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【木更津市】ヤンキー服だけじゃない!世界に誇れるレアスカジャンやアロハに出合える「あさひや木更津」

チイコミ!

【木更津市】ヤンキー服だけじゃない!世界に誇れるレアスカジャンやアロハに出合える「あさひや木更津」

木更津駅から徒歩3分の場所にあるカジュアルショップ「あさひや木更津」。

学生時代の氣志團メンバーも通った、ヤンキーファッションを取り扱うお店として知られています。

今回、そんないかついイメージのあるあさひやに潜入。さぞかし硬派なお店では…と思いきや、そこで待っていたのは明るく優しい店長と、世界にも通用するレアアイテムの数々でした。

「ヤンキーショップ」で終わらすにはもったいない。あさひやの魅力に迫ります。

創業約120年。あさひやが見た木更津の移り変わり

レトロモダンでオシャレなあさひやのロゴ

1906(明治39)年に現在の場所(千葉県木更津市中央)で創業したあさひや。開業当時の木更津は海運や漁業などが商業の中心で、栄えているのも海の近くばかりでした。

海から離れた場所にあるあさひやの近辺は閑散としていて、「周りに遮るものが何もないから朝日が良く当たる」というのが店名の由来なのだそうです。

昭和4年の木更津鳥瞰図(ちょうかんず)の一部。木更津駅の近くに、あさひやの前身「影山商店」が描かれています

4代目となる現あさひや店長、笹川容子さんに、あさひやと街の移り変わりについて教えていただきました。

笹川容子さん。ちなみにご自身は「スカートの丈もいじったことはない」という、いたって普通の学生だったのだそう

「木更津に国鉄が通る前に創業したあさひやは、主に鉄道工事に携わる方々に向けた、足袋や股引といった当時の作業着の製造販売から始まったようです。

戦後は輸入中古デニム、国産デニムパンツ、作業着を販売するようになり、その後やんちゃな学生ズボンや、カジュアルウエアを販売するようになりました。最近ではおみこしの担ぎ手に人気の足袋や、鯉口シャツなども取り扱っています

創業当初のあさひやを支えたミシンも残っています
「雪駄はかかとをはみ出して履くのが粋と言われていました。でも次の日歩けないぐらいふくらはぎが張っちゃうんですよ。ですので最近では足にフィットしたサイズの雪駄をおすすめしています」(笹川さん)

主力商品の変遷とともに「足袋屋」「作業着屋」「ジーパン屋」「ヤンキーショップ」と呼び名が変わっていったというあさひや。

ヤンキーファッションの老舗と呼ばれるようになったのはいつからなのでしょうか?

現在の品ぞろえに移行してきたのは、1980年代頃からなのだとか。

その当時、本やスポーツ用品、レコード、ファッションなどのお店は、木更津駅周辺にしかありませんでした。そこで木更津駅には君津、袖ケ浦、富津などの近隣市からも多くの学生たちが集まり、アイスを食べたり買い物をしたりと青春のひと時を過ごしていたのです。

駅から徒歩5分の場所にあるあさひやでは、当時の学生たちのニーズに合わせて、カッターシャツや幅の広いボンタンズボンなども取り扱うように。

氣志團のメンバーはこの時代にあさひやに訪れていたようで、「皆さん元気な学生さんでしたよ」と笹川さんは振り返ります。

90年代、バブル絶頂時代になると肩パッドが入った派手なスーツが流行し、こちらもあさひやでも取り扱うように。仕事が終わってから遊びに行くお客さんも多い、元気な時代だったのだそう。

時代は流れ、木更津駅周辺のたたずまいはずいぶん変わりました。

当時のような活気はなくなり、学生たちがあさひやを訪れることも少なくなりました。

しかし、当時の学生たちは変わらずあさひやを愛し、現在も取り扱う商品は進化し続けています。

笹川さんは「父の影山清之が中心に店を切り盛りしていた時から、店のポリシーは『他では買えない、唯一無二のものを取り扱う』なんです。ずっとそのポリシーで営業しているだけで、ヤンキーショップという自覚はないんです。ですので私たちはあさひやを『メンズカジュアルショップ』って自称しています」と話します。

ハワイ直輸入アロハ、国内生産スカジャン、和柄鯉口などお宝満載

木更津の街とともに歩んできたあさひや。現在の店内や品ぞろえが気になりませんか?

では、一緒にショップツアーに出かけましょう!

「メンズカジュアルショップ」とは言え、なかなかパンチのある外観。一瞬足がすくみます。しかし、よく見ると…んん?!

クールジャパンっぽいラムちゃんのスカジャン! カワイイ!

確かに一見ヤンキー色強めな品ぞろえに見えますが、私でも着られそうなアイテムもたくさん!
いや、もしかして長く見つめているうちに、感覚がまひしてきた…?

そこに買い物を終えたお客さんを発見。お話を伺うことができました。

海が大好きで、最近静岡県から富津市に移住したという田中さん。マリン柄のシャツを着た爽やかな男性です。あさひやはネットで知り、初めて来店したのだそう。「今年の夏用に明るい柄ものの服を探していたんですが、量販店だとどれも似ている気がして。このお店は他にはないデザインが多く気に入りました」と、アロハシャツと柄シャツを購入して帰られました。

個人的インパクトNo.1だったラオウ様のTシャツ。迫力ある刺しゅうで描かれています。どれもクオリティが高い!

笹川さんによると「ここ最近は、思いもよらなかったアイテムの取り入れ方をするお客さんも多いですよ」とのこと。

「例えば和柄の鯉口シャツを、フェスに羽織っていくと若い女性が買っていかれました。人がごった返す会場なので、目立つ格好が良いそうです」

こちらが鯉口シャツ。なるほどおしゃれ上級者!

着物のテイストが入った美しい鯉口シャツは、個性的なファッションが楽しめそうです。メキシコに帰るお土産に購入したお客様もいたのだとか。

その他にもあさひやさんには、天井いっぱいに飾られたスカジャンや

ハワイから直輸入されたものもあるアロハシャツなど、希少なアイテムが所せましと並んでいます。

円安の影響で、アロハシャツの輸入は今後どうなるかわからないとの事。気になる方はお店に急いで!

「メーカーにもよりますが、スカジャンや和柄の鯉口シャツは、日本人の職人さんが国内で製造した純日本製。素材も縫製も上質なんですよ」(笹川さん)

ちなみに2024年6月現在、あさひやイチ押しのアイテムはこちら。

陰影や質感までもがまるで繊細な絵画のように刺しゅうで表現された、マリリンモンローのスカジャン。

こちらは、完全日本製の老舗スカジャンメーカー「星姫(ほしひめ)」と、ファッションデザイン業界で最も知られる横振り刺しゅうのブランド「大澤翔会」との最新コラボ作品! ようやく入荷した1着で、次はいつお目にかかれるかわからない逸品だとか。

戦後、アメリカ兵の帰国土産として誕生した、日本発祥の洋服スカジャン。刺しゅう技術の高さやデザインは海外からの人気も高く、海外旅行先で着ていたスカジャンをその場で売ってほしいと言われた逸話もあるほどです。

スカジャンに限らず、あさひやではできるだけ商品のデザインが被らないように仕入れており、一期一会のものも少なくありません。運命を感じたらすぐ入手しないと次回はもうお店にないかも…なんて可能性も。

笹川さんいわく「うちで洋服を買うお客さまは、同じような場所で遊ぶでしょ。そこでデザインが被ったら気まずいじゃないですか」とのこと。な、なるほど。

お宝アイテムも多いものの、ここはヤンキーショップとして名をはせたあさひや店内。好きな人にはたまらない、とがったアイテムももちろんありますよ。

永遠の定番。ガルフィー

「名古屋発祥のブランド、ガルフィーは昔から人気ですね。一時生産を控えていたんですが、(元・水曜日のカンパネラ)コムアイさんがお気に入りだと着用写真をSNSに載せたことで再ブレイクしました」(笹川さん)

ちなみにドラマ「木更津キャッツアイ」の登場人物、マスターの奥さんが着ていたのもガルフィーのジャージ。これはロケ中のテレビスタッフが、木更津の女の子が皆ガルフィーを着ているのを見て不思議に思い、あさひやに聞きに来たのがきっかけなのだとか。あさひやではアドバイスや衣装提供をしたそうです。

バブル時代から人気のカラースーツ。最近では「背中に刺しゅうを入れてコンサートに着て行く!」と購入する矢沢永吉ファンが多いのだとか。これは確かに目立ちそう。また発表や、ステージ衣装に購入する人も多いそうです。

最近のトレンドか、アニメキャラを刺しゅうしたTシャツやスカジャンも多く見られます。プリントとは違う重厚感。ぜひ一度は目にしてほしい!

それにしても、木更津の歴史からヤンキー文化、ブランドや商品紹介まで笹川さんの知識量が半端ない。さすがプロのバイヤー、と舌を巻いていたら「実は先日、ヤンキー文化について講演してくれって言われて。でも自分はヤンキーじゃなくてよく知らなかったから、歴史や文化を勉強したんです」と笹川さん。真面目!

2024・あさひや夏コレクション

さて今回、YouTubeチャンネル「ちいき新聞TV」でおなじみのひろみずさんに取材に同行いただき、あさひやwithちいき新聞のファッションモデルをしてもらいました。

それでは、2024年・あさひや夏コレクションをご覧ください!(なお商品は売り切れている場合があります)

「えっ、これBTSのSUGAさんがSNSにUPしてた服!」とひろみずさんのテンションが爆上がりだったスカジャン

SUGAさんと同じポーズでパシャリ

ダボッとしたシルエット含め、とってもお似合いです!
ちょっとマットな質感なので、普段のファッションに取り入れやすそうな1着。「ARMY(BTSファンの呼び名)」からの注文もあったそうです。

他にもこんな「ザ・スカジャン」もあります。某ドラマの衣装としても使われたデザイン。メンズをあえて女性が着てもカワイイ

フェス女子も愛用の和柄鯉口シャツ。確かに目立つこと間違いなし!

そしてやっぱり外せないのは

なぜか不安げな表情

ガルフィー!

今回は夏らしく、甚平のセットアップをセレクトしてみました。
ちなみに、ガルフィーも年代によってちょっとずつデザインが違うそうですよ。あなたの記憶の中のガルフィーはどれですか?

というわけで、単なる「ヤンキーショップ」で終わらせてしまうのはあまりに惜しい、あさひや木更津レポをお届けしました。

取材を終え、ここは「まだ多くの方に見つかっていない名店」だと確信しました。

ネットでの販売もしていますが、質感や縫製などは直接店舗で目にしてほしいものばかり。
和テイストを織り込みつつも、最近のトレンドに落とし込んだ上質な商品は外国の方にはまりそう。思えばヤンキー文化も日本独自で進化を遂げた日本文化の一つなんですよね。

多くの人に見つかる前に、あなたを待つ特別な1着を探しに訪れてみてはいかがでしょう?

それでは!

お店の顔はめパネルで笹川さんとひろみずさんで記念写真。最後までご協力ありがとうございました!

あさひや木更津 
住所/千葉県木更津市中央1-9-3
営業時間/午前9時~午後6時
定休日/火曜日
駐車場/無料駐車場3台
アクセス/JR木更津駅「第二館山街道踏切」近く。東口・西口どちらからでも徒歩5分
問い合わせ/0438-22-2930
X(旧Twitter)/ @asahiyafashion
Instagram/ @asahiya_shop

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