「コピーはご使用できます」って何?「~できます」の適切な使い方とは!?【 頭がいい人の敬語の使い方】
「コピーはご使用できます」って何?
「点検終わりました。もう、コピーはご使用できます」
定期的なコピー機のメンテナンスが終わったときなど、よく使われる表現です。敬語としてどこにも問題がないように聞こえますが、これも間違えやすい敬語の典型的な例です。
この表現に「が」が入って「ご使用ができます」なら、言い方として間違いではありませんが、敬語のレベルとしてはギリギリ合格といったところ。本来は、
「コピーはご使用いただけます」
「コピーはご使用になれます」
とするべきです。「~できます」という言い方は、自分がへりくだったときに使うもの。
例えば、「明日までに契約書を揃えていただけますか?」と聞かれたときに、「ご用意できます」と答えたり、「サンプルを土曜日までに見せていただけますか?」に「金曜日にはお届けできます」と対応するのが正しい使用法です。
相手の行為に対しては「~できます」は使えません。コピーを使用するのは相手ですから、「ご使用できます」というのは適切ではないということになります。
「本日は閉店となります。明日の午前10時からご来店できます」
デパートやレストランといった接客業の最前線にいる人たちも、うっかりそんな表現をしていることがあります。もちろん、ここは「ご来店いただけます」「ご来店になれます」ですね。または、相手や相手の行為を敬う表現として、「来店していただけます」もよいでしょう。
【出典】『頭がいい人の敬語の使い方』著:本郷陽二