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【市町村長リレーコラム】第18回 新潟県南蒲原郡田上町 佐野恒雄町長「人を喜ばせる町には人は集まる」

にいがた経済新聞

新潟県内30市町村の首長に、地域での取り組みや課題や首長としての想いなどをコラムとして寄稿いただき、次に寄稿いただく首長を指名いただきつないでいく市町村長リレーコラム。第18回は、新潟県佐渡市の渡辺竜五市長からバトンをつないでいただいた、新潟県南蒲原郡田上町の佐野恒雄町長のコラムをお届けします。

消滅自治体の一つに数えられている田上町

田上町は、1901年11月1日に、田上村・羽生田村・保明村・横場村の4つの村が合併して田上村となり、1973年8月1日に町制施行により田上町となりました。

町の中央部を縦断するようにJR信越本線が走っており、東側半分が山地、西側半分は平野で水田が広がっております。面積が31.71平方キロメートル、人口は8月31日現在で10,648人、世帯数としては4,233世帯の大変コンパクトな町であります。

社会保障・人口問題研究所における人口推計では、約40年後の2060年に今の人口が5,132人まで落ち込む値がでており、消滅自治体の一つに数えられておりますが、少しでも人口減少を抑制するため、総合戦略による様々な施策により何とか歯止めをかけたいと思っております。

誰もが住んでみたい、住み続けたいと思える町に

私自身は、1947年生まれの現在77歳。この田上町で生を受け、田上町で育って、今日までこの田上町を見て参りました。生まれ育った町への感謝と、この町を誰もが住んでみたい、住み続けたいと思える町に、そんな魅力あふれる活力ある町にしていきたい。

人口減少という流れの中にあっても決して、この町を消滅させるようなことがあってはならない。その強い想いで、71歳と高齢ではありましたが出馬を決意し、6年前に町長に当選させていただき、一昨年6月に2期目の再選、引き続き折り返しの町政を担わせていただいております。

行政経験の無い、全くの素人の私が、この6年間曲がりなりにもやってこれたのは、町民の皆様、議員の皆様からの深いご理解は勿論のこと、町職員一人ひとりの大きな支援、協力があったからこそで、感謝以外の言葉が見つかりません。

6年前、町長の職に就くや巡りあわせでしょうか、新しい町づくりの拠点整備事業として、幾つもの大きなハード事業に取組むこととなりました。

2019年度は、田上町交流会館の建設・開館、国道403号バイパスの新潟方面への全線開通、2020年度は、道の駅たがみのオープン、そして田上町地域学習センターの開館など、新たな賑わいの創出に取り組んで参りました。

地域が一つになって盛り上がる、「オール田上」

たがみバンブーブーの様子(提供:田上町)

更に特筆すべきは、今年で3回目となる「たがみ竹あかりバンブーブー2024」が挙げられます。コロナで開催が出来なかった「田上団九郎夏祭り」の代わりに商工会青年部の皆さんが立ち上げたイベントで今年も町内外、県外から大勢の方々から来場いただき、大反響を呼び、まさに町の一大イベントとなっています。

町を代表する竹をモチーフにして地域の魅力を発信しようと、地域が一体となって取り組んでいます。小さな町だからこそできることかもしれませんが、地域が一つになって盛り上がる、まさに「オール田上」を改めて感じることができて嬉しい限りです。

「人を喜ばせる町には人は集まる」

道の駅たがみ(提供:田上町)

「道の駅たがみ」で挨拶する新潟県田上町の佐野恒雄町長(提供:田上町)

そして、もう一つ忘れてならないのがこの10月で4周年を迎える「道の駅たがみ」です。「道の駅たがみ」はオープンしてからこれまで、お陰様で町内はもとより、町外からも多くの方々から訪れて頂き、立地条件の良さもあり、連日沢山の人々で賑わっております。

しかしながら、立地条件の良さだけでは賑わいは生まれません。スタッフの皆さんはじめ、毎日新鮮な野菜や果物等を納入して下さる農家の方々、工芸品等を出品して下さる町民の皆さんのご苦労そして日曜、祭日特にゴールデンウイークともなると、様々な催しで盛り上げて下さる町民の皆様の協力があればこそと感謝の気持ちでいっぱいです。

この「道の駅たがみ」は「近き者喜びて、遠き者来る」をコンセプトに、「賑わいの拠点として」オープンした施設です。「人を大事にする町には人は集まる」、「人を喜ばせる町には人は集まる」、「まちづくりは、そこに住む人が喜び、幸せを感じる町であれば、自然と人が移り住んでくる」といった教えがあります。

少子化、高齢化、人口減少等課題も多く厳しい状況の中ですが、「このまちに住むみんなの笑顔のために」これからの世代の明るい未来に向けて着実に歩みを進めてまいります。

新潟県南蒲原郡田上町の佐野恒雄町長(提供:田上町)

【市町村長プロフィール】
佐野 恒雄(さの つねお)1947年生まれ。新潟県南蒲原郡田上町出身。新潟県立三条高等学校を卒業後、上智大学経済学部を卒業。企業役員を経て、1988年よりYou・遊ランド企画・立案など実行委員長としてふるさと創生事業に着手。田上町立羽生田小学校、同田上中学校、新潟県立三条東高等学校のPTA会長を歴任し、2004年には特別養護老人ホームあじさいの里の理事長を務めた。2018年に田上町長に就任し、現在は2期目。趣味はガーデニング。影響を受けた人は、田中角栄氏。

【これまでの市町村長リレーコラム】
(第1回)加茂市 藤田市長「チャレンジせずに諦めてしまったら、全て嘘になる」(第2回)阿賀町 神田町長「希望ある未来へ全力」(第3回)五泉市 田邊市長「明日、そして将来へ魅力ある五泉市へ 五泉のトップセールスマン田邊正幸」(第4回)湯沢町 田村正幸町長「笑顔に貢献することができなければ、商売も政治も行政も持続することができない」(第5回)南魚沼市 林茂男市長《雪へのこだわり》で目指す持続可能なまちづくり(第6回)村上市 高橋市長 復旧・復興、誇りある「まち」、国内最大級の屋内スケートボード施設の意味、持続すること(第7回)三条市 滝沢市長「ひとづくりのまち、三条」へ(第8回)長岡市 磯田市長「イノベーション都市・長岡の実現へ」(第9回)上越市 中川市長「『生きる力』をいかしてまちを活性化する」(第10回)糸魚川市 米田市長「ジオパークで持続可能な発展を」(第11回)妙高市 城戸市長「変わるべきこと、変わらざること」(第12回)小千谷市 宮崎悦男市長「挑戦するまち おぢや」を目指して
(第13回)見附市 稲田亮市長「暮らし満足No.1」を目指して~未来を見据えて子育て世代に選ばれるまちに~
(第14回)胎内市 井畑明彦市長「希望の持てる次世代に向けて」
(第15回)関川村 加藤弘村長「脱炭素社会の実現に挑戦」
(第16回)新潟県新潟市 中原八一市長「笑顔あふれる新潟市の実現に向けて」(第17回)新潟県佐渡市 渡辺竜五市長「島民・県民の悲願『佐渡島の金山』世界文化遺産登録実現」

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