「インド映画のダンス」に魅了された遅咲きダンサーは夢を掴めるか?『コール・ミー・ダンサー』脅威の“身体能力”映像
「“本物のダンサーだ”と言われたい」
世界のドキュメンタリー映画賞を席巻した『コール・ミー・ダンサー』が11月29日(金)より全国公開。バレエの魅力にとりつかれた遅咲きのダンサーが運命的な出会いを果たし、夢に向かって挑戦する姿を描いたドキュメンタリーだ。
このたび“踊りに愛された”青年マニーシュの驚異的な身体能力を捉えた本編特別映像が解禁。手探りで練習を重ねたマニーシュの情熱と、周囲の理解をえられずとも笑顔を絶やさない彼の明るさが胸を打つ。
バレエの虜になった遅咲きのダンサーを待ち受ける試練の数々
ムンバイで大学に通うマニーシュは、ストリート・ダンスに興味を持ち独学で練習を始める。ある日、出場したダンスの大会で注目を浴びた彼は、出場していた他の選手にダンス・スクールに通うことを勧められ、決して豊かな家庭環境ではないながらもマニーシュに一生懸命、教育を施してきた両親からは反対される中、ダンス・スクールの門を叩く。そこで彼は、バレエを教えるイスラエル人イェフダと出会い、バレエの虜になってしまう。
優れた運動能力とたゆまぬ向上心を持ち、短期間で驚くような成長を見せるマニーシュだったが、バレエダンサーとして活躍するためには歳を重ねすぎていた。そんなマニーシュの想いに応えるため、共に苦悩し、努力を続けるイェフダ。彼らは、自分たちが<何者であるのか>を探し求めながら、互いの人生を変えていく――。
「まずは“バク転のメカニズム”を想像した」
このたび解禁された映像は、マニーシュの驚異的な身体能力を捉えたもの。マニーシュは18歳の時に偶然観たボリウッド映画の<バク転>に衝撃を受け、ダンスを始めたという。
最初は「やり方」すらわからなかったが、まずはひたすら動画を見て“バク転のメカニズム”を想像することに。「バク転は後方に廻る。回るために体を反らせる、次は足の振り上げ」……と動きの一つ一つを解剖し、それに沿って自分の身体を合わせていった。
手探りでバク転を習得した当時を振り返りながら、その動作を再現するマニーシュ。とにかく踊ることが楽しい――そんな心の声が聞こえてきそうなほど、感情のままに身体を操っていくマニーシュの驚異的な身体能力は、力強くもしなやかな筋肉からもひしひしと伝わってくる。
リアル『リトル・ダンサー』を目指した青年と、彼を追い続けた制作陣
血のにじむような努力と、葛藤と、波瀾に満ちた人生を送る主人公マニーシュ・チャウハンは、そのドラマチックな半生が話題を呼び、2020年のNetflix映画『バレエ:未来への扉』として製作された際には本人役として出演、現在もダンサーとして活躍している。
そして本作『コール・ミー・ダンサー』は、彼のひたむきさとたゆまぬ努力、生まれ持っての明るい魅力が重なることで、既存のドキュメンタリーとは一線を画し、さながら“実話ドラマ”を鑑賞しているかのような没頭感を生み出した。
監督は、自身もダンサーとして長く活躍し、引退後プロデューサーに転身、バレエの舞台から、PBS、ディスカバリー チャンネル、A&E、CBS、アルジャジーラなど数々のドキュメンタリーで名誉ある賞を獲得してきたレスリー・シャンパインと、同じく25年以上ドキュメンタリーを中心に制作してきたピップ・ギルモアの2人。ストリートダンス、バレエ、コンテンポラリーダンスー夢を実現するため、年齢に応じて様々なダンススタイルに挑戦するマニーシュの姿と成長を捉えた映像は、ドキュメンタリー作品を超えた<クオリティ・ムービー>に仕上がっている。
『コール・ミー・ダンサー』は2024年11月29日(金)より新宿シネマカリテほか全国公開