名張警察署だより 薬物乱用防止
刑事課長 臼井俊史
平素より警察活動に対するご理解ご協力を賜り感謝申し上げます。
覚醒剤や大麻事犯の検挙人数は、統計を始めて以降、2022年には最少となりましたが、23年は上昇に転じました。
また、覚醒剤事犯では、40代以上の検挙が全体の約7割を占めて高齢化しているのに対し、大麻事犯では20代以下の検挙が全体の約7割を占めるなど若年層に乱用が広がっています。
若年層に大麻の乱用が広がっている要因の一つとして、インターネットやSNSなどで違法薬物の有害性に関する誤った認識が広がり、違法性の認識が薄れていることが考えらます。
違法薬物の危険性
乱用されている主な薬物の危険性についてお話しします。
覚醒剤は、特に依存性が高く、依存が進むと「壁のシミが人の顔に見える」「誰かが自分を殺しに来る」といった幻覚や幻聴が現れたり、時には錯乱状態になって、発作的に他人に暴力を加えたりすることがあります。
大麻は、ゲートウェイドラッグと呼ばれ、薬物依存に向かう入り口とされています。大麻も覚醒剤と同じように有害性は高く、脳の正常な発達に障害を与える他、知覚の変化、学習能力の低下、精神障害などを発症させると言われています。
この他、危険ドラッグと呼ばれるものは、以前はハーブ系が主流でしたが、現在は電子たばこを用いて使用するリキッドや大麻と類似する物質を含有するグミやチョコなどの製品が出回っています。危険ドラッグも摂取すると、意識障害、幻覚や幻聴、おう吐などの症状が現れ、最悪の場合、命を落とすこともあります。
お願い
「海外では禁止されていない」「痩せられる」といった誤った認識や、「格好良い」「一度だけなら」など興味本位で手を出してしまうと人生が狂ってしまいます。後悔しても失った時間は戻すことができません。自分自身を大切にするのは当然ですが、大切な家族や友人までを傷つけてしまわないよう、勇気を持って違法薬物との関わりを断ちましょう。