愛犬にとって無意味な『贅沢』5つ 意外と勘違いしがち?エゴの押し付けにならないように配慮してあげよう
飼い主さんの思いと愛犬の思い、一致していますか?
人が、常に自分と他人を比べて「少しでも良くなりたい」と考えるのは、決して悪いことではありません。その思いが向上心となって目標達成に近づけるからです。
愛犬にも他所の犬よりも良い思いをさせたい、贅沢な暮らしをさせてあげたいと思う飼い主さんがいるかもしれません。その飼い主さんの考える「贅沢な暮らし」が愛犬も望んでいることであれば、愛犬を幸せにすることにつながるでしょう。
しかし、愛犬の思いと飼い主さんの思いが一致していなければ、飼い主さんが必死に愛犬のために用意した「贅沢」は、愛犬にとって全く意味のないものになるでしょう。場合によっては、愛犬の迷惑になるかもしれません。
そんな飼い主さんが陥りやすい、愛犬に無意味な贅沢について考えてみましょう。
愛犬にとって無意味な贅沢
1.フード・おやつ
食事は生きていくためにも、健康を維持するためにもとても大切なものです。その食事が美味しければ、愛犬もとても喜ぶでしょう。
愛犬にとって必要な栄養バランスが整っていて、安全で新鮮な特別に美味しいフードやおやつをご褒美として与えれば、愛犬も幸せです。
しかし選択基準が「希少素材」「高級ブランド」「高額」などになると、愛犬にとっては必ずしも望んでいる美味しさとは異なるかもしれません。
また「食べたがるものを食べたがるだけ食べさせる」という贅沢は、愛犬を病気にさせてしまうかもしれません。食事に関する「贅沢」は、人にも愛犬にも高いハードルだと言えるでしょう。
2.日用品
リード、ハーネス、クレート、食器、寝床など、愛犬が普段使用する日用品はたくさんあります。そしてお手頃価格のものから高額商品まで、多種多様な製品が販売されています。
つい「高い方が良い製品に違いない」と選んでしまいがちですが、見た目や価格、ブランド名だけで選ぶと、愛犬にとっては無意味な贅沢になるかもしれません。
愛犬の好みや成長過程、性格などを総合的に考慮した上で、安全で扱いやすく、愛犬にも使い心地の良い製品を選ぶことの方が、愛犬にとっての幸せだと言えるのではないでしょうか。
3.洋服
最近は、愛犬に洋服を着せる飼い主さんもたくさんいます。雨の日や真冬のお散歩用にレインコートや防寒着、花粉が多い時期のアレルゲン対策着、特別な日の記念撮影用コスプレなど、着せる洋服の種類や目的もさまざまです。
かわいい愛犬に着せる洋服なので、やはり「似合う」「かわいい」といった見栄えを基準に選ぶことも多いでしょう。
しかし見た目を優先しすぎると、付属の小物による誤飲事故や肌トラブルにつながったり、歩きづらかったりと、愛犬には無意味どころか迷惑な結果に終わってしまうかもしれません。
本当に必要な場合に安全で着心地良く着られる、愛犬にとって幸せな洋服を選びましょう。
4.トリミング
トリミングサロンでのシャンプーやカットも、必要なお手入れの一つです。しかしこれも、目的が「贅沢」にシフトしてしまうと、愛犬にとって無意味であるばかりか迷惑になりかねません。
長時間のお手入れに耐えるとか、場合によってはカット後にしばらく毛が伸びなくなってしまうなど、デメリットの方が大きくなってしまうこともあります。
5.おもちゃ
犬にとって、おもちゃはなくてはならない必需品です。これも、他所の犬が持っていないような珍しいもの、見た目がカラフルで見栄えのするものといったような「贅沢」を求めるのは考えものです。
安全性や愛犬の興味に応えられるといった選択基準で選び、購入後に安全で楽しく遊べるような運用をすることが、愛犬の幸せのためには大切な要素です。
そもそも犬は贅沢を望んでいるの?
犬は私たちにとても多くの感情を見せてくれます。私たちと同じように「嬉しい」「楽しい」「怖い」など、多くの感情を持っています。
しかし犬は、おそらく将来を憂うことはないでしょう。犬はその瞬間を必死に生きている動物なのです。そんな今だけを見ている犬が、他者と比較して優位性を感じる「贅沢」に喜びを覚えるでしょうか。
犬が求めている幸せは、例えば「飼い主さんと一緒に楽しく過ごしたい」とか「飼い主さんから褒められたい」といったような、もっと現実的なものだと考えられます。
おそらく、人が考える「贅沢」の多くは、犬にとっては全く無意味なものである可能性が高いでしょう。
まとめ
飼い主さんは、愛犬に喜んでもらいたい幸せになってほしいという思いから、贅沢な食事やおもちゃ、環境などを用意し、提供していることでしょう。しかしその思いの根底には、「自分が他人からこう見られたい」などの「自分の願望」が潜んではいないでしょうか。
愛犬を本当に幸せにしたいのであれば、愛犬が本当に求めているもの、本当に喜ぶことをするための努力が大切なのではないでしょうか。