「睡眠の質が高い」人の54%、歯科検診を3か月に1回以上の頻度で受診 働き盛り世代で頻度低下
歯科医療情報プラットフォームを運営するWHITE CROSS(東京都渋谷区)は10月31日、「歯科検診と睡眠に関する実態調査」の結果を公表した。
調査結果では睡眠の質が高いと感じている人の半数以上が3か月に1回以上の頻度で歯科検診に訪れているなど、睡眠の質が高いと感じている人は歯科検診の頻度が多い傾向にあることが明らかになった。
睡眠の質が低い人の半数は「歯が痛くなったら」歯科に
調査は「いい歯の日」(11月8日)を前に、10月7日から9日にかけて20歳代から60歳代の男女500人を対象に実施した。
睡眠の質が高いと感じている人の54%が3か月に1回以上の頻度で歯科検診を受けており、1か月以下の頻度で訪れている人も18%を占めた。また、睡眠の質が高いと感じている人のうち「痛くなったらなどの問題が発生したら」歯科検診に行く人の割合は28%と3割を切っていた。
一方、睡眠の質が低いと感じている人で3か月に1回以上の頻度で歯科検診に訪れる人は25%にとどまった。「痛くなったらなどの問題が発生したら」歯科検診に行く人の割合は51%で半数を超えた。
睡眠の質の高い人は、「歯ぎしり、食いしばり」と睡眠の質の関連性をより知る傾向に
歯ぎしりや食いしばりは睡眠の質と関連する可能性があることを知っている人は、睡眠の質が高いと感じている人で64%、低いと感じている人で35%と大きな差が生じていた。
歯ぎしりや食いしばりは本人が自覚することが難しく、歯科医師などの専門家の受診が必要となる。歯ぎしりや食いしばりを実際に専門家に調べてもらったことがあるかについては、睡眠の質が高いと感じている人で28%、低いと感じている人は10%と開きがあった。
そもそも、歯科健診での診断内容について、虫歯(70%)や歯石(61%)などは認知度が高いものの、歯ぎしりや食いしばりは14%と認知度が低いのが実情だ。
同社は「歯科検診に行くと睡眠の質が上がることを表すものではない」としながらも、「睡眠の質が高い人は歯科検診を含む予防医学に対する情報感度が高いことがわかった」と分析している。
歯科検診に行く頻度、20歳代が最多に
調査結果からは、約半数が定期的な歯科検診に行っていないことがわかった。同社は「歯が痛むといった症状を自覚した時点ではすでに疾患が進んでいることも多いため、虫歯や歯周病などの疾患がない人、自覚している問題がない人でも、定期的な歯科検診に行くことが望ましい」とコメントしている。
また、数週間から1か月に1度の高い頻度で歯科検診に行っているのは20歳代が一番多く、30歳代から50歳代の働き盛り世代では全体的に検診に行く頻度が下がり、3か月以下の頻度では定年後世代を含む60歳代が最も多いという結果になった。
歯科検診に行かない理由としては「時間をつくるのが面倒くさい」「お金がかかる」「自覚症状ないと検診に行く必要性を感じない」などの理由が挙げられた。
同社では、時間がないという理由については「働き盛りで時間的な余裕が少なくなりがちな30歳代〜40歳代の検診頻度が低いことと関連しそう」としており、さらに「『お金がかかる』『虫歯がないなどの理由で行く必要性を感じない』は、実際に虫歯になると治療にかかるコストは格段に上がるという認知が希薄である可能性がある」とコメントしている。