被災地に薬剤師派遣 東京薬科大学の教員ら〈八王子市〉
元日に発生した能登半島地震を受けて東京薬科大学(堀之内)が、薬剤師の実務経験を持つ教員ら4人を被災地へ派遣して支援活動を行った。
これは都の要請で災害派遣薬剤師を募集した東京都薬剤師会の呼びかけに、同大学が手を挙げたもの。1月21日から2月6日までの期間に4人の教員らが5日間ずつ石川県輪島市を訪れ、被災者の常用薬調査や服薬指導、避難所の衛生環境調査と改善指導、現地の薬局にある医薬品の在庫情報の管理・共有などの医療支援活動を行った。感染症が流行しつつある避難所では、除菌・殺菌に効果のある薬剤の情報提供や手洗い場への石鹸・ハンドソープの設置を促し、経口補水液の作成方法なども伝えたという。
経験教育に生かす
今回、同大学から派遣されたのは松本有右常務理事・客員教授、秋山滋男准教授、鈴木信也准教授、原直己講師。過去に薬剤師として新潟県中越地震や東日本大震災、熊本地震、ダイヤモンド・プリンセス号での新型コロナウイルス長期検疫対応など、いずれかの現地活動に参加した経験のあるメンバーだった。教員らは「災害後のフェーズの変化に伴い、必要となる医薬品のニーズが異なることがわかった」「環境・衛生面における薬剤師の役割が重大なことを痛感した」などと輪島市での活動を振り返った。
同大学では「今後も薬剤師会の要請に応じて継続的な支援活動を行うとともに、今回の経験を生かして災害薬事に活躍できる薬剤師の養成を目指していきたい」と話している。