瀬谷区役所 「適切な歯磨き」動画に 働き世代向けに啓発
瀬谷区福祉保健課が10月16日、歯周病などの予防を呼びかけるアニメーション動画「歯のセルフケアにプラスαを!」をYouTubeの横浜市公式チャンネルで公開した。歯周病の罹患率が高くなる20代〜50代の働いている世代向けのセルフケア啓発動画で、市内18区でも初という取り組みだ。
セルフケアが課題
2020年度の健康に関する市民意識調査によると、瀬谷区内で「歯磨きに時間をかける」という人は62%。市平均(58・2%)を上回り、18区中2位だった。その一方、歯の隙間を掃除する歯間ブラシやデンタルフロスを使用している人は、市平均(49・4%)を下回る43・6%。歯間ブラシなどでセルフケアしている人の割合が、18区中2番目に少ない実態が明らかになった。
こうした背景を受けて企画された啓発事業。区役所の健康行事などに参加する機会の少ない現役世代に働きかけるため、家などでも視聴できる動画を公開することになった。同課は、市民が適切な歯磨き習慣を身に付けることで歯周病や虫歯を予防するとともに、歯科医院での定期健診や全身の健康づくりにもつなげていきたい狙いだ。
構成や脚本にこだわり
約2分20秒の動画では口の中で「悪さを働く」細菌の様子から始まり、セルフケアのポイントを解説。歯ブラシによる歯間の歯垢(しこう)除去率は6割程度とされていることや、毛先が開いた状態で使用すると歯磨きの効果が低くなる点などを紹介した上で、歯間ブラシやデンタルフロスなど追加のケアを促している。
構成や脚本は、歯科衛生士の職員らが中心となって進めた。動画内の登場人物や細菌の声も職員が演じるなど手づくりにこだわったという。同課ではYouTubeのほか、ホームページやSNS、各種講演会、区庁舎のデジタルサイネージなどで動画を発信し、啓発していく考えだ。
「忙しくて歯医者に通えなかったり、歯磨きがおろそかになりがちな若い世代に観てもらえれば」と職員。「人生100年時代、いつまでも美味しく自分の歯で食べられるように、適切な歯磨き習慣を身に付けてください」と呼びかける。