【横須賀 ショップレポ】ヨコスカ松坂屋 1910年創業のお肉屋さんで世界レベルを召し上がれ!
おそらく横須賀市内でもかなりの老舗でしょう。
創業は1910年、元号で言えば明治43年。『ヨコスカ松坂屋』は今年、115年目を迎えた町のお肉屋さんです。場所は京急横須賀中央駅下車徒歩7分ほど。駅西口を右に曲った平坂を上りきってすぐ。上町(うわまち)の中里商店街入口に位置しています。
「自分で四代目となります」と店主の松井義昌さん(54歳)。21歳の時、3代目であるお父様のもと、店に入りました。
「当初、技術的な指導はあまり受けませんでした。それよりも、お客商売の心構えなどが多かった。特に挨拶、そして衛生管理をしっかりと仕込まれました」
ちなみに小学生時代の松井さん、お父様からこんな日課を与えられていたとか。
「毎朝の店前の掃除です。箒(ほうき)できちんとやらないと学校に行かせてもらえなかったんですよ」
なるほど、清潔感漂う現在のお店はそんな〝英才教育〟の賜物かも。白タイル張りの壁もピカピカしておりました。
垂涎の黒毛和牛!ホルモン、惣菜もおまかせ
取り扱い商品を紹介しましょう。
まずは、精肉類。いにしえの創業当初から、新鮮、美味しいと定評がある鶏、豚、牛を扱っていますが、特に正面ケースに鎮座している特選黒毛和牛の〝お姿〟は圧巻!ヒレ、ロースとも後光が指しているようでガラス越しに眺めていても、食欲がマックスになること請け合いです。
さらに、店内右手の縦型の大きなフリーザーには主にホルモン類がギッシリ。春巻きやロールキャベツなどの惣菜類もあります。これは松井さんのお母様メインで手作りされている、もちろんの人気商品です。
オリジナル食肉加工類への挑戦
今取材の〝主役〟となるのがハムやソーセージといった松坂屋オリジナル食肉加工品類。店舗左側の大型ショーケースの半分を占めています。
「20年前ですか。精肉処理時に出てくる端材肉がもったいなく思い、まずはビーフジャーキーを試作してみました」
実のところ、当初は最低の出来だったとか。なにせ塩加減ひとつにしても、参考となる専門的なレシピもなく、ただただ、試行錯誤の日々が続いていたそうです。
「親戚筋の肉屋や父の助言を励みに頑張りました。結果、2年後にはやっと店に出せるようになりました」
これを機に、松井さんの新たなる味への探求が続いて行く。やがて、コンビーフやスモークベーコンなども完成。ハム、ソーセージ達も続々と誕生しました。
「食肉加工品となれば添加物が多いと思われがちですが、ウチはまったくの無添加製法で、基本は国産肉、塩、コショウ、そして三温糖だけ。あとハーブなどで変化をつけ、それぞれの個性を出しています」
初出品でIFFAコンテスト金賞を獲得!
こうした努力が認められたのか、松坂屋のハム、ソーセージは3年前のIFFAコンテストで高い評価を得ました。
「出入りの機械業者さんから勧められて初出品したところ、金賞4個、銀賞1個をいただきました」
IFFAコンテストとは3年毎にドイツで開催される食肉加工品の品評会。主にハムやソーセージなどの審査が行われる由緒正しき大会です(※アジアからの出品は検疫上出来ないので、日本国内で審査は行われます)。
チェック項目はざっと150以上もあり、材料の良し悪し、食感、見た目などを厳格に審査。なんと金賞はすべての項目について、ノーチェック、つまり、パーフェクトでなければ与えられません。受賞した商品はロースハム、ソーセージではプレーン、葉山夏みかん&ローズマリー、イカ墨など。どれも今や店の大看板です。
「夏みかんやイカ墨は三浦半島産の材料です。地産地消もかなり意識して工夫しています」
熱々テイクアウトの揚げ物も要チェック!
加工品がニューヒーローとするなら、こちらは松坂屋のある意味レジェンド的存在と言えるかも。最後は店頭で調理される揚げ物の数々です。正直、こちらを紹介しないと松坂屋ファンの方々からクレームがついてしまうかもです。
お品書きは、いわゆるお肉屋さんのコロッケ、メンチカツ(スカメン)、そして、肉じゃがコロッケ、クリームコロッケなどのバリエーションものからロースカツ、鶏唐揚げなどなど。どれも注文してから揚げてもらえる熱々のテイクアウト商品です。
「お馴染みの男しゃくコロッケは創業時から、お陰様で愛され続けています。もっとも、新作や季節の揚げ物にも力を入れています」
ちなみに新作を手がけるのはお母様とか。松井さん曰く「探究心旺盛な母なんです」
『LOVE&MEAT』で目指すは150、200年!
休業日は毎週月曜日と火曜日。しかし、火曜日は仕込みや加工品の製造日。さらに、横須賀中央駅側には直営の焼肉屋『タイガー』やヨコスカポートマーケット内にはイートインの系列店『BUTCHER’S TABLE 横須賀松坂屋』があり、そちらにもちろん関わっていて、かなりハードワークのご様子。
それでも頑張られておられるのは、店のモットーである『LOVE&MEAT』のスピリットからでしょうか?
「子供(男3名/女2名)の誰かが継いでくれるかはまだわかりませんし、強制もしないです。ただ、気持ちとして松坂屋は、150年、200年も安心安全の美味しさをお客様にお届け続けていたい。そのためにも、もっとチャレンジしていかないと」
町の肉屋さんとはいえ、クオリティも夢の大きさもまさに世界レベルです。最近はネット販売にも注力されているそうですが、あの世界的レジェンド俳優さんも大の松坂屋ファン。頻繁にお取り寄せされているとか。
「店舗リニューアルの時には、お花までいただいて有り難いことです」
各商品は横須賀市のふるさと納税返礼品にも認定済み。店主松井さん、今日も〝肉愛〟パワー 全開でお店に立たれています。
ヨコスカ松坂屋
営業時間
10:00〜19:00
定休日
月曜日・火曜日
電話番号
046-822-0986
支払い方法
現金、カード、電子マネー、QR決済(楽天Pay・PayPay)
アクセス
京急横須賀中央駅より徒歩7分
住所: 神奈川県横須賀市上町1丁目44
駐車場:なし
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