【大阪・関西万博】全長約13mの巨大壁面アートが登場!ヘラルボニー契約作家・田﨑飛鳥氏の「森の道ー青い森」が静寂の中に力強さを放つ
国内外のアートを通して対話と交流を生み出す一大プロジェクト「Study : 大阪関西国際芸術祭 / EXPO PUBLIC ART」の一環として、障害のある作家の作品を世に送り出すクリエイティブカンパニー「ヘラルボニー」の契約作家による壮大な壁面アートが、大阪・関西万博会場内に登場しました。
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大阪市・夢洲(ゆめしま)会場「5番」屋外壁面
株式会社ヘラルボニーは、大阪・関西万博会場内で5月9日より、全長約13メートルに及ぶ巨大壁面アート「森の道ー青い森」の展示を開始しました。この作品は、万博会場内の「静けさの森」エリアに隣接する建築物の外壁に設置されています。
全体で約105平方メートルに及ぶこの壁面アートは、岩手県陸前高田市在住の作家・田﨑飛鳥氏が手がけたもの。直立する樹々の間を吹き抜ける涼やかな風とともに、生命が静かに息づくような景色が描かれています。
田﨑氏は色彩について「色は心が聞いている」と語ります。その言葉通り、内的なリズムと感情の温度が重なり合い、見る者の感覚を深くゆさぶる作品となっています。
宮沢賢治の精神を受け継ぐ、都市の中の静寂
本作品には、岩手県出身の文学者・宮沢賢治の童話『虔十公園林』のエッセンスが重ねられています。周囲に嘲笑されながらも虔十が植えた杉の苗が、彼の死後にやがて子どもたちが遊ぶ「美しい公園地」へと成長するというこの物語は、一人の行為が時間を超えて風景を変えていく過程を描いています。
それは、都市における緑の再生や多様性と共生の価値を象徴するものとも言えるでしょう。岩手を拠点に表現の多様性と地域文化をつなげてきたヘラルボニーの活動と、宮沢賢治が岩手の自然と人々への深い眼差しを持ち続けた生涯。その両者の精神が、都市の中に静かに根を張る林のようにこの作品を通じて息づいています。
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震災を乗り越えた作家の表現力
作家の田﨑飛鳥氏は生まれながらに脳性麻痺と知的障害があり、彫金作家である父・實さんの勧めで絵を描き始めました。その才能は徐々に開花し、やがてアート展で賞を受賞するまでに至ります。
しかし2011年の東日本大震災により、自宅や約200点にのぼる作品、そして親しんできた豊かな自然とそこに住む人々など、かけがえのない大切なものを一瞬で失いました。あまりの衝撃と悲しみから一度は筆を置いてしまったものの、父からの励ましの言葉で再び創作活動を始め、その壮絶な経験を経て、今では多くの人の心を動かす作品を生み出しています。
監修者からのメッセージ
本作品の監修を務めたのは、金沢21世紀美術館の元チーフ・キュレーターで、現在はヘラルボニーのCAO(Chief Art Officer)を務める黒澤浩美氏です。
黒澤氏は宮沢賢治の作品について「宇宙規模の世界観を持ち、自然と人間の関係を深く描いているもの」と評します。その物語には「現代の環境問題や社会問題にも通じるメッセージを含んでおり、社会において、弱い存在として、抑圧や疎外された声を上げられない人々への共感も強く表れている」と指摘しています。
展示会情報
壁面サイズ:縦8.258m、横12.77m(約105㎡)
展示期間:2025年10月13日(月・祝)まで
展示場所:大阪市・夢洲(ゆめしま)会場「5番」屋外壁面
※夢洲駅から徒歩約10〜15分
観覧方法:撮影・閲覧自由
※入場には別途、大阪・関西万博のチケットが必要です
主催: Study:大阪関西国際芸術祭実行委員会(株式会社アートローグ内)
協賛: 東京建物株式会社
公式サイト:Study:大阪関西国際芸術祭 2025
都市空間とアートの新たな関係性を探る本芸術祭の中で、静けさと力強さを併せ持つ風景として、会場に訪れる人々に静かな対話の時間を生み出すこの作品。大阪・関西万博の会場で、ぜひ体感してみてください。
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引用元:
【PRTIMES】
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