日本空手協会相州二宮 ウクライナに道場分室 英語で交流「いつか日本に」
日本空手協会相州二宮(原伸定代表・54)が、ウクライナの首都キーウ在住のユーリ・ポフクさん(46)主宰の道場を分室認定し、定期的にオンラインで稽古している。
ロシアのウクライナ侵攻により戦争状態となっていることから、過去には避難警報が出て稽古が中止になったこともあるという。原さんは「現地の皆さんは戦争で疲弊しているとユーリ先生から聞いている。子どもも大人もみんなで空手を楽しめるようになるまで、オンライン稽古を続けていきたい」と話す。
20年以上、キーウで道場を続けてきたというユーリさん。松濤會の空手道の教えを本場で学びたいと、度々日本の道場に足を運んでいたというが、戦争が始まったことで来日することも叶わなくなっていた。
原さんのもとに、日本空手協会を通じて指導依頼があったことから昨年8月、オンライン稽古をスタート。月1回ほど、原さんの道場とユーリさんの道場がタブレットでつながって空手への理解を深めているという。
ユーリさんの道場に通う、ヨーロッパチャンピオンのヴァレリア・ピスクンさん(23)が通訳を買って出て、英語で交流することも。ヴァレリアさんは「原先生のおかげで、武道の文化を分かち合える。いつか日本で学べることを願っています」と話し、ユーリさんは、「空手を通じて、ウクライナの人々が戦争の恐怖を忘れられるよう、サポートすることができると信じています」と前を向く。
原さんは「一緒に稽古しているのに、協会主催の世界大会にウクライナチームは来られない。子どもたちも戦争のある日常について、感じていることがあると思う」と話していた。