浄心|超予約困難店!癒しの時間が流れる和食割烹料理店の美味しい天むす
揚げたての海老天に握りたてのおにぎりが合わさると、最高の美味しさになる。
そう、それが名古屋飯のひとつ「天むす」です。
正確にいうと、天むすは三重県津市が発祥の地なんですが、現在では名古屋飯として多くの方に知られています。
海老も米も大好きなので天むすは大の好物。そんな天むすを世界一美味しく提供するお店が浄心にあります。なんと、こちらのお店、超予約困難店ということで、なかなか行くことができないのですが、先日、訪問のチャンス到来!天むすだけでなく、すべてのお料理が絶妙な塩梅でたまらなかったのです。
そこで今回は、名古屋の知る人ぞ知る割烹料理の名店をご紹介。全国から足しげく通う人も多いお店は浄心駅にありました。
食材の美味しさを圧倒的に引き出した料理の数々!その滋味深い味わいに感動の割烹料理店「花いち」
「今日で地球が終わるなら、最後に何が食べたい?」
皆さんも一度はこの話題について考えたこともあるのではないでしょうか。
焼肉、ステーキ、お鮨……。最後に口にするのにふさわしい料理はたくさんありますが、私は「花いちさんの天むすが食べたい」と答えると思います。
それほどまでに美味しい天むすを、浄心駅から徒歩10分ほどの場所にある「花いち」さんでいただきました!
「花いち」さんといえばミシュランガイド愛知・岐阜・三重2019特別版にて「ミシュランプレート1つ星」を獲得した名店で、超予約困難店としてグルメ通の間で知られています。先日、そんな「花いち」さんに訪問できるチャンスが到来しました。
住宅街の中にひっそりと佇む、店名が書かれた看板などはなく、入り口には「不触不味」という言葉が掲げられています。
「不触不味」とは、食材が持つ本来の美味しさを大切に、素材の旨みを最大限に引き出すことだそう。「花いち」さんのお料理のコンセプトが「不触不味」とのことで、この言葉は「花いち」さんの大将が考えた造語とのことです。
店内には、カウンター席が6席ほどあり、奥にはテーブルの座敷部屋も用意されています。基本的にはカウンター席のみでの営業とのことでしたが、お子さまなどがいる場合は、座敷部屋を使用することができるそうです。
そして、「花いち」さんのメニューは毎日書かれる手書きのメニュー。この第9603番という数字は、「花いち」さんの営業した日数なのです。この日は「花いち」さんがスタートしてから9603番目の夜。
その時期の旬のメニューがずらりと並び、メニューを選ぶ楽しさもあります。お刺身に冷菜や焼き魚、煮魚などがラインアップされ、〆のご飯ものや麺も多彩にそろっています。ついつい、あれもこれもと頼みたいところですが、ガツガツ食べるお店ではないことを胸に、どうしても食べたいものだけを厳選しました。
ではでは、ビールで乾杯です。薄張りのグラスで、より一層ビールが美味しく感じます。
まずはお刺身から。
●「向」たちうお
自分では捌くことが難しい「たちうお」です。淡白そうな見ためですが、甘みがありとっても美味しい。美しく盛り付けされているところも眼福です。
●「向」さわらたたき
お次もお刺身です。「さわら」は青魚の一種なのですが、青魚独特の臭みがなく、上品な味わいが特徴の魚です。そんな「さわら」の表面を炙った「たたき」でいただきます。表面を軽く炙ったことで、香ばしさがアップし、濃厚かつ、脂ののった味わいが最高です。
これは日本酒を飲まないわけにはいけません。日本酒は特に銘柄を選べるわけではなく、熱燗、常温、冷のどれかをチョイスするスタイルです。 お刺身なので冷でいきます!
続いて焼きものです。
●「焼肴」さわらの西京焼
またまた「さわら」を注文です。西京焼と聞くと、ついつい頼みたくなってしまいます。西京焼とは、米麹を多く使った甘みのある白味噌に魚を漬けて焼き上げた料理のこと。旬の魚の西京焼は、魚の美味しさをギュッと味噌の塩みや甘みで包み込んでいることから、ジューシーさがアップしています。身もふわふわでたまりません!
●「焼肴」たちうお
こちらも焼きもの。ここでもやっぱり「たちうお」。皮の表面がパリッと香ばしく焼かれていて、身もふっくら。塩の塩梅もちょうど良い。絶妙の焼き加減に感動すら覚えます。そして、焼きものの隣にそっと添えられたレンコンの甘酢漬け。お口直しに最高です。
●「冷 」えびと柿の胡麻だれ
お次は冷菜です。えびと柿を胡麻だれで食べると、こんなにもマッチするのか…!感動的なマリアージュです。胡麻の香ばしさと柿の甘み、えびの最高の歯応え、さらにお酒が進みます。
●「冷 」酢みそ(サザエ・げそ・ゆりね)
お次も冷菜です。この酢みそが美味しいのなんの!酢みそ和えは、何度も食べたことがありますが、こんなに具が豊富な酢みそは食べたことがありません。サザエとげその美味しい歯応え、ゆりねの甘さ、そしてパプリカとブロッコリーも良いスパイスになっています。
●「揚物」はんぺん
ここからは揚げ物です。
花いちさんで必須といわれている「はんぺん」は、注文を受けた後にすり身をすり鉢であてた、まさに作りたての「はんぺん」です。生姜をちょろっとのせて、醤油に付けていただきます。ごぼうの食感も相まって、これが美味しいのなんのって!風味と食感が本当に素晴らしいです。
●「揚物」あおりいかと干しいもの天ぷら
揚げたてほ天ぷら。こちらもたまりませんでした。あおりいかのぷりぷり感に衣のサクサク。さらに干しいもを天ぷらにしたら、こんなにも甘みが増すものか!噛むほどに干しいもの甘みが口の中に広がります。
そして、この天ぷらの美味しさを盛り上げるのが、添えられた塩にあります。この塩は、大徳寺納豆が入った塩で、これを舐めながらお酒が飲めるほど美味しい塩なのです。
大徳寺納豆とは、私たちが普段食べている納豆や甘納豆とは別のもので、味噌や醤油の種類に近いもので、醸造製品の部類に入るのだそうです。天ぷらを付けていただくと、あおりいかと干しいもの甘みがさらに引き立つのです。
●「焼肴」浸し豆
ここで呑んべえ心に火がついたため、お次はこちらを注文。
こちらは鞍掛豆(くらかけまめ)を出汁醤油に浸したもので、お酒のアテに最高です。香ばしくて甘じょっぱくて…。いやぁ、日本の料理って本当に美味しいなぁ……と、しみじみ感じてしまいます。
●「煮物椀」船場汁(塩さばと大根)
大徳寺納豆入りの塩と浸し豆でチビチビとお酒をやっていたら、温かいものへと導かれます。
この船場汁とは、大阪の問屋街である船場で生まれた家庭料理。塩さばの旨みがしっかりと感じられる心がホッとする最高の味わい。いやぁ〜、本当に何を食べても本当に美味しい。丁寧で上品な味わいが、日々戦っている身体に染み渡るのです。
●そばいなり
ほっこりしたところで、〆へと移ります。
いなりずしのそばバージョンのこちら。いなりのジューシーすぎる味わいにびっくり。お出汁をしっかり含んだお揚げは、ほんのり甘い味わい。そばもスルスルと入っていきます。きつねそばは、もはやこのスタイルで良いのではないかと思ってしまうほどです。
●天むす
そして、そして最後の〆がこちらの超名物のこちらです。
こちらは注文後、えびを捌き、丁寧に下処理して天ぷらにしたものを絶妙な塩梅の塩加減で天むすにしたもの。これが本当に絶品で絶品で。10個食べられそうなほど!
こんなに美味しい天むすは食べたことがありません。「花いち」さんに来店した方のほとんどが、「天むす」を必ず注文するのも分かります。すべてが絶妙な塩梅で、ぷりっぷりのえびにほど良い塩味のご飯、パリパリの海苔が抜群の美味しさを奏でています。
「花いち」さんでいただける料理は、本当にシンプルなものですが、どれもが味わい深く、どれもが「う…うまい…」と唸ってしまうほどの美味しさです。
余計なものを入れないことで、その素材の持つ美味しさが引き立っています。そして、どれもが作りたてという点も「花いち」さんの特徴でしょう。和えたて、揚げたて、作りたて。料理は、作りたてであればあるほど、美味しいものですよね。
派手さはないものの、シンプルに美味しい。そんな和食を楽しめる「花いち」さん。なかなか予約は取りにくいですが、訪問できるチャンスが訪れた際は、旬の味覚あふれる料理の数々をお楽しみあれ。
INFORMATION
店名:
花いち
住所:
愛知県名古屋市西区児玉2-4-13
営業時間:
17:00〜22:00
一人当たりの予算:
¥9,000〜
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