バスクの伝統菓子食べ比べ!フランスと日本、2人の職人による夢の共演セット
「MIREMONT(ミルモン)」は、1872年にフランス南西部、バスク地方の町ビアリッツで創業したパティスリー。海岸沿いのリゾート地で、王族や貴族、多くの著名人にも愛されてきた老舗です。
そのスペシャリテであるバスク地方の伝統菓子「ガトーバスク」に惹かれて門をたたき、シェフのブリュノ・パイエ氏と共に働いたのが、2015年に白金高輪に「メゾン・ダーニ」をオープンした戸谷尚弘シェフです。
2024年秋に開催された百貨店催事の「フランス展」で、ブリュノシェフが、日本で初めて焼き菓子を実演販売。戸谷シェフもそれをサポートされ、お2人が並んでガトーバスクを焼き上げる様子が微笑ましかったです。
「MIREMONT」のガトーバスクは、食べやすい1人分サイズで、周りの生地はあまり分厚くなく、フチが波型で花のような愛らしい形。「メゾン・ダーニ」のガトーバスクもこれを受け継いでいますが、戸谷シェフ曰く、風味は変わらないものの、全く同じレシピという訳ではなく、微妙な違いがあるそうです。
「MIREMONT」のものは、アーモンドやバターの味わいとコクがありつつ、食感は軽やかでホロホロと優しい食感。「メゾン・ダーニ」は、生地は香ばしく力強く、中はじんわりしっとりとした食感。
催事をきっかけに、お2人のガトーバスクの食べ比べが出来るセットが、オンライン限定で登場しました。
ブリュノシェフは、日本限定の「ガトーバスク オウ マッチャ」を考案。お店の伝統的なレシピを元に、生地に静岡県産の有機抹茶を練り込み、同じ抹茶を使用したホワイトチョコ風味のカスタードを詰めて焼き上げています。
一方、「メゾン・ダーニ」のガトーバスクは、黒さくらんぼのコンフィチュール入り。バスク地方の村「Itxassou(イッツアスー)」は、“黒いさくらんぼ”の産地で、濃い赤紫色のさくらんぼが採れます。私が当地を訪ねた際も、これを使ったコンフィチュールを中に詰めたガトーバスクをよく見かけました。
「メゾン・ダーニ」では、日本で手に入るフランス産の黒さくらんぼを、果肉もゴロッと感じられるコンフィチュールにして、ガトーバスクに閉じ込めて焼き上げています。
常温のままでもよいのですが、ほんの少し焼き戻すとより香ばしく、周りはサクッと、中はしっとり。焦がさないようアルミホイルで包み、温めておいたオーブンに30秒程入れて火を切り、余熱で温めてから、外に出して蒸気がこもらないよう熱を飛ばすのがコツ。しっとり食感が好みであれば、レンジで温めても、またがらりと表情が変わります。
温かい紅茶やコーヒーと共に、ゆったりした気持ちで2種類の食べ比べを楽しんでください。
商品名:抹茶のガトーバスクと黒さくらんぼのガトーバスク
販売:MIREMONT & MAISON D'AHNI(ミルモン&メゾン・ダーニ)
文:お取り寄せの達人:平岩理緒さん(スイーツジャーナリスト)