広大な土地は農業や畜産業に最適ではない?!貿易相手としてオーストラリアの何よりの強みとは?【図解 地理と経済の話】
オーストラリアの何よりの強みは「南半球にある」こと【図解 地理と経済の話】
貿易相手の大国と逆の季節
オーストラリアはオセアニア地域の盟主であり、政治・経済の中心地でもあります。かつてはイギリスの植民地でしたが、1901年に事実上独立を果たしました。ただ、現在もイギリス連邦を構成する国のひとつであり、形式的にはイギリス国王チャールズ3世がオーストラリア国王も兼務しています。
オーストラリアは、大陸にして国家である唯一の例として知られています。その広大かつ平坦な土地は乾燥帯で砂漠気候が広いので、農業や畜産業に最適ではないです。農地は国土の4%にしかすぎません。広大で平坦な土地を利用し、水を確保することで農地や牧場にしています。鉄鉱石・石炭といった天然資源も豊富です。貿易の相手国はアメリカ、中国、日本、EU諸国が中心です。なかでも中国は、海路での往来が容易なことから、近年は特に重要な輸出相手国となっています。
注目したいのが、これら貿易の相手となる国々が北半球にあり、オーストラリアは南半球にあるという点です。赤道を境に南北で季節は反対になるため、北半球が夏だと南半球は冬、北半球が冬だと南半球は夏になります。つまり、オーストラリアはヨーロッパや北アメリカ・アジアなど、農産物が収穫できない時期に生産出荷することができるのです。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 地理と経済の話』