Yahoo! JAPAN

母親にとっては「最高の息子」、息子にとっては「毒親」...すれ違う親子を描いた衝撃作【作者に聞く】

毎日が発見ネット

母親にとっては「最高の息子」、息子にとっては「毒親」...すれ違う親子を描いた衝撃作【作者に聞く】

漫画『先輩は綺麗な人だった』など、SNSを中心に話題を集める「理系女ちゃん(@rikejo_chan)」さん。新たに描き下ろした漫画『最高の息子の育て方』も、人と人との"認識のズレ"をテーマにした作品です。本作について著者「理系女ちゃん」さんにお話を伺いました。



母親にとっては「最高の息子」。しかし...


物語の主人公は、息子・春樹のことを「天才」だと信じて疑わない母親。3歳で小学生の算数問題を解いた息子を見て、自分は"特別な子"を産んだのだと確信し、息子が幼いうちから進学塾に通わせるなど教育熱心に育てます。



その結果、春樹は難なく受験に成功。やがて有名私立大学への入学も決まります。成績優秀なだけでなく、母の日に花束をプレゼントしてくれる優しさもあり、彼女は息子を「最高の息子」だと満足げに見守るのでした。



ところが春樹の視点から描かれる後半からは、物語の様相ががらっと一変。実は春樹が勉強漬けの日々を送っていたのは、物心がついた頃から母の暴力を恐れていたから。遊びや恋愛を禁じられ、まるで人形のように育てられた春樹は、母親から離れて新たな人生を送りたいと心から望んでいました。



歪んだ愛情でつながった母と息子の関係



──息子を愛するがあまり、息子を自分のもとに縛り付け、思いのままにしようとする母親の姿を描いた本作。まずこのテーマを選んだ理由やきっかけを教えてください。


親との軋轢に悩む学生をこれまで見てきたからです。子ども自身は親を選べないために辛い状態から抜け出せず、苦しんだ事例を知っているため少しでもこういった問題が認知されればと思い、漫画にしました。



──本作を描くにあたって、参考にしたエピソードやご経験はあったのでしょうか?


周囲の人々の話や、ニュースなどで目にした親子関係の事例からインスピレーションを得ました。特に、成功を強く望む親が子どもに期待をかけすぎるケースや、子どもがそのプレッシャーにどう対応していくかという点に焦点を当てました。


母親に一方的な理想を押し付けられた結果、反抗もせずに人形のようになってしまった息子。不満を抱く息子の本心に、母親はまったく気づいていないのか? 息子視点で描かれた事実が果たして真実なのか? 描かれていない物語の「余白」を楽しむことができる作品です。



【関連記事】

おすすめの記事