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【グッと!地球便】スペイン・バルセロナ 亡き母に憧れネイリストとして奮闘する妹に届ける家族の想い

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【グッと!地球便】スペイン・バルセロナ 亡き母に憧れネイリストとして奮闘する妹に届ける家族の想い

今回の配達先は、スペイン・バルセロナ。ここでネイリストとして奮闘する宮坂沙弥香さん(42)へ、東京都で暮らす父・親知さん(70)、兄・泰史さん(44)が届けたおもいとは―。

ネイリストの地位が低かったスペインでサロンを構えて10年

沙弥香さんのネイルサロン「キラネイルズ」があるのは、世界有数の観光地・バルセロナの中心部。2014年に開業し、今年で10周年を迎えた。どんな注文でもお客さんのイメージ通りに仕上げるスタイルで、料金は1万5千円ほどと日本の相場と変わらない価格に設定している。沙弥香さんがスペインに来た18年前、現地にネイルサロンは1軒もなかったという。今では数千円で営業する店も増えているが、キラネイルズには予約がひっきりなし。お客さんのほとんどが地元の女性で、たいていは沙弥香さんにお任せで施術中の世間話を楽しみにしている人も多い。

実はスペインでは昔からネイリストの地位がかなり低く、全く稼げない職業だった。それを何とかしたいと考えた沙弥香さんは、2010年、国際ネイルコンテストに出場。いきなり2位になったが、研究を重ね4年後には日本人で初となるアクリルとジェルの2部門を制覇。技術の高さを世界に示すことで、ヨーロッパにおけるネイリストの地位を向上したいと挑み続けてきたのだった。

自宅があるのは、屋上からサグラダ・ファミリアが見えるマンション。パートナーとは未婚のまま6年前に別れた。共同親権を選んだため、9歳と7歳の子どもはパパとママの家を行き来している。

目標だった母の死、キラキラと輝く友人たちにショックを受け、誰もいないスペインの田舎町へ

少女時代は、いつもきれいで凛とした母に憧れながらも、剣道などスポーツに邁進。おてんばで、負けず嫌いな性格だったという。“超ギャル”だった高校時代、母に「美容の仕事がしたい」と言うと、「ちゃんと美容学校に行って国家試験を取りなさい」とアドバイスされ、専門学校に進んだ。そして首席で卒業し国家資格を取得したが、喜びも束の間、母が末期がんで余命1か月の宣告を受ける。結局、目標だった母は48歳という若さで逝去し、沙弥香さんは現実から逃げるようにふらふらと過ごしていた。だが3年後、ふと気づけば周囲には社会に出た美容学校時代の友人たちのキラキラと輝く姿が…。自分との差を感じた沙弥香さんは誰もいない場所に行こうと、スペイン語も話せないまま24歳で単身田舎町のグラナダへ。必死で言葉を覚え、仕事を求めてたどり着いたのがバルセロナだった。

国際大会の優勝を機にモデルからも指名されるようになり、今では広告撮影の仕事もひっきりなしに舞い込むように。ある日も、世界的企業のCM撮影で、20人ものモデルにネイルを施した。仕事が終わったのは翌朝。休む間もなく、家には1週間ぶりに子どもたちが帰ってきた。

沙弥香さんの仕事ぶりを見た父・親知さんと、兄・泰史さん。親知さんは「不思議と人を楽しくさせるものを持っているし、人の気持ちをわかってやっているので、個人のいいところを引き出したネイルができるのかな」と感慨深げ。一方、泰史さんは「実は母は、女性社会ということもあって反対していたようで、『覚悟を持っていきなさいよ』と言っていたと聞いてます」と秘話を明かす。

美の追求に妥協せずがむしゃらに突き進む妹へ、兄と父からの届け物は―

ネイルサロンと並行して撮影の仕事も入れているため、働き通しの日々が続く。だが「お店は毎日アップグレードしているし、だから撮影に呼んでもらえるというのもある。お客さんにも、『この広告の仕事をやった人にやってもらえる』と喜んでもらえることが多いので、結局いろんなところで駆けずり回ってやってます。ありがたいことですね」と弱音を吐くことはない。

キラキラした世界を求めて海を渡り、美の追求に妥協せずがむしゃらに突き進む沙弥香さんへ、家族からの届け物は、18年前、スペインに渡ってから毎年兄に送っていた手紙。当時の想いが詰まった文面を読み返した沙弥香さんは大笑いしながらも、大粒の涙が流れる。
さらに、父から娘へ宛てた手紙も。実は父はある事情から沙弥香さんが15歳のときに家を出て、母が亡くなる前に戻ってきたという過去があった。そのため確執があった反面、沙弥香さんは「父とは似ているところがある」と感じていたという。そんな父からの手紙には「父親として心配しない人はいません。辛かったと思います。出来る事はいつでもします」と綴られていた。涙ながらに読んでいた沙弥香さんだったが、父と兄の想いを受け取ると、「うれしいです。宮坂家の男どもがまだ沙弥香を心配してくれてるんだなって思いました」と喜びいっぱいの笑顔がはじけるのだった。

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