ワインの名産地・山梨と長野を抑えて“日本一”に!伊豆市「中伊豆ワイナリーヒルズ」の赤ワイン「伊豆シンフォニー」に込められた秘話
国内最大規模の審査会「日本ワインコンクール」で伊豆のワイナリーが快挙!
SBSアナウンサーの井手春希です。 今年8月、山梨県で国内最大規模の日本ワインの審査会「日本ワインコンクール」が開催され、伊豆市のワイナリーが出品した赤ワインが最高峰に輝きました!
860点の出品ワインの中から1本だけ選ばれた「グランドゴールド賞」を受賞したのが 「伊豆シンフォニー・レッド2022プレミアム」です。 これは、国内産ワインの発祥地・山梨県や長野県を抑えての快挙です。
私も実際に試飲させてもらいました。口当たりがマイルドでとても飲みやすい赤ワインでした。香りも豊かでとてもおいしかったです!
このワインをつくっているのは、伊豆半島の中心に位置する「中伊豆ワイナリーヒルズ」 。30年ほど前からブドウの栽培を始め、現在、畑は10ヘクタールまで広がり、全国屈指のワイナリーに成長しました。
醸造家の水野直人さんは受賞について「自信はあった」と力を込めます。
伊豆地方はワイン造りに適していない!?
驚くのは、伊豆地方はワイン造りに適していないということ。 伊豆は温暖多湿で雨が多い地域のため、ブドウを栽培するのはすごく難しいのです。
一般的にワイン造りは、年間平均気温が10〜20℃で昼と夜の寒暖差があり、一年を通した雨の量も500〜900ミリ程度の地域が適しているといわれています。ワイナリーがある伊豆地域の年間降水量は約2800ミリ。雨がブドウにあたると病気になるため「雨対策」には細心の注意を払っています。
ワイナリーでは「グレープガード」という雨除けを秋雨対策として行いますが、 中伊豆ワイナリーヒルズでは梅雨入り前の5月中旬から準備を始め、作業の効率化を図りながらブドウの手入れをする時間を設けています。
ワイン造りは不向きだといわれた伊豆地方ですが、今や温暖化が進みこれまでのワイン産地が対策を迫られる一方で、中伊豆ワイナリーヒルズはその先駆者になっているのです。
伊豆を新たなワインの名産地へ
醸造家の水野さんは「今、温暖化でブドウの色づきがこなかったりするのが問題になってきているけれど、伊豆はいち早くその問題に対応できているという強みがあるので『銘醸地』といわれる山梨、長野、北海道には負けないぞと言いたいです」とさらなる発展を誓います。
伊豆が新たなワインの名産地になる日も、近いかもしれません。
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■中伊豆ワイナリーヒルズ
住所:伊豆市下白岩1433-27