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上越市吉川区のコウノトリのペアが2年連続産卵 抱卵を確認 4月上旬のひな誕生に期待

上越タウンジャーナル

新潟県上越市は2025年3月7日、同市吉川区に営巣した国の特別天然記念物コウノトリのつがいが産卵したとみられると発表した。つがいは野生種の絶滅以降、2024年に県内で初めて繁殖に成功した2羽で、産卵場所は昨年と同じ。順調にいけば孵化(ふか)は4月4日頃と推定され、2年連続のひな誕生に期待が高まる。

《画像:巣で卵を温めるコウノトリ(橋爪法一さん提供、2025年3月1日撮影)》

ペアは2020年4月9日生まれの雄(4歳)と2019年4月30日生まれの雌(5歳)で、昨年孵化したひな4羽は全てが巣立っている。

コウノトリの観察を続ける同区在住の市議会議員、橋爪法一さん(74)によると、昨年5月にひなが巣立った後は、巣を直したり、田んぼで餌を探したりする様子が目撃されていた。1月中旬からは本格的な巣の手直しを始め、下旬からは交尾行動を繰り返していたが、3月1日から巣にずっと座り、卵を温めるような行動を始めたという。

《画像:2年連続の産卵に成功したペア(同、2025年3月6日撮影)》

コウノトリは1日7時間以上の観察で親鳥が巣を長く離れることがなく、巣の上に伏している時間が50%以上なら産卵、80%を超えれば本格的な抱卵に入ったと判断される。

市教委によると、抱卵を確認するため、3月3日に1分おきに静止画像を撮影するカメラを巣の近くに設置。6日に撮影データや市民による観察記録を兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市)の専門家に送り、「抱卵」と判断された。最初の産卵は2月28日、本格的な抱卵は3月2日からとみられ、孵化は4月4日頃の見通しという。

橋爪さんは「2年連続の産卵を願っていたので、ものすごくうれしい。コウノトリの里に向けた大きな一歩だ。ただ昨年より1か月早いので、寒さなどの天候や餌が十分にあるのかが心配。見守るしかない」と話していた。

市は観察や撮影は巣から150m以上(車の中からは100m以上)離れて行うことや、無断で私有地や農地に入ったり、車を駐車したりしないよう呼び掛けている。

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