服の型紙を作る「パタンナー」って知っていますか…?パタンナーの愚痴!
宮藤官九郎さんがいろんな職業の愚痴を聞く番組。
2月21日の放送は、パタンナーの愚痴!
(デザイナーが2次元デザインした洋服を3次元に残す型紙を作るお仕事)
Kさん
・パタンナー歴9年。
・OEM業態(受注生産)の会社に勤務
・オーダーが来たら基本的にはなんでもつくっている
・強いていえば最近は20~30代向けの楽ちんパンツの需要が高かったのでゴムのパンツをたくさんつくっていた
Uさん
・パタンナー歴9年。
・制服をつくっている
・ホテルの受付、化粧品販売員、看護師、学生服など様々
「パタンナーの業務内容」
・「デザイン指示をデザイナー、MDからもらう」
・「トワル組み→トワルチェック」
※トワル:洋服の仮縫いのサンプルを作るために使用される生地や、そのサンプルそのもの
・「型紙作成、修正、チェック」
・「仕様書作成」
※仕様書:縫い方や生地や付属の情報を書いた設計図みたいなもの
・「工場へ縫製指示」
・「サイズ表作成」
・「検品(サンプル、量産)」
U:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、パタンナーの仕事量と内容を社内でも全くわかっていない人がいるんです。
宮藤:社内でも!?
U:はい・・・
宮藤:Uさんの会社は、その制服を作るっていう大きい会社なんですよね?業務としては。
U:そうですはい。
宮藤:その中の型紙を作る人なわけですそうで、デザイナーもその会社の人なんですよね?
U:そうです。
宮藤:なるほどね。他の業種の人がパタンナーの仕事のことをわかってないってことだ。困りますね、これ。
K:「生地決まってないけど、とりあえずこんな感じの来るから準備しといて。」みたいな。でもこっちとしては生地ないと、結局後からすごく修正が入るんで、結構わかってない人が・・・
宮藤:それはでも、基準硬いとか柔らかいとか、厚いとか薄いとかありますもんね。
K:ありますし、あとなんか信じられないぐらい縮む生地とかあるんですよ。なんでこんなに寸法変わっちゃうんだろうってぐらい、アイロンの熱とか蒸気とかで縮んじゃったりとか、そこも考慮して型紙作ったりとかって考えると、「とりあえずデザイン画さえあればできるでしょ」みたいな感じにされると、なおさらできないよっていうことも。何かいまいちわかってないですし、頑張っちゃうんですよ。パタンナーも。プライドがあるので。何とかして頑張ると、なんかそれだけを受け取って、「できるじゃん!」みたいになるんですよね。
宮藤:次もあの速度でお願いしますと、ああ・・・職人さんですね。考え方もね。『「できる」と思われちゃったら、また頼まれちゃうな。でも「できる」っていうところも見せたい』っていうプライドもあるわけですもんね。言われたら、ちゃんと期限までにやれるっていうところも、それでまた自分の首を絞めちゃうわけですもんね。
K:そうですね。できなかったときの、周りへの迷惑のかけ方が結構大きいので。縫製の会社からしたら、ギリギリにパターンを送ってきたら、その分縫う時間も短くなるとか。自分がパターンって人に作ったら、それで服が結局綺麗に上がらなくて、作り直しになっちゃったとか。そこに繋がるのもあれなんで、一生懸命期限内にいいものをあげるんですけど。そうするとやっぱり結果的に無理難題でも何とかなっちゃうときがあって。そうすると「あんときできたからできるよね?」みたいな。
宮藤:なるほどね。どうですかUさん?
U:そうですね・・・
一同:笑笑
2人:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、パタンナーって、ものすごく給料が安いんです。
宮藤:だってさ!
一同:笑笑
宮藤:これすごいっすねKさん。「アパレル職種別、年収ランク」ってのがあるの?
K:はい。何かのネットの記事で毎年、アパレル業種の中でMDとかデザイナー、パタンナー、販売。いろいろな職種、細分化される中での平均年収ランキングみたいな記事があったんですけど。多分販売は、エリア長とかそういうのも入っちゃってるんで、高くなってるのかなとも思いつつ、販売員よりも下にパタンナーがあったんですね。
宮藤:デザイナーはもっと上?
U:全然です・・・
宮藤:デザイナーは全然上!?
2人:はい・・・
K:私、販売もやってたことあるんですアパレルの。「そのときの方が大変じゃなかったな」みたいな。でも「じゃあ販売やりなよ」って言われたら、それはちょっと話が違いますっていう感じなんですけど。せめてアパレルという業種なんで、同じぐらいはいただきたいなという。
宮藤:Uさんもおっしゃってますよ。「同じ設計でも、建築はすごく給料良さそう。」・・・別に確認したわけじゃないけど。
一同:笑笑
宮藤:なのに!なんで服の設計ってなると低いんだ!と思いますよね。
U:思っちゃいますね。本当に。
宮藤:設計士ですもんね。服の。Uさんがいなかった服できないわけですもんね?
U:そうです笑 まあ、パタンナーは、ちょっと間違えても人は死なないけどとは思いますけど・・・
宮藤:いや!そんな!同じぐらいであってほしいね。
(TBSラジオ『宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど』より抜粋)