越中の小京都で念珠づくり体験も! 常設の寺宝やきらびやかなお堂で歴史と風情に浸る【城端別院 善徳寺】
富山県南砺市の山間にある城端町。
15世紀に建立され浄土真宗の別院 善徳寺の門前町として古くから栄え、風情ある石畳の美しいまちなみは“越中の小京都”と呼ばれ、観光客にも人気のエリアです。
城端のまちを象徴「城端別院 善徳寺」
JR城端線の城端駅から坂を上がるように国道304号を進むこと、約10分。古くからの町家や商店が並ぶ通りの右手に立派な山門が見えてきます。
城端別院 善徳寺(じょうはなべついん・ぜんとくじ)です。
大きな山門をくぐると、境内には澄んだ空気が広がります。
約550年前に蓮如上人が開いたとされ、現在の地に移築されたのが1559年。
浄土真宗の大きな本堂として、国宝に指定されている高岡市伏木の勝興寺に次ぐ県内2番目の大きさで、山門や鐘楼などとともに富山県の指定文化財にもなっています。
立ち姿の仏様に込められた意味とは?
広い本堂は、誰でも自由に参拝することができます。
1759年に再建されてから260年以上、1度も火災で焼失することなく現存しているのだそう。
本堂の奥へとさらに進むと、圧倒されるのが金で装飾された空間。
「内陣(ないじん)」といって、本堂の奥で御本尊を安置する神聖な場所。「浄土」を表していることから、きらびやかな空間になっているのだそう。
その中央には立派な仏像が安置されていますが、この姿にも意味があるそうでーー
仏像には、大きくわけて2種類。立っている像と座っている像があります。
善徳寺の本尊は立ち姿。これは、今まさに人間のところへ教えに行こうとしている様子を表しているのだそう。
確かに、横から見ると前のめり気味に15°ほど傾いているのがわかります。
これも「今すぐに人間のもとへ」という様子の現れなんだとか。
一つひとつに意味が込められているとわかると、じっくり見入って時間が経つのを忘れそうです。
気分はお殿様やお姫様⁉ 豪華な「対面所」
もともとはこの地に住んでいた豪族が城を建てようとしたところ、許可が得られず、代わりに善徳寺を誘致して、現在の敷地に建てられたんだとか。そのため、城のように広く、応接間としての役割を持つ「対面所」は、まるでお殿様がいそうな豪華な空間です。実際、加賀藩前田家から藩主の子を住職として迎え入れた際にこの対面所の改築が行われ、以前より格式の高いものになったのだそう。
向かって右手には城のように武者隠しの扉があったり、欄間には加賀藩の梅鉢紋に倣って梅の彫刻があったりするなど、設えの一つひとつに歴史やストーリーがあります。説明を踏まえて鑑賞すると、より一層面白く、興味をそそられます。
ほかにも、文化財や宝物などが約1万点も納められていて、その一部が常設展示されています。春には樹齢370年といわれる糸桜が花を咲かせる「しだれ桜まつり」、7月には蓮如ゆかりの品や前田家から寄進された寺宝が一般公開される「虫干法会(むしぼしほうえ)」が行われるなど、1年を通して見どころがいっぱいです。
旅の思い出に「腕輪念珠作り体験」も
善徳寺では、念珠の腕輪づくりの体験をすることもできます。
好きな石を選んで紐に通していく簡単な作業なので、誰でも簡単に作ることができます。自分で作った世界にひとつの念珠でお参りすることもできますし、旅の思い出作りにもおススメです。
腕輪念珠づくり体験
【実施時間】 10:00~/15:00~
【料 金】 1人 4500円(税込)
【休 み】 月曜
※3日前の16:00までに予約が必要
出典:KNBテレビ「いっちゃんKNB」
2024年10月11日放送
記事編集:nan-nan編集部
【城端別院 善徳寺】
住所 富山県南砺市城端405
営業時間 9:00~17:00
定休日 なし