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【企業ブランディング】地域No.1ブランドを目指して|関本大輔(株式会社アドハウスパブリック)#2

にいがた経済新聞

こんにちは。株式会社アドハウスパブリック代表の関本大輔と申します。

このコラムでは、「ブランディング」をテーマに、その本質や大切にしたい考え方について弊社の事例を交えながらお伝えしています。

今回は、山形県米沢市にある太田建設株式会社さまの事例をもとに、地域No.1を目指す企業ブランディングの取り組みについてお伝えします。

ご興味がありましたら、ぜひ最後までお読みいただけますと幸いです。

会社独自のカルチャーや強みを全社員で発見

太田建設株式会社さんは、山形県米沢市で60年の歴史を持つ建設会社。公共事業をはじめ、土木・建築、そして住宅事業まで幅広い実績を持ち、地域でとても信頼されている企業です。

当初のご相談は、地域No.1のブランドを目指して「住宅部門のテコ入れをしていきたい」というものでした。

ホームページのリニューアルや、ブランドとしての見せ方をどうしていくべきか。それらを起点にいろいろとお話を聞いていくと、「住宅ブランド」の在り方を考えていくにあたり、根本にある「太田建設」自体の在り方を整理する必要が出てきました

また、2025年に創業60周年という節目を迎えるため、会社としてリブランディングをするには丁度良いタイミングでもありました。そこで、まずは会社自体の強み発見・再定義からスタートしました。

はじめに、社内のカルチャー発見など、インナーブランディングのワークショップを実施。今の太田建設さんが大切にしていることや、「太田建設らしさ」とは何か。これからどんな未来へ進んで行きたいのか。これらを社員さんたちと対話を重ねながら明確化し、企業理念の見直し、会社の持つ強みやカルチャーを発見していきました。

▲全社員参加のワークショップを2日間にわたって実施。弊社がファシリテーターを務めた。社員が自発的に声を上げながら、会社に対する考えやお客さまに対する想いを言語化し、共通認識を深めていく。

そして、ワークショップで発見した強みをもとに、新たなミッション・ビジョン・バリューを掲げました。

太田建設さんは、とても丁寧な仕事をすることが評判の会社さんです。後々どこかで誰かが困ることがないように配慮したり、自然や環境にも大きな影響がないように考えたり。あらゆるところに配慮した仕事をすることで、行政や地域住民の方からも信頼を得ています。

太田建設さんで働く方々の誇りでもある「丁寧な仕事をする」という文化。これをきちんと後世まで残していく。そして、丁寧な仕事・恥じることのない仕事で、地域の未来をつくっていく。そんな想いを込めて『恥じない未来を造る。』という言葉をミッションに掲げました。

また、このミッションとあわせて、会社のシンボルキャラクターも開発。大地を守る妖怪「ダイダラボッチ」をヒントに、『オオタラボッチ』というオリジナルキャラクターが誕生しました。

『オオタラボッチ』は、これから建設現場やホームページ、あるいは名刺や封筒など、あらゆるところで『恥じない未来を造る。』という姿勢を世の中にPRするとともに、社内への浸透を図る役割も担っています。

こうして会社としての土台が整い、続いて住宅部門のブランド化へ。これまでは太田建設の住宅部門として家づくりを手掛けてきましたが、このタイミングで『To–Be Home』というブランド名を掲げました。

そして、今の時代にあった太田建設らしい家づくりを定義し直したほか、ホームページやツール類のデザインも一新。新たなブランドとして生まれ変わったのです。

独自の強みや魅力は、どの会社にも必ずある

中小企業の中には、「自分たちの会社の特徴がわからない」「自社の明確な強みがなく、打ち出すことができない」そんな課題を抱えている企業さんも多いと思います。

しかし、その会社らしいカルチャーや、強み・魅力というのは、必ず存在しますそれらを発掘して、社員みんなで共有・理解をして、一緒に次のステージへ歩みを進めていくこと。それが企業ブランディングにおいて大切なことだと思います。

他社と差別化できるところは何だろう。そう考えるとき、つい他社と比較して自社が優れている点を探してしまうかもしれません。しかし、大切なのは「他と比べて優れている点はどこか」よりも、いかに自社の在り方を見つめ、良いところ・際立たせたいポイントを見つけ、磨いていくかということ。

例えば同じサービスを扱っていても、会社ごとに働いている人は違う。そうすると、会社としての姿勢や心も必ず違う。そうすると、サービスにおいて光るポイントも必ず違ってきます。

それらを見つけて磨いていくことで、必要としている人に必ず届いていきます。新たに生み出すよりも先に、会社やそこに居る人の光るポイント、つまり「宝」を見つけ出すこと。それが、「地域No.1ブランド」になるための第一歩なのです。

今回はここまでとなります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

株式会社アドハウスパブリック代表取締役。新潟デザイン専門学校を卒業後、東京の出版社でデザイナーとして勤務。その後、父が設立した会社を継ぐため帰郷し、2013年に代表取締役として就任。

お客さまの本質的な課題解決につながるインナーブランディングと卓越したデザインで、さまざまな企業や事業のブランディングに携わる。過去1000件以上の実績で、地域・業界を問わず評価されている。

米国ギャラップ社認定ストレングスコーチのほか、越後雪室屋ブランドディレクター・理事、新潟県6次産業化プランナー、新潟市異業種交流研究会協同組合理事長を務める。

【連載コラム ブランディングコラム】
#1【ブランディングの原点】想いや強みの“見える化”

【旧連星コラム】
#12 新潟の街をウェルビーイングに

#11 “人を育てるチームづくり”が未来を変える

#10 本物が揃う店『久保田NIIGATA』のブランディング

#9 越後雪室屋のブランドづくり

#8 成果を手に入れるために意識したいこと

#7 社員を輝かせる目標設定のポイント

#6 夢や目標を掲げて生きることの意味

#5 自分を知ることが原点。『MBTI』による自己認知方法(後編)

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#4 その人らしさを認め合うことからはじまる“心理的安全性”

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#1 人と企業が自分らしく輝く “ウェルビーイングな社会”へ

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