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遺伝子には使い分けのオン・オフをするスイッチがある?【眠れなくなるほど面白い 図解 生命科学の話】

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遺伝子には使い分けのオン・オフをするスイッチがある?【眠れなくなるほど面白い 図解 生命科学の話】

遺伝子には使い分けのオン・オフをするスイッチがある

体を変え、人生を変えることも?

DNAの配列は、生まれる前の受精したときに固定されて一生変わらないものです。しかし、遺伝子の使い方は、後から変えられることがわかってきました。生命科学では、これを「エピジェネティクス(後成遺伝学:epi =後からの、genetics =遺伝学)の巻き戻し」と呼んでいます。エピジェネティクスのオン・オフ、つまりDNAのオン・オフをコントロールすることで、体質や能力、病気のかかりやすさなどを変えることができるということです。

がんを例にすると、私たちはもともと、がんを抑える遺伝子をもっていて、通常はその働きでがんの発症が抑えられています。ところが、生活習慣や加齢などによってこの遺伝子の働きがオフになると、がんを発症することになります。このメカニズムに着目して、がんを抑える遺伝子のスイッチをオンにするエピジェネティクス創薬の研究が進み、実際にがんの治療薬が次々に開発されつつあります。

病気だけでなく、いろいろな遺伝子のスイッチのオン・オフによって、さまざまなことが変わる可能性があります。運動能力、学習能力、芸術の能力などの向上や、老化予防、体質改善への応用も考えられます。遺伝子のスイッチをコントロールすることによって、私たちの未来は大きく変わっていきそうです。

がんを抑える遺伝子がオフになるとがんに

がんを発症するのは、 “がんを抑える遺伝子”が働かなくなったため。この遺伝子のスイッチをオンにすれば、がんを抑えることができるはず。いま、スイッチを切り替える働きをもつ薬(エピジェネティック薬)の開発が進められている。

遺伝子オン○・オフ×の例

エピジェネティックな三毛ネコ

三毛ネコの毛色の茶と黒に関する遺伝子は、X 染色体上にある。ネコのオス(XY) は、X 染色体が一つなので、茶か黒のどちらかしかもてない。メス (XX)は、二つの X 染色体の片方に茶、もう片方に黒の遺伝子があれば、一匹で両方の毛色がもてる。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 生命科学の話』著:高橋祥子

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