主将奮闘記 柳ケ浦高校野球部 田原光太郎(2年) 【大分県】
柳ケ浦が20年ぶりにセンバツ高校野球の切符をつかんだ。チームをけん引するのは、精神的支柱であり守備の要でもあるキャプテンの田原光太郎(2年)。粘り強い守備と声を武器に、チームを一つにまとめるリーダーだ。田原が目指す理想のキャプテン像とは? そして、大舞台へ向けた覚悟とは? 熱い思いを胸に抱くキャプテンに、チームの強みやセンバツへの意気込みを聞いた。
Q:3月のセンバツ高校野球の出場が決まって3週間余りがたちましたが、実感は湧いてきましたか?
最初はあまり実感がなかったのですが、練習のメニューやチームの雰囲気が変わってきて、だんだんと「センバツに行くんだ」と感じるようになりました。特に、宇佐市長への表敬訪問や、多くの方から応援の言葉をいただいたことで、改めてセンバツ出場の実感が湧きました。
Q:福岡出身ですが、柳ケ浦へ越境入学を決めた理由は?
中学時代の指導者が柳ケ浦出身だったこともありますが、一番の理由は鈴木聡監督の存在です。鈴木監督が率いるチームなら甲子園を目指せると思い、入学を決めました。監督はとても熱く、僕たちを自分の子どものように見てくれます。悪いことはしっかり叱り、良いプレーはしっかり褒めてくれる。まるでお父さんのような存在です。
Q:昨秋の九州地区大会県予選で準優勝、九州地区大会で4強入りを果たし、センバツ出場を決めました。これまでの試合を振り返ってどう感じますか?
キーになったのは、九州地区予選の別府翔青戦(2回戦)です。2対1で勝ちましたが、危ない場面もありました。でも、そこで粘り切れたことがチームの自信につながりました。あの試合の勝利で「みんなで戦うんだ」という一体感が生まれたと思います。支部戦や私学大会では自分たちの力不足を痛感し、それが秋の大会での成長につながりました。
チームを一つにまとめるキャプテン
Q:チームの特徴を教えてください。
勢いのあるチームです。どんな場面でも声を出し、粘り強い守備ができるのが強みです。特に先制点を取れたときは、その勢いのまま試合を運ぶことができます。ロースコアの展開を得意としていて、投手陣も安定感があるので、守備には自信があります。
Q:自身のストロングポイントは?
守備です。特にポジション取りには自信があります。試合前日に相手のデータを見て、どのバッターがどの方向に打球を飛ばすのかを予測します。また、試合中も1球前のファウルの方向を見て、自分の立ち位置を微調整しています。僕は技術的にはそこまで高くないので、声を出し、泥くさいプレーでチームを引っ張っていきたいです。
Q:キャプテンになった経緯は?
一つ上の代で副キャプテンをやっていたので、監督から「キャプテンはできるか?」と聞かれ、「やりたいです」と答えました。すると、その日のミーティングでキャプテン就任が発表されました。
Q:理想のキャプテン像とは?
プレーだけでなく、私生活でもチームを引っ張る存在になりたいです。自分が率先して動くことで、周りもそれに応えてくれるような信頼されるキャプテンを目指しています。細かい部分を大切にすることが、最終的にプレーにもつながると思っています。
Q:最後にセンバツへの意気込みをお願いします。
まずは自分が率先して、声かけやプレーの中でチームを引っ張り、厳しさを持って取り組んでいきたいと思います。全力で戦い抜きます!
「ロースコアで勝ち上がりたい」と語った
(柚野真也)