お腹が痛いと言う子ども。「学校を休むのは悪いことなの?」【まんが】
私たちの日常にある「あたりまえ」。「どうして?」と問われたとき、はっきりと理由を答えられるものはどれだけあるでしょうか。「あたりまえ」への疑問の答えは、きっとひとつではありません。 トイプードルのトイトイと、猫のモラ。2匹の視点から生まれた疑問に、あなたなりの答えを見つけてみませんか?
学校を休むのは悪いことなの?
学校って…具合悪くてもどうしても行かなきゃいけない場所なのかな?
私は小学校のころ「皆勤賞」を取りました。
健康優良児だったのもあって、6年間無欠席で学校に通ったのです。当時はそれを誇らしく思っていたものですが、6年間1日も休まずに学校という場に行っていたということはそこまで本当に誇らしいことだったのか、表彰されるようなことだったのか……と最近よく考えます。
学校を1日も休まない人が表彰される……『休まないことが偉いこと』だという考え方は果たして誰にとっての正しさなのでしょう。
本来、活動するためには充分な休息も必要です。少しでも不調があるならむしろ休んだほうがいいことだってたくさんあります。無理をすればちょっとの不調が重篤な不調になってしまうこともあります。
それは身体的なものもそうだし、心においてもそうです。
我が家の子どもたちは1年に数回学校や幼稚園に行けなくなる時期がありました。
最初のうちは行きたくないと泣いても無理矢理連れて行っていました。
皆勤賞を誇りに思っていた私は、休むことが良くないことだと思っていたのです。
心の不調を訴える我が子を無理矢理疲れる場に連れて行くことは、さらに心を疲弊させることになりました。無理をさせ続け、ある日から全く学校に行けなくなりました。
熱もなく、食欲もあり、家では笑っています。でも学校には行けません。
身体は元気なのに学校を休ませるなんて……と当時の私は思っていましたが、疲れたときはその疲れが取れるまで本来うんと休んだほうがいいのです。私がそう思えるようになるまでに数年かかりましたが、いつしか吹っ切れて気が済むまでお休みしてもらいました。
たっぷり気が済むまで休んだ娘は、ある日自発的に学校に行くようになりました。
休むことは大事なことです。休まないことは表彰されるようなことではありません。
疲れたら、調子が悪くなったら、誰だって休んでいいんです。
学校も仕事も、しんどい思いをしてまで行かなければいけない場所ではありません。
大人も子どもも、身体の不調は「休みなさい」のサイン。
自分の身体を大切にするため、不調を感じたら自ら休む判断をすることが褒められるような社会になったらいいな……と、今の私は思っています。
水谷アス/気づきの種蒔き人