全国高校ラグビー大会県予選 後半に突き放した大分東明が花園切符勝ち取る 【大分県】
第104回全国高校ラグビー大会大分県予選
11月10日 レゾナックサッカー・ラグビー場
決勝
大分東明41-10大分舞鶴
高校ラグビーの聖地・花園を目指す「第104回全国高校ラグビー大会大分県予選」が行われ、決勝は大分東明が大分舞鶴を41-10で破り、3大会連続5回目の出場を決めた。6月に行われた全九州高校大会で強豪・東福岡に勝利し九州王者となり、7月には全国高校7人制大会で準優勝した大分東明は前半1分にSO(スタンドオフ)の石川徠人(3年)のトライで先制。27分にFL(フランカー)セニビツ・イリエサ(同)がトライを追加して14-3で折り返し、後半は5本のトライで点差を広げた。
開始1分で鮮やかに先制し、ワンサイドゲームの予感もあったが、「ペナルティー(反則)が多くて勢いに乗れなかった」と白田誠明監督。頑健な大分舞鶴の抵抗に遭い、密集戦で後手に回り「FWが(守備陣形の)いるべき場所に立てずギャップが生まれて突破された」とキャプテンの石川波潤(同)。うかつな反則が続き、思うように点差を広げることができなかった。
しかし、後半の修正力は見事だった。「接点、1対1の部分を強化してきたので自信はあった」(石川キャプテン)と相手の重量FWに真っ向勝負。それぞれがギアを上げ、ボール争奪局面で優位に立ち、密集から素早くボールを運んで相手の防御ラインを分断。「展開力なら負けない」という自慢のバックス陣が躍動し、「先制、中押し、ダメ押しと効果的に得点できた」と白田監督。最後は危なげなく逃げ切った。
反則の多さや密集戦で手こずったときの対処などの課題が出たが、得た手応えの方がはるかに大きい。むしろ気の緩みを心配したくなるような結果でもある。夏までに順調に強化が進み、九州王者となるなど過去最高の成績を出したが、10月の国スポでは初戦敗退に終わっている。「全国ではちょっとした隙が致命的になることはみんな分かっているし、もう一度共有したい」と石川キャプテン。兜(かぶと)の緒の締め方もよく分かっている。
後半に点差を一気に広げた
喜びの声
石川波潤(3年)
「勝ったのはうれしいが課題が出た。FW戦でギャップが生まれ苦戦した。接点、1対1の部分を強化してきて自信はあり、後半修正できたが、もう少しリードを広げたかった。ペナルティーが続き、相手に自陣に入られてしまったところも修正しなければいけない。敵陣でプレーし続けることが自分たちのスタイルなので、全国優勝に向けてもう一度、チームとしての組織づくりをしたい」
石川徠人(3年)
「ペナルティーが多く、ミスも多かった。後半は手堅いプレーをして、小さなミスをなくすことに集中した。これまで1対1、2対2の練習に多くの時間を費やしたが、強化した部分は出せた。花園に向けて、ノーペナルティーで試合ができるようにしたい」
斜木莉士(3年)
「FWが押し込んで、バックスに展開できた。前半は緊張があったが、後半はコミュニケーションをとって、それぞれの個性を出せた。今年のチームは一体感があり、個の力を出しながら、チームワークがある。花園では細かなミスをなくし、最高で日本一、最低でもベスト4に入りたい」
3大会連続5回目の花園出場を決めた
(柚野真也)