<義母、同居させて!>夫を亡くし、不安のタネは?「大っ嫌いな人と暮らすのはイヤ」【まんが】
私はコズエ(30歳)です。夫のユタカ(30歳)と息子のサクヤ(3歳)と暮らしています。このたび義父が闘病の末、亡くなりました。
昨年受けた健康診断で病気が見つかり、闘病生活が始まりました。仕事人間でいつも元気だった義父は入退院を繰り返すうちあっという間に弱ってしまい、病気が判明してからわずか1年で帰らぬ人となりました……。
享年68歳。あまりにも早すぎます。喪主を務めるのは義母。義父の病気が判明後、勤めていたパート先(お弁当屋さん)を辞め、献身的に義父をサポートしていました。
そして……昨日の通夜からずっと涙を流し続けているのが、義祖母。義祖母にとって、義父は長男。まさか自分よりも先に子どもを見送るとは、思いもしなかったはずです。
また夫を早くに亡くした義母の心境も察するものがあります。
涙ながらに話す義母の姿に私も涙が出てきました。義母はどんなに心細く、悲しいことでしょう。
夫を亡くした不安で押しつぶされそうかと思いきや、義母の口からでたのは「これからあの人と2人でどう暮らしていけばいいの!?」でした。義母の悩みは、夫である義父を失ったことではなく、義祖母と2人暮らしになることだったのです。義母のこの発言に驚きつつも、私は義祖母と義母の関係を振り返ります。
義母の義母である義祖母は、93歳にしてまだまだ元気。歩くのは遅いものの杖も使わずに歩けるし、近所の茶飲み友達としょっちゅうお茶を飲んで毎日を楽しんでいる様子でした。義祖母は私や夫にはとてもやさしいけれど、義母に対してはかなり厳しくあたりがちで……。
頻繁に義実家に顔を出すというわけではありませんが、はたから見ても義母は、昔から嫁姑問題に苦労していたのだろうな……という印象です。
義祖母と義母の関係が悪いことは知っていたとはいえ、急な同居話に驚きを隠せません……。しかし連日のバタバタで義母もきっと疲れているのでしょう。夫である義父が亡くなったのですから、息子に弱音を吐きたくなる気持ちも理解できました。 でも、この同居話が気の迷いでなかったら……。想像したくありませんが、私は突然持ち出された同居話に驚くとともに、夫の気持ちが気になりました。実の母が同居したいと言ってきたのです。夫はどう考えるのでしょう。私は同居話が進んだときのためにも自分の意見をはっきりさせようと思ったのでした。
夫は義母の味方!「私だって……義母となんて同居したくない」
昔から自分の母が祖母からいじめられているのをさんざん近くで見てきた夫。やはり義母に味方するようです。
義母が元気だとか、義母を助けたいとか、そういう問題ではないのです。
収骨を終えた後は、夫のきょうだいたち含めみんなで義実家に帰宅しました。葬儀の準備で葬儀会社が義実家に来てまたもやバタバタ……。「サクヤが疲れて寝てしまった」ことをある意味では口実にして、私とサクヤだけ先に自宅へ戻ることにしました。夫は義兄が後で送ってくれるようです。
義母とは日頃仲が悪いというわけでもないですが、好意を抱いているわけでもありません。これからもずっと、できる限り義両親とは程よい距離感でお付き合いをしたいと考えています。
同居することになったら、ずっと気を遣う生活が続くのでしょう。想像するだけでげんなりします。それに、同居生活に苦労してきた義母には、私の今の気持ちは想像がつくと思うのですが……。
突然義母との同居話が持ち上がり、驚くやらげんなりするやら大変な私に、夫はなんでもないことのように言ったのです。
義父が亡くなり気持ちが不安定な義母が思いつきで同居を持ち出したと思いたかったのですが……。私が義実家から帰宅後、義母と夫で同居の話を進めていたかもしれません。夫は同居に前向きなようです。しかし、私は同居を望んでいません。お互いにとってよい結果にならないでしょう。想像するだけで疲れてしまうし、それは夫もわかっているだろうと思っていました。でも、夫の様子を見る限りわかっているとは思えません。私は夫に、自分の気持ちや考えをはっきり伝えようと決めました。
義父と同じ道を歩もうとする夫「苦しみを繰り返すだけだよ?」
仲が悪いわけではない、という夫の言葉にカチンときました。私が義母にどれだけ気を遣っているか、夫はわかっていなかったのです。
聞けば聞くほど、夫の意見は見通しが甘く、深く考えていないように思えます。なぜ私が義母や義祖母のことを背負わなくてはいけないのでしょうか。
義祖母の今後も、家族の大切な問題です。義母だけが楽になればいいという問題ではないのです。
親孝行は大切です。しかし、だからといって私が我慢して同居しなければならない理由にはなりません。義理の関係である相手と一緒に住むことがどれだけ負担になるか、夫にも少しは想像してほしいのです。
夫の気持ちがわからないわけではないのです。わかったうえで、妻である私の気持ちがムシされているように思えるのです。
義母と同居する生活は、決してよい結果にはならないでしょう。義母を見ていて同居の苦労がわかる分なおさら、私には同居はできないと思うのです。
夫は私を母親と同じ目にあわせようとしていることに、まったく気が付いていない様子でした。母親を想う気持ちはいいことですが、妻の気持ちをないがしろにするのなら、親世代の苦しみを繰り返すことになるだけです。
私の気持ちや考えを尊重してほしい。妻の立場も考えてほしい。私は夫にそう伝えました。人間関係は、いっときの気持ちだけでは決まりません。同居して見えてくる相手の性格やクセもあるでしょう。今、義母と私の仲が悪くないからといって、一緒に住めるとは思えないのです。それに、夫が義母の味方になろうとしているところが、私は気になりました。
義母と夫からの謝罪で同居はナシに!「親孝行したいなら……」
義母が謝ってくれたことで、私の気持ちも軽くなりました。少なくとも私の考えは、義母に伝わったようです。
義祖母への義母の気持ちは痛いほどわかります。でも、私と義母がそんな関係にならないとは、誰も言い切れません。今はよい関係を築けている私と義母ですが、同じ家に住めば不満も出てくるでしょう。離れているからこそうまくいく関係もたくさんあると思います。
私は言葉を選びながら話しました。義母には私の気持ちをわかってほしいと思います。
「少し言いすぎたかな?」なんて思いましたが、思い切って本音を義母に伝えることができて、とてもスッキリしました。その後、正式に同居は「ナシ」に。その代わり……と言ってはアレですが、ユタカがしばらく実家に帰り、義母のサポートをすることになりました。ユタカが実家に滞在するのは、今日でちょうど1週間です。
私たちも休みの日は、サクヤを連れて義実家になるべく顔を出そうと思います。
私と義実家の関係は、義父の死をきっかけに変わりました。その変化は今後、私たち家族にも影響してくるでしょう。
そう遠くない未来、義母の介護が必要となったとき、ふたたび義母との同居話が浮上するかもしれません。ほんの少しですが同居が現実味を帯びたことで、今後のことを考えるいいきっかけになったような気がしています。親がいつまでも元気でいるわけではありませんよね。義理の関係といえども、無関心ではいられないでしょう。
義母の状況に変化があったときに、私はどう考え、どう対処するのか。今から考えておくことも必要かもしれませんね。