芸妓や舞妓の花街文化を伝える「祇園 花街芸術資料館」が京都にオープン
2024年5月15日、「京都最大の花街」といわれる京都市東山区祇園町の「祇園甲部(ぎおんこうぶ)」に、「祇園 花街芸術資料館」がオープンした。芸妓(げいぎ)や舞妓(まいこ)が使用した装飾品の展示や「舞」鑑賞を通して、花街の文化に触れることができる施設だ。京都の伝統文化を国内外の観光者に分かりやすく伝えるために建てられた同施設は、京都を訪れたら立ち寄っておきたい、最注目の観光スポットである。
「花街芸術資料常設展」では、手描き友禅の着物や西陣織の帯のほか、舞妓の化粧道具などを展示する。季節ごとに変わるかんざしや、祇園でも珍しい正装の黒紋付きなどを含め、貴重な展示を通して雅な京文化を肌で感じられる。
さらに1日4回、芸妓や舞妓(1人)による井上流の「京舞」も堪能でき、祇園ならでは高揚感を感じるひとときが過ごせる。特定の時間帯のみ、芸妓もしくは舞妓(1人)と有料で記念撮影(各回20組まで、1組あたり2000円、税込み)もできるので、京都旅の記念の一枚を撮影する場としてもおすすめだ。
ヒノキで造られた純和風大劇場「歌舞練場本館」では、見学が楽しめるので、天井や照明の伝統的な意匠に目を凝らしてみよう。5月から9月には「都をどり」の花道と舞台も開放する。
疲れたら、一息つける「アートバー」へ。都をどりの歴代ポスターの原画を中心に、芸妓や舞妓を描いた絵画を鑑賞しつつ、地元の地酒やジャパニーズウイスキーをたしなめる。
外に出ると、周囲の緑を映す池を中心に「如庵」と名付けられた茶室と、石橋が配置された改修を終えたばかりの庭園が広がる。夕暮れ時から夜にかけては、祇園甲部の象徴である「つなぎ団子」の紋章が入った赤ちょうちんのライトアップも見物だ。伝統的な街並みを照らし出す明かりを眺めつつ、幻想的な気分に浸ってみては。