ウォークインクローゼットの間取り4選!最適な広さや間取りも解説
ウォークインクローゼットの広さや間取りは、どのように決めたらよいのか迷う人も多いでしょう。
ウォークインクローゼットの広さや位置をあまり考えず決めてしまうと、使い勝手が悪く後悔してしまうことも。そこでこの記事では、家族構成や収納量に適したウォークインクローゼットの広さや、配置やレイアウトなど間取り計画のポイントについても解説します。
コンパクトなタイプから大容量タイプまで、使い勝手のよいウォークインクローゼットの実例もご紹介しますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
ウォークインクローゼットとは?
ウォークインクローゼットとは、人が入って物を出し入れできる大きさの衣類収納を指します。間取り図では「WIC」という略称で表記されます。
ウォークインクローゼットを設ける場合、一般的には2~4畳でつくられることが多いです。
なお、人が入れない大きさの衣類収納はクローゼット、人が通り抜けられるよう通路を兼ねている場合はウォークスルークローゼットと呼ばれます。
ウォークインクローゼットに必要な広さは?
ウォークインクローゼットは、広すぎても狭すぎても使い勝手がよくありません。
ウォークインクローゼットの設置を検討するときに欠かせない広さについて、収納量の目安やどのような家族におすすめかを解説します。
コンパクトな2畳タイプ
2畳のウォークインクローゼットは目安として150~200着を収納できる広さで、一般的に夫婦2人向けといわれます。
壁全面を収納にすることも可能ですが、その分通路も狭くなるためクローゼットの中で着替えるのは難しいです。
一人暮らしまたは服の量が少ない夫婦であれば2畳でも余裕があるため、通路を広めにとって中で着替えたり、全身鏡を置いたりすることもできるでしょう。
着替えもしやすい3畳タイプ
3畳のウォークインクローゼットは目安として250~300着を収納できる広さです。子どもの荷物を大人の半分の量で計算した場合、夫婦と小さい子ども2人にちょうどよいサイズといえます。
ウォークインクローゼットの中で着替えることを考えるなら、3~3.5畳を目安と考えるとよいでしょう。夫婦2人だけの場合や荷物が少ない場合は、全身鏡を置いてコーディネートスペースを設けることもできます。通路を広めにとれば、ウォークスルークローゼットにすることも可能です。
大容量の4畳タイプ
大容量の4畳タイプ
4畳のウォークインクローゼットは目安として400着を収納できる広さです。子どもが成長して荷物が増えても対応できるようにしたい場合や、家族全員分の衣類を一括管理するファミリークローゼットにしたい場合も、4畳あれば可能でしょう。
ただし、4畳といえば小さな子ども部屋くらいの広さがあるため、デッドスペースができないようハンガーや収納棚のレイアウトには工夫が必要です。数人で使えるよう通路や着替えスペースを広く取ることもできます。
ウォークインクローゼットの間取りを検討するポイント
ウォークインクローゼットはどこにあるか、どんな造りかによって使い勝手が大きく変わります。
ウォークインクローゼットの間取りを検討するうえで考えておきたいポイントについて解説します。
配置と動線
ウォークインクローゼットの位置は、生活動線や家事動線をふまえて計画することが大切です。主な設置場所とその特徴をご紹介します。
寝室に隣接させる
寝室から出入りできるウォークインクローゼットは、朝起きてすぐに着替えられて便利です。ウォークインクローゼットの中で着替える広さがない場合も、寝室で着替えられます。
ただし、家族と生活リズムが異なる場合は、寝室で寝ている家族を起こさないよう出入りに配慮が必要です。また、玄関などで忘れ物に気づいたときに、わざわざ寝室の中に入る必要があるため、面倒に感じることも。
廊下からも出入りできるようにしておくと寝室を通らずに済むため、問題を解消できるでしょう。
廊下につくる
ウォークインクローゼットを廊下に設置すると、それぞれの寝室や個室から出入りできるため、更衣室のように使えます。
寝室や個室、ランドリールームや洗面所の位置と照らし合わせ、身支度や洗濯などの生活動線がスムーズになるよう配置するとよいでしょう。
洗面室やランドリールームと隣接させる
洗面室とつながるウォークインクローゼットは、洗面室でメイクをする女性にとって身支度が便利になる配置です。帰宅後も洗面室でメイクを落としてすぐに着替えられるため、オン・オフを切り替えやすいというメリットもあります。
ランドリールームとウォークインクローゼットを隣接させた間取りは、家事動線がスムーズです。洗濯物が多い子育て家族や、家事の負担を軽減したい人におすすめです。
子ども部屋につくるケース
小さめのウォークインクローゼットを子ども部屋につくるケースもあります。
子どもの荷物は成長とともに増えるため、ウォークインクローゼットがあれば衣類だけでなく、学用品や習い事の道具、普段使わないものも収納できて便利です。
生活スペースは削られますが、荷物が散乱することなくなるため、すっきりした空間を保ちやすくなります。学習に集中しやすい、子ども自身が荷物を管理できるようになる、などの効果も期待できるでしょう。
レイアウト
ウォークインクローゼットのレイアウトについて、使い勝手のよい定番を3つご紹介します。
I型
I型は、片側の壁に収納スペースをつくり、反対側に通路を設けたコンパクトなレイアウトです。奥側にも収納スペースをつくるとL字型になります。
ハンガーポールを設置する場合、丈が長い衣類と短い衣類を分けてかけるようにすると、下に収納ケースや棚を置いて収納を増やすことができます。
Ⅱ型
Ⅱ型は、両側の壁にハンガーパイプや棚を設置し、中央に通路や着替えスペースを設けた一般的で効率よく使えるウォークインクローゼットです。
片側ずつハンガーと棚を設置したり、カップルでゾーン分けして片側ずつ使ったりと、収納したいものや用途に合わせてカスタマイズできます。
コの字型
壁の両側と奥側に収納を設けたコの字型は、とにかく収納量を増やしたい家族におすすめです。4畳など広めのコの字型であれば、ウォークインクローゼットの中央に収納と畳むスペースを兼ねた棚を置くこともできます。
小さな子どもが自分で洋服を選びやすいよう、低い位置は子ども用、高い位置は大人用というように、成長に合わせたゾーン分けも可能です。
扉の有無
扉があるかないか、付ける場合はどんな扉にするかも、ウォークインクローゼットの使い勝手を左右します。
扉があるタイプとないタイプについて、それぞれの特徴や注意点も押さえておきましょう。
扉があるタイプ
扉付きのウォークインクローゼットは、衣類や収納したものを外から見えないように収納できます。生活感のないすっきりしたインテリアにしたい場合は、扉付きがおすすめです。
中で着替えるタイプのウォークインクローゼットの場合は、扉を閉めれば家族や来客に気兼ねすることなく着替えられます。
ただし、扉を付けると湿気がこもりやすくなるため、換気窓を設けたり除湿アイテムを使ったりするなどの対策が必要です。
また扉の位置や大きさによっては、ハンガーや棚を設置できる壁面が削られる可能性があるため、使い方や収納したいものの量とあわせて検討する必要があります。
扉がないタイプ
扉がないウォークインクローゼットは、荷物や洗濯物を持ったまま出入りしやすく便利です。また、扉がないことで開放的な印象になるとともに、通気性がよく湿気がこもりにくいメリットがあります。
ただし、目隠しの効果はなく、クローゼット内の音も周囲に漏れます。中が見えて気になる場合は、ロールスクリーンなどを設置するとよいでしょう。
用途やライフスタイルに応じた収納タイプ
主なウォークインクローゼット収納のタイプを3つご紹介します。収納したいものやライフスタイルに合わせていくつかのタイプを組み合わせたり、カスタマイズしたりするのもおすすめです。
ハンガーメインタイプ
ハンガー収納を充実させたハンガーメインタイプは、スーツやワンピースなどハンガーにかける洋服が多い人に最適です。また洋服をハンガーにかけると、一目で欲しい洋服が探せます。
ハンガーポールの上部に枕棚をつけると帽子やバッグなどの小物や、普段使わないものの収納に便利です。かける洋服の収納量を増やしたい場合は枕棚をつくらず、パイプを上下2段にすることもできます。
ハンガーパイプが一段の場合は洋服の下にデッドスペースができやすい点がデメリットです。丈が短めの洋服の下に背丈の低いタンスや収納ケースを置くなどすると、限られたスペースでも収納を増やせるでしょう。
壁面収納棚タイプ
壁際の収納棚を設置する壁面収納タイプは、畳んだ衣類や小物類の収納に便利です。棚のタイプは主にオープンラック式と引き出し式から選べます。洋服の種類によって選び分けたり、ハンガーと組み合わせたりすることも可能です。
棚を設ける際に、棚板の高さや位置を調節できる可動棚にしておくと、収納したい服の量や種類が変わっても柔軟に対応できます。
後付けタイプ
ハンガーポールや壁面収納をあえてつくらず、市販の収納ケースやハンガーラックなどを使って整理することも可能です。
後付けタイプは、家族の人数やライフスタイルが変わったときにも柔軟に対応できるため、ウォークインクローゼットのスペースだけ確保する人も増えています。
ウォークインクローゼットの間取り実例4選
1.コンパクトで回遊性の高い平屋のウォークインクローゼット
18坪の平屋の寝室に設けられたコンパクトなウォークインクローゼットです。平屋そのものがコンパクトでも、廊下をつくらず回遊性の高い造りにすることで、しっかり収納スペースが確保されています。奥行きが浅くてすべての洋服に手が届きやすいクローゼットと、奥行き深めのウォークインクローゼットを併設。それぞれの特性に合わせて荷物を振り分けられて便利です。
2.暮らしに合わせて配置をチェンジ。帰宅動線と洗濯動線に優れた玄関とランドリールームをつなぐウォークインクローゼット
夫婦と子ども1人が暮らす平屋のL字型ウォークインクローゼットは、ランドリールームにつながっています。洗濯から収納までの家事動線がスムーズです。玄関にも近く生活動線もスムーズになり、帰ってすぐに服を脱いでお風呂に入れるため、オン・オフの切り替えにも役立ちます。
建てた当初は寝室の奥にウォークインクローゼットをつくっていましたが、利便性を高めるために玄関脇の収納スペースとチェンジ。どちらもシンプルなハンガーメインタイプであったため、簡単に入れ替えられたそうです。収納の位置に迷っている人やライフスタイルの変化が予想される場合は、造りをシンプルにしておくと、柔軟に対応できます。
3.寝室と水回り・サンルームをつなぐ、身支度・洗濯動線ともに優れたウォークスルータイプ
コンパクトなサイズ感で夫婦2人にちょうどよい平屋のウォークインクローゼットは、使い勝手と動線に優れています。Ⅱ型のハンガー仕様は、それぞれの荷物を片側ずつゾーン分けしやすく便利です。着替えもしやすい通路は寝室とサンルーム・水回りをつないでいるため、洗濯から収納までの流れがとてもスムーズで、家事の負担を軽減できます。
4.身支度動線も洗濯動線も便利、衣替え不要な5.2畳のウォークインクローゼット
家族の衣類や荷物を一ヶ所で収納・管理できる、5.2畳と大容量のウォークインクローゼットです。寝室や子ども部屋、水回りが交差する場所に設置されているため、身支度などの生活動線も洗濯などの家事動線もスムーズです。広さを活かしたショップのようなコの字型レイアウトで、身支度の気分が盛り上がります。ハンガーと棚を組み合わせた大容量収納で、面倒な大家族の衣替えも不要。中央の引き出しは洗濯物を畳んだりアイロンをかけたりするときにも便利です。
実例を参考に、家族にぴったりなウォークインクローゼットの間取りを計画しよう
この記事では、ウォークインクローゼットに必要な広さの目安や間取りのポイントを解説しました。ウォークインクローゼットの間取りは家事動線や生活動線に優れた配置のほか、収納量に合わせたレイアウトや造りを工夫する必要があります。
さまざまなサイズやレイアウトで動線も優れた実例も参考に、家族の人数や暮らしにぴったりなウォークインクローゼットの間取りを計画していきましょう。