まちづくり、住民との対話で 真鶴町 小林伸行町長
――町長就任から1年以上が経ちました。現在の町の状況は。
「町役場として当たり前のことが当たり前にできていない状況でした。事務執行体制はある程度整ってきましたが、職員不足もあり、2年も放置され道路が陥没してしまった事案など、町民に迷惑をかけているという気持ちがあります」
――その中で主に取り組んできたことは。
「就任当初から『地固めの2年、攻めの2年』と宣言し、地固めに徹してきました。積み残し案件を片付けるのに大変で、十年前からの案件も含め、施設の統廃合や事業の廃止といったリストラを断行してきました」
――真鶴町民俗資料館(旧土屋邸)の廃止は、批判もあったようですが。
「町民の皆さまから『何も知らないくせに』『リストラ屋、コストカッター』との批判の声もありましたが、民間企業と連携協定を結び、今後のあり方の模索が始まり前向きに進んでいると捉えています」
――早急にリストラを進めている理由は。
「財政状況が非常に厳しいからです。次年度の予算が2億円以上足りません。昨年度も2億円不足し、敬老祝い金などを削るなどしました。多くの行政サービスは止めることができないため、施設に手をつけざるを得ないという状況です」
公共施設等の見直しを推進
――町役場の機能移転の計画は。
「4月から第1陣が移転し、2年少しかけて分散移転する計画です。あと2年半後には、現在の役場が更地になります。施設一体型小中一貫教育校の建設候補地が現在の真鶴中学校地に決定し、現在の図書館は新たに整備される学校図書館に統合する想定です」
――ほかの公共施設についての方針は。
「公共施設等総合管理計画を今年度中に案を作り、1年かけて議論していきます。また、今年は中川一政美術館の修繕やお林展望公園のリニューアルも予定しています。ケープ真鶴の使われ方も大きく変わるでしょう」
――「町民との対話」を大切にしているとのことですが。
「町長室開放日や真鶴町の株主である町民のみなさんへ町長が経営状況をご報告し対話を行う『まなづる株主ミーティング』を4回、その他に町民対話会を8回実施してきました。次年度は、その倍ぐらいの実施を考えています。批判や意見も含め、声を直接お聞かせ下さい」