緑区老人クラブ連合会 手作りの服でショー開催 50年前のドレスも登場
緑区老人クラブ連合会女性部会は8月20日、中山地区センターでファッションショーを開催した。高齢者の生き甲斐づくりや交流促進などを目的にしたもので、区内の老人クラブに所属する女性たちが着物をリメイクするなど、自らが手作りした服を披露。中には約50年前に自身で制作したウエディングドレスを披露した参加者もおり、その美しさに注目が集まった。
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同部会が主催するファッションショーは今回で2回目。女性部会長でもある同クラブ連合会の平井充子会長によると、昨年、出演者や役員だけで初開催した際に大きな反響があったため、今年は一層広い会場での開催を企画。一般の見学者も来場できる形式にして行われた。
地域住民らが三味線に見立てたスコップを叩きながら音を鳴らす「スコップ三味線」の演奏や踊りで会場を盛り上げた後、ファッションショーが始まった。
手作りの服を制作したのは女性たち26人。母が残してくれた着物をリメイクして服を作ったり、洋服の生地でバッグを制作したり、さまざまな工夫を凝らした作品が次々と登場した。制作者自らが身にまとって「ランウェイ」を歩いたり、モデルとして別の女性に着用してもらって披露したりする参加者もいた。来場者たちから「すごくきれい」との声が上がるなど、会場は大いに盛り上がった。
区内から来場した女性は「とてもきれいなので服に触ってみたくなった。作品の展示もしてほしい」と話していた。
妹への祝福の思い込め
ブーケを手に、純白のウエディングドレス姿でひと際注目を集めたのは岩本照子さん。ドレスは50年ほど前、妹の結婚式のために自身で作り始め、洋裁学校で学んだ技術を生かして仕上げたという。妹が式で着用した数年後には、自らの結婚式でも身にまとった。姉妹の掛け替えのない思い出の詰まった作品だ。
式の後、箱に入れて長年自宅で大切に保管していた岩本さん。平井会長から「ぜひ参加してほしい」と打診を受け「何十年も開けていなかったので、箱を開けるときドキドキしました」と笑顔で語る。取り出してみると美しいままだったのでほっとしたという。
ショーを終え、平井会長は「今回開催して、すごく良い手応えがあった。人が喜ぶ顔を見るのが一番の幸せ」と話していた。