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町田出身の６人組バンド、Billyrrom（ビリーロム）。ロックやブラックミュージックにルールを持つメンバーによって生み出される楽曲は、一度聴けば耳から離れないポップさと洗練されたグルーヴ感を併せ持つ。CM曲への抜擢や大型フェスへの出演も相まって、急速に人気を高めている。

そんな彼らの1stアルバムとなる『WiND』が９月25日に発売された。そして同日、代官山UNITにて行われたライブ企画「nova! nova! nova! vol.2」に出演。新アルバム収録曲を披露し、華のあるライブパフォーマンスと安定感のある演奏にフロアは熱狂の渦に包まれた。

ライブ直前、リリースしたばかりの1stアルバム『WiND』について６人に話を伺うことができた。

セブツー：本日は1stアルバムの発売おめでとうございます。私も朝から沢山聴かせていただいています。改めて、今回のアルバムはどのような作品になっているのでしょうか。

Rin：自分たちとしてかなりチャレンジが多かった作品です。聞いてもらうと分かると思うんですけど、今までの作品とは感じも違ったりしていて。アルバムでしかできないようなことをやったし、それに伴ってレコーディングもいつもと色々変えてみた部分があったりだとか、そういう面ですごく新しい挑戦がありました。この作品をこのタイミングで1stアルバムとして出せたことがすごく嬉しいなって思う。

ただ、その中でもやっぱりBillyrromらしさみたいなものはすごく入っていると思っています。

Mol：そうだね。みんな、外出る時に服を着るじゃないですか。それと同じでバンドとして、サウンドとしてすごくお洒落した曲もあれば、もう服を全部脱いでいるかのような裸に近い曲もあったりして。そういう風にジャンルに捉われずにやりたいことをやるって行為自体がBillyrromらしいのかなと思います。

みんな（＝リスナー）は曲ごとに「これがBillyrromっぽい」というのがあるかもしれないけれど、僕ら６人としてはその全部が僕たちだって思いがありました。ただそれってやっぱりアルバムじゃないと表現できないことなので、アルバムを出せて素直に、めっちゃ嬉しいです。

セブツー ：アルバムタイトルの由来を教えていただけますか。

Mol：言い出しっぺは（隣のYuta Haraを指して）あなたですよね。なんかBillyrromは自然っぽいみたいな・・・。

Yuta Hara：Billyrromが自然っぽいバンドだなっていうのがあって。何か自然現象から取りたいなと思って話していく中で『WiND』というタイトルになりました。「風」というのが一つテーマになっていて、向かい風だったり追い風だったり、生活をしている中で風はいつも肌にあたるもので、加えていつか台風の目になりたいという思いもあってこのタイトルを付けさせていただきました。（Rinを指して）何か捕捉あれば・・・。

Rin：捕捉、そうだな・・・。バンド名の由来にもなっている「自分たちの信念を持ちながら新しい場所で流動的に、常に挑戦し続けて音楽を鳴らしていく」というテーマがあって、それに通ずるもので「Walk  in New  Directions（アルバム一曲目のタイトル）（＝新しい方向に歩んで行く）」というキーワードがあります。この言葉の頭文字を取って『WiND』になっているというのが二つ目の由来としてあります。

三つ目は、全楽曲で「風」「Wind」というものをすごくキーワードにしていて、曲ごとに比喩として「風」を使っているということがあります。その「風」は向かい風なのか、追い風なのか、それとも自分たちが乗って自分たちを良くしていくためものなのか、「風」の意味が曲ごとに変わっていて。

これらを京都の喫茶店で話し合って『WiND』にしようとなりました。

Mol：でも元々そのテーマ決める前から「DUNE」と「Windy You」（共にアルバム収録曲）は出てたよね。二つともRinが作詞したんだけど、二つとも、既に「風」ってキーワードが入っていたんですよ。（Rinに対して）なんか言ってましたよね。自然と出てきたみたいな、なんか気付いたら風書いてたみたいな（笑）。

Rin：そうね。そこが結構Yuta Haraが言っていた部分とリンクしたみたいな。

一同:急なフルネーム（笑）

セブツー ：元々「風」がキーワードとしてあった上で、様々な意味が込められたタイトルなんですね。『WiND』のiが小さいのは「Walk  in New  Directions」の頭文字でもあるからなんですね。

Rin：そうですね。

セブツー ：とても素敵な名前ですね。

一同：ありがとうございます。

セブツー ：最後に、来年から今回のアルバムを掲げてのワンマンツアーが始まるということでファンの皆さんへのメッセージや今後の意気込みをどうぞ！

（一同Taiseiwatabikiを指名）

Taiseiwatabiki：今後の意気込み・・・。（しばらく考えてShunsukeにパス）

Mol：そんな苦手タイプじゃなくない？（笑）

Yuta Hara：（そういうスキル）高いじゃない（笑）。

Taiseiwatabiki：なんか今は出てこない・・・（苦笑）。

Shunsuke：アルバム自体も作り始めた時から想像もつかないような一枚になったので、ここから、このアルバムのテーマで６都市ワンマンツアー回るってなっても、どういうツアーになるのか正直自分たちでも想像できない。

だからこそすごく楽しみだし、来てくれる皆さんも楽しみにしていただいていると思うんですけど、その場で作り上げるライブというのはその期待以上のものになる気がしています。

Mol：そうだね。６都市回るっていう意味も、例えば『WiND』ってパッケージされたものを俺らがずっと同じテンション感で６都市回るってことではなくて。やっぱりその土地によってお客さんの感じも違ったりするんで、その場所ごとのお客さんたちと空間に対してのコミュニケーションという形でこのアルバムのツアーを完走できたらいいなと思ってますね。

「よしもうやってやるぞ！」という感じではなくて、意外と落ち着いた気持ちです。純粋に滲み出たこの作品たちを、同じような気持ちで、純粋に丁寧に演奏すれば自ずと俺たち自身も感じることも出てくると思うし、お客さんにも伝えたいこと伝えられるような気はしてますね。 

来てくれる人たちもあまり考えずに、空気感を楽しみに来てくれると嬉しいです。

自然体のまま、しかし大切に言葉を選びながらインタビューに応じてくれた６人。その様子から作品への熱い思いと自信が伝わってきた。

ポップ・ミュージックからミクスチャー・ロックまであらゆる音楽好きを夢中にさせるBillyrrom。そんな彼らの記念すべき1stアルバムを、ぜひ曲ごとに変わる「風」に注目しながら堪能してほしい。