを発揮してくださり、作品を前に進めるためにかかせない役割を担ってくれています。

僕は今回初めて日本に来ましたが、日本の文化に触れて、この国に作品を持って来られたことを本当に幸せに思いました。『コーラスライン』は、美しさ、知性、人間らしさを描いた作品です。この作品を通して、素晴らしい喜び、魔法、そして人生を変える体験をしていただければと思います。アダムだけでなく他にも素晴らしいアーティストが揃っているので、是非皆さんお楽しみいただければと思います。

(撮影:安藤かなこ)

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