1市3町の首長に新春インタビュー 中井町戸村裕司町長(56)
町民とともに輝く年に
―2024年を振り返って。
「2024年は、震度5弱の地震に続く台風10号対応がありました。4日間災害対策本部を立ち上げ、避難所運営は異例の長さ。町内では農地等に被害が出ましたが、人的被害はなく、復旧事業補助金を創設し、国庫補助事業も活用し対応しています。この経験から、災害対策本部の運営体制強化など激甚化する災害への即応力向上が課題です。また、避難所のエアコン設置や、葛川流域での監視強化、連携強化も必要です。
施策では帯状疱疹ワクチン接種補助や加齢性難聴補聴器補助など、町民の保健福祉にも力を入れました」
―今年の展望は。
「2025年のキーワードは『輝』。観光といっても、名所旧跡ではなく、『光を観る』。町民、地域、自然の光を引き出すことが重要です。中井町ならではの幸福と魅力が光り輝く未来を目指し、今年も一人ひとりの輝きを大事にします。
そこで、現在策定中の2026年度から始まる第七次総合計画では、『ウェルビーイング(地域幸福度)』を導入しています。ウェルビーイング指標を用いて幸福度を可視化し、エビデンスに基づいた政策立案を行います。幸福度アンケートの結果、町民の幸福度は全国平均より高いものの、将来に対する幸福度は、高齢者で平均より下がっているとの結果が出ました。AI分析もかけながら、解決に向けた方策を見極めています。
役場周辺に新たな生涯学習施設を建設する公募型プロポーザルを実施中で、年内に設計者を決定します。建築家、ランドスケープ専門家、町民、町関係者が審査を行います。公民館機能に加え、生涯学習、図書館、郷土資料館の機能を合わせ持ち、『行きたくなる、居たくなる、(町に)暮らしたくなる』施設を目指し、25年度の実施設計にも引き続き町民の意見を反映しながら、利活用する人材育成も進めます。27年度中の供用開始ですが、プロポーザルでは、改善センター跡地を含めた役場周辺の活性化につなげる構想も描いてもらいます」
―まちの「にこにこポイント」は。
「パン屋さんが増え飲み屋さんや、洋菓子屋さん、喫茶店などでき、町内に『にこにこポイント』が増えています。町民おすすめの店などをまとめた冊子も作成。年度内に発行予定です」
―住民に一言。
「昨年末に開催された厳島湿生公園『あかりの祭典』は地域の手作りイベントで年々素晴らしくなっています。商工会の中井中央公園『花見で花火』も含めこの町には輝きがあります。新年も皆様の安心安全が守られ、健康で活躍される健やかな1年となるよう、役場職員一同がんばります」