父親が強盗ともみ合いになり、野球バットで加勢 8歳女児「パパを守りたかった」(米)
米ミネソタ州にある酒屋で現地時間10日、入店した男が閉店作業中の店主の前で拳銃を取り出した。店主は隙を見て拳銃を奪おうとしたが失敗し、床の上でもみ合いになったところ、そばにいた8歳の娘が野球バットで男を殴り始めた。大人2人のもみ合いを目の前にしてもひるまずに向かった女児の姿に、「なんて勇気のある子」といった称賛の声があがっている。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えた。
野球バットを持って犯人に近づく女児。当時の監視カメラの映像はこちら
米ミネソタ州メープルウッドで現地時間10日の午後9時半頃、酒屋「Big Discount Liquors」に1人の男が入店した。「Amazon」のロゴが入った青い作業ベストを着用していた男は、閉店作業を進めていた店主のレオさん(Leo)がいるカウンターにやって来て、拳銃を取り出した。
レオさんは、当時のことを「男は『レジに入っている金をすべてよこせ』と言ってきました」と振り返る。拳銃を前にしてなす術がなかったレオさんは、「分かった。すべて渡す」と返答した。
当時の様子は店内の監視カメラが捉えており、取り出した拳銃をカウンターの上に置く男の姿が確認できる。この時、レオさんは男に対して「娘がそばにいるんだ。お願いだから銃を下ろしてくれないか? 娘に銃を近づけないでくれ。金なら全部やる。娘の安全だけが心配なんだ」と話しかけて説得していた。
ところが、映像が切り替わると、男はカウンターの中に入っていた。レオさんと男が話す様子が映った後、レオさんは隙を見て拳銃を持つ男の手に掴みかかった。拳銃を奪うことに失敗したものの、男の顔を殴り、そのまま床に押し倒してもみ合いになった。
すると、レオさんの8歳の娘が現れた。娘は2人がもみ合いになると野球バットを持って近づき、男を何度か殴った。
当時のレオさんは、娘を守ろうと必死になっていたと言い、娘がバットを持って加勢してくれたことに気付いていなかった。のちにレオさんは、こう語っている。
「監視カメラの映像を見た時、泣きそうになりましたよ。まだ小さな女の子ですから、ただ泣き叫ぶと思っていたので、こんな行動をするなんて想像もしていなかったんです。娘は『パパを守りたかった』と言っていました。本当に誇りに思いますよ。この子は強い子です。」
なお、男はもみ合いの後に逃走したものの、店の近くで警察官に捕まった。男の名はコンフォバール・モレル(Conchobhar Morrell、37)で、第一級の加重強盗罪で起訴された。警察では、コンフォバールが所持していた拳銃について、本物ではなくBB弾を使用した偽物だったことを明かしている。
また、コンフォバールはAmazonに直接雇用されているわけではなく、第三者の配送サービス会社に雇われていたことが分かった。今回の事件を受けて、Amazonはコンフォバールを即刻解雇することを公表した。
8歳女児による勇敢な行動を捉えた映像が、ネット上で拡散されると「大きな一撃にはならなかったけど、助けようとした勇気が素晴らしい」「この女の子には、メダルをあげて褒めてあげたい」「警察はこの子を表彰すべき」「なんて勇気のある子なんだ」などと、女児への称賛の声が多数あがった。しかし、一部の人からは「女の子が無事で良かったけど、悪い結果になる可能性もあったよね」と、女児の身の安全を心配する声も見受けられた。
画像は『New York Post 「8-year-old girl beats robber with baseball bat at liquor store: video」(Big Discount Liquors Maplewood)(WCCO)(Ramsey County Jail)』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)