せいろで作る茶碗蒸しの作り方・レシピ|す(穴)の対処法も
失敗しない!せいろでなめらか「茶碗蒸し」
調理時間:25分
蒸し時間15分を含む
せいろの木製構造は熱をやさしく伝え、蒸気がじんわりと循環することで、茶碗蒸しをふんわりとなめらかに蒸し上げます。また、金属製の蒸し器は蒸気が上から抜けにくいのに対し、せいろの蓋は適度に水分を吸収するため、水滴が落ちにくく、茶碗蒸しがしっとりと仕上がりますよ。
材料(2人分)
卵:1個(約50g)
鶏もも肉:30g
しいたけ:2切れ
かまぼこ:2切れ
三つ葉:適量
鶏肉用
白だし(10倍濃縮):小さじ1杯
卵液
水:150cc
白だし(10倍濃縮):大さじ2杯
コツ・ポイント
黄金比は「卵1:だし3」
ほどよい柔らかさとなめらかな舌ざわりに仕上がります。
卵液は必ずこす
ざるや茶こしを使うひと手間で、口当たりが格段になめらかになり、見た目も美しくなります。
アルミホイルをかぶせる
蒸気が直接当たるのを防ぎ、「す(穴)」や表面のデコボコを防ぎます。
火加減は「弱火」でじっくり
強火は「す」ができる最大の原因です。必ず弱火を保ち、穏やかな蒸気で加熱しましょう。
作り方
鶏もも肉を白だしにつける
鶏もも肉を1cm角に切り、白だし小さじ1杯をまぶして5〜10分つけます。こうすることで、鶏肉に味がしみ込みやすくなります。
卵液を作る
卵をボウルに割り入れます。菜箸で卵白を切るように静かによく混ぜます。
混ぜる際に泡立ててしまうと、表面や中に「す(穴)」ができやすくなるため、注意しましょう。
水に白だしを加えて混ぜ、卵液に少しずつ注ぎ入れながら、ゆっくりと混ぜます。
卵液を茶こしでこします。白身の塊を取り除くことで、なめらかで均一な口当たりになります。
器に具材と卵液を入れる
器に鶏肉、しいたけ、かまぼこを入れ、卵液を静かに8分目程度まで注ぎ入れます。
表面に気泡があればスプーンで取り除き、アルミホイルをふんわりとかぶせます。せいろに入れて蓋をします。
アルミホイルをかぶせないと、蒸気が直接あたり、表面がデコボコになったり、す(穴)ができやすくなったりします。
せいろで蒸す
鍋でお湯をしっかり沸かして蒸気が立ったら、火を弱めます。せいろをセットし、弱火で15分蒸します。
火加減は控えめにし、蒸気がうっすら立ちのぼる状態を保つのがコツです。火が強すぎると卵液に急激に熱が入り、「す(穴)」ができやすくなります。一方で、火を弱めすぎると固まるのに時間がかかってしまいます。穏やかな蒸気を保ちながら、じっくりと火を通すイメージで蒸しましょう。
蒸し上がった茶碗蒸しに、三つ葉を添えて完成です。
茶碗蒸し作りでありがちな失敗の「原因と対策」
す(穴)ができる
左:アルミホイルなし/右:アルミホイルあり
【主な原因】
・強火で急激に蒸気があたっている
・卵液を泡立てたまま使っている
・卵液をこしていない
【対策】
・沸騰させて蒸気を立てたら、弱火にしてせいろを置いて蒸す
・アルミホイルをかぶせて、蒸気が直接当たるのを防ぐ
・卵液は泡立てずにしっかり溶き、こしてなめらかにする
茶碗蒸しに「す(穴)」ができる主な原因は、卵液の水分が強火で急激に沸騰することや、卵液に空気が多く含まれていることです。これを防ぐには、弱火でじっくり蒸すこと、器にアルミホイルをかぶせて蒸気が直接当たらないようにすること、そして卵液を泡立てずにこして空気を抜くことが大切です。
上の写真は、アルミホイルを使った場合と使わなかった場合の違いを比較したものです。アルミホイルをかぶせていない方には、「す(穴)」が多くできているのが分かります。
うまく固まらない
【主な原因】
・具材から出る水分で卵液が薄くなっている
・せいろに器を詰め込みすぎて蒸気の通りが悪い
・せいろの蓋がきちんと閉まっていないため、蒸気が逃げている
・器が厚いため、卵液の中心まで熱が伝わりにくい
【対策】
・水気の少ない具材を選び、入れすぎないようにする
・器をせいろに詰め込みすぎず、蒸気の通り道を確保する
・せいろの蓋がしっかり閉まる高さの器を選ぶ
・厚すぎず、適度な厚みの器を選ぶ
茶碗蒸しが固まらない主な原因は、「卵液が薄くなること」と「加熱不足」です。水分の多い具材を入れすぎると卵液が薄くなるため、具材の量は控えめにしましょう。器をせいろに詰め込みすぎたり、蓋がしっかり閉まっていなかったりすると、蒸気の循環が妨げられます。器の厚さにも注意し、中心までしっかり熱が伝わるように蒸すことが、なめらかでぷるんとした茶碗蒸しに仕上げるポイントです。
せいろで茶碗蒸しを作ろう!
せいろで蒸した茶碗蒸しは、なめらかな食感と豊かな香りを楽しめます。卵とだしの黄金比や、いくつかのコツを押さえれば、誰でも失敗せずに極上のひと品を作ることができます。特別な器具がなくても、ご家庭にあるせいろで十分です。ぜひ、せいろを使って、いつもの茶碗蒸しをワンランク上のごちそうに仕上げてみてください。
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。
ライター:サヤ(せいろ料理家 / 栄養士)