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報徳会事務所でイベント 障害者雇用に向け蔵活用

タウンニュース

蔵を見学する子どもたち

厚木市厚木町に事務所を構える社会福祉法人報徳会が、江戸時代後期に建てられた蔵を電力会社に頼らない「オフグリッド建築」で改修する試みを進めている。将来的には障害者が働くための事業所として活用する計画で、このほど厚木市と環境ボランティア団体「エコ・アップ・あつぎ」と共に子ども向けの環境イベントを開き、蔵をお披露目した。

報徳会は相模原市で福祉施設などを運営しており、理事長の内田善久さんは障害者が不自由なく働ける場所をつくろうと、6年ほど前から同会厚木事務所(厚木町)の敷地内にある蔵をオフグリッドによる手法で改修してきた。

井戸水を活用しミストシャワー

オフグリッドとは、電力会社の送電線(グリッド)に頼ることなく自立して電力をまかなえる状態を指す。改修中の蔵は太陽光で自家発電し、敷地内の井戸水を蔵の軒に設置したミストシャワーに使用するなど、現代的な環境共生型の建物に生まれ変わらせた。蔵の内部には、昔の手回し洗濯機や氷式冷蔵庫も展示されている。

内田さんは市内で環境問題などに取り組むエコ・アップ・あつぎの会長も務めており、子どもたちに環境への関心を深めてもらおうと、「古い蔵で昔の生活を探検・オフグリッドの暮らしを探検しよう」と題したイベントを企画。厚木市の協力を得て8月8日に開催した。

参加した子どもたちは、蔵の中を探検したり敷地内の五右衛門風呂を見学したりしたほか、井戸の水汲みにも挑戦し、昔ながらの生活を追体験した。有薗眞宏君(南毛利小5年)は「古くて歴史を感じられるものもあったけど、令和っぽいところもあった」と興味深そうに話した。

報徳会の理念である「今日より明日」「百年理念」を企画に取り入れ、歴史ある蔵をオフグリッドで改修してきた内田さんは、「障害のある人がただ働けるのではなく、建物として歴史的な価値があり、百年先も残る唯一無二のものになれば」と今後の展開に期待を寄せた。

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