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日帰りでは絶対に見れない景色!”神の島” 沖縄の絶景離島「久高島」を堪能する(南城市)

OKITIVE

琉球神話のはじまりの場所、久高島。沖縄本島の東の海上にあるこの小さな島は、創生の神アマミキヨが初めて降り立った島として歴史書にその名を留め、かつては歴代の国王が隔年で行幸していました。 実は、沖縄本島から30分以内で行ける身近な場所にあり、現在では多くの方が訪れています。手つかずの自然とゆるやかな島時間を満喫できる癒しの場所を訪ねてきました。

久高島へのアクセスは?

あざまサンサンビーチの隣にある安座間港。島に渡る人は車を無料で駐車できる

久高島への交通手段は船。南城市のあざまサンサンビーチ隣にある安座間(あざま)港から高速船とフェリーが1日6便。 安座間港へは、那覇方面からだと車で40~50分程度。公共交通機関の場合は那覇バスターミナルからバスで1時間程度です。バスだと本数が少なくて1時間に1本程度、遅延する事もあるので、時間の余裕をもって動きたいところ。

冬の朝イチの便だと、太陽を背にした久高島に迫る感覚が味わえる

久高島への船旅は、高速船なら15分、フェリーだと25分です。1日に6便で交互に運行しています。 個人的には混雑する前。早起きして朝イチ8:00の便がおすすめです。 なお、久高島への船は車両を載せる以外には予約を受け付けていません。先着順です。混みあう時期は到着ギリギリだと乗れない可能性もあるので、ある程度ゆとりのあるスケジュールにしておいた方が良いと思います。

久高島・徳仁港

気をつけたいのが風による欠航です。特に北東寄りの風が強くなる冬場は、海が荒れやすく、しばしば船が欠航することも。 琉球国時代の王さまはサバニで渡ったそうですが、冬の海の荒れ方を見ると、やめたくなった気持ちもわかります。その日の運行状況はX(Twitter)で事前に確認できますので、渡航前に確認しておきましょう。

往復チケットと地図

久高島の高速船とフェリーでは料金が異なります。大人料金は往復で、高速船は1,480円、フェリーは1,280円です。高速船の方がちょっと高いですね。ここで気をつけたいのが、フェリー料金で購入した場合、高速船には差額料金を払えば乗船できますが、その逆だと払い戻しがありません。 行きと帰りの船の種類がバラバラになりそうなときは、それぞれ買う、もしくはフェリー往復で買って差額を払えばよいようにしておくのがおすすめです。

安座間港住所

〒901-0616 沖縄県南城市知念安座真1062

アクセス

バス「安座真サンサンビーチ入口」から徒歩5分

URL・SNS

久高島のめぐり方~日帰り旅行編

自転車を止めて休みたいガジュマルの木陰

久高島は1周8kmの小さな島。レンタカーはありませんが、島自体が大きくないので、日帰りでも十分に楽しめます。

久高島観光の足は自転車メイン

久高島は標高17.5mと、ほとんど平坦なので自転車で充分回れます。しかし、島内には緩やかな長い坂道(特にカベール岬からの戻り道!)もあり、型式古めの一般的な自転車だと脚がきつい場合も……

電動トゥクトゥク(3人乗り)の1時間レンタル は税込4,500円ほど

最近では電動自転車やトゥクトゥクなどのレンタルもはじまりました。時間と予算の都合が合えば検討したいところ。信号がないからとスピードを出すのは厳禁です。

普通の自転車だとややつらいカベール岬からの帰り道。昼には日陰がなくなり、白い一本道に

久高島の中は三叉路が多く、整備されていない細い道も多いので、私のような方向音痴の方は要注意です。 スマホのマップがないと詰みますのでフル充電+バッテリーで臨みましょう。島内には木陰がない場所も多いので、日焼け止め&帽子は必須です。

久高島の絶景を楽しむおすすめスポットは?

離島ならではの絶景やキレイな海景色を楽しみたい!日帰りでもおさえておきたい絶景スポットをご紹介します。

カベール岬

久高島の最東端にある岬。琉球開闢の祖アマミキヨが降臨した聖地と伝わっています。さらに「壬(みずのえ)の日」には神さまが白馬に乗って降臨し、島を巡るという伝説も… この日は波がとても高く、確かに神さまじゃないと泳げなさそう。

カベール岬から見る南城市のニライカナイ橋

岬の端に建つと、沖縄本島の南端から北端までぐるっと見渡せるスケール! まさに絶景の神視点です。逆に考えると、本島の東海岸側からは、太陽が久高島から昇るような光景が見られるわけで… まさに「神の島」と称される理由を実感できる場所だと思います。

朝・夕方は日影ができるが、昼間は木陰がない一本道になるので日焼け止めはマスト

岬までの一本道は、最初は緩やかに登りますが途中から下り坂に。 爽快なサイクリングが楽しめます。その分、帰りは昇り坂なので、行くなら体力のある最初のうちに行っておきたい場所です

イシキ浜

ニライカナイから、五穀(麦・粟・豆・アダカ・米)の種子の入った壺が漂着したという伝説の浜です。浜の入口には御嶽があり、細い道を抜けるとぱあっと砂浜が広がっています。遠浅の海の風景は見ているだけで癒されます。 つい海に入りたくなりますが、泳いではいけない場所なので注意。 日程によっては神事の場所ともなり、立入禁止になることも。事前に久高島のWEBサイトなどでチェックしておきましょう。

ロマンスロード

ロマンスロードのベンチから見る海が絶景

島の北西部にある、600メートルほどの舗装された遊歩道です。舗装されているので自転車がスムーズに走れるサイクリングロード。道沿いにベンチや東屋があり、のんびり休憩もできます。 ここから見る海も絶景ですが、遊泳は禁止。浜に降りるのではなく、遠くから眺めるようにしましょう。

ヤグルガー

ガー/カーとは、沖縄の言葉で「井戸」のこと。県内にはいろいろなガー/カーがあります。ヤグルガーは、イシキ浜で五穀の壺を拾う前に、天からの恵みを祈りながら沐浴したという伝説の場所です。 琉球国時代には、麦と粟の初穂祭の儀礼前に神女たちが禊をした場所と伝わっています。台風で破損したという箇所は現在は修復済み。階段の上から見る海の色がまさに絶景です。

久高島で歴史に親しむおすすめスポットは?

島の伝統が琉球の歴史と深く関わる久高島。祭祀の場所をめぐることで、島が大事にしているものの一端に触れることができるかもしれません。 ですが、島の全ては神さまのもの。立入禁止の場所には絶対に入らず、島のものは持ち帰らないようにしましょう。

フボー御嶽(クボウウタキ)

琉球七御嶽のひとつで、現代でも沖縄の最高の聖地です。 かつて岡本太郎が「何もないことの眩暈(めまい)」と表現した場所。社や鳥居などの目印などはありませんが「空間を敬う」という本質を久高の人たちは知っていたのでしょう。 久高島の神女の方も儀式の時以外は入らない神聖な場所です。入口から少し入った所に看板があり、そこから先は立入禁止となっています。 本来はこのような無粋なものは必要ないはずですが、やむを得ないのでしょう。

いくつも表示があることが、聖地の観光の難しさを思わせてくれます

とても神聖な雰囲気が漂っていて、ここだけ空気が違う感じがするのが不思議です。 「どうしても中が気になる」人は、南城市のYouTubeにて公開されているので気になる方は探してみてください。

久高殿・御殿庭(うどぅんみゃー)

かつて、久高島の始祖シラタルとその娘タルガナーが、島の繁栄を祈った場所と言われています。3つある建物は、右から拝殿と神アシャギ(神が降臨する場所)、そしてイラブー(ウミヘビ)の燻製所です。 建物の向こうは聖域として立入禁止となっています。

外間殿(ほかまどぅん)

外間殿は、久高殿と同様に、久高島の主要な年中祭祀の祭場になる場所です。外間家は琉球国の第ニ尚氏時代に神職として定められた家系。 久高殿と同様に、中心には首里城、斎場御嶽と同名の「大庫理」(ウプグイ、ウフグーイ)があり、アマミキヨをはじめ、さまざまな沖縄の神さまが祭られています。 こちらも奥は聖域で立入禁止です。

大里家(うぷらとぅ)

第一尚氏の最後の王、尚徳王(しょうとくおう)が久高島を訪れた際に、この家の神女(ノロ)である国笠(クニチャサ)と恋に落ち、共に過ごしたといわれる場所です。 一説には、尚徳王がここで過ごしている間に、首里で金丸によるクーデターが起こったともいわれています。

ガイドツアーで久高島を回ると何が良いの?

ガイドのおひとりである内間千賀子さん。この記事で紹介していない場所も巡っていただけました。

「久高島をどこから見たらいいかわからない」そんな方におすすめなのが、公認ガイドさんのガイドツアー。 久高島にルーツを持ち、実際に住んでいる方からガイドしてもらえます。 「この場所は一体どんないわれがあるのだろう」そんな疑問もその場で解消。一緒に見て回ることで「次はあそこに行ってみよう」など、新しい発見もできるので本当におすすめです。 ネタバレになるのでここには書いていないことも盛りだくさんでしたよ。私は1泊2日なのに2回もガイドに参加しちゃいました。

久高島ガイドツアー

所要時間:1時間~3時間(コースによって変わります) 料金・ご予約・お問い合わせ:久高島ガイド友の会(各ガイドに直接連絡のうえ予約します)

久高島に泊まった人しか見られない光景

久高島から本島に向かって夕日が沈む光景

日帰りでも十分楽しめる久高島ですが、個人的には宿泊するのがおすすめ。 それは、宿泊者だけが見られる光景があるからです。最終便が帰った後の島では、まるで自分のためだけに用意されたような光景を楽しめます。 まずは夕陽。おすすめスポットはビーチキャンプ場です。キャンパーの皆さんと本島方面に沈む夕陽をリアルタイムで観察しました。 なお、キャンプ場は事前予約要で1泊500円。トイレ・コインシャワーが完備されていて、目の前のメーギ浜で海水浴も楽しめます。

晴れた日の満天の星空。右側の写真では流れ星が2つも観測

この日は晴れていたので、誰もいないピザ浜で星空観察。街灯もない場所は、スマホのライトでは心もとないほどの闇が広がります。ランタンや懐中電灯などの明かりを持参しましょう。 この日は何もない日でしたが、流れ星を観測。流星群の日に泊まったらスゴイ光景が見られそうです。

まさに海の向こうのニライカナイから登る太陽という光景

そして朝日。昇る場所は季節によって変わりますが、この時はウパーマ浜で海からの日の出を見られました。

日が昇り切る前に、木立のすき間から朝日を感じながら、朝露を含んだ空気に触れてサイクリング。 誰もいない道をゆったりのんびりと。1日目に回った場所を今度はひとり占めできましたよ。

久高島おすすめの宿泊場所

今回、久高島で宿泊したのは「宿と朝食屋 おかめや」さん。 こちらのお宿では、宿泊者には24時間1000円でレンタサイクルを貸出してくれます。自転車をずっと借りているとレンタル代もかさむので嬉しいサービス。

お部屋は2つのベッドがあり、お風呂は共同シャワーです。港からは徒歩10分ほど。 シャンプーやボディーソープ、パジャマなどのアメニティはないので、持参してください。

手作りのツリーハウスにはなんとハンモックが!「ここでずっと揺られていたい……」当初の目的を忘れそうになるくらい快適です。

朝食は、天然酵母の焼き立てパンと、県産野菜たっぷりのスープのセット。オプションでお庭のハーブをその場で摘んだ薬草茶などもセットにできます。朝食は予約すれば宿泊者以外も食べられるので、お泊りの方はぜひ。

久高島のグルメ~お食事&待ち時間にホッと一息

自転車で回ることも多い久高島。集落の中でのランチや休憩にぴったりの場所をご紹介ます。

パーラー嘉例(かりー)

古民家を改装したパーラー。久高島産のシャキシャキレタスを大量に載せたタコライスや、近海で採れた魚をフライにしたフィッシュフライサンドがおすすめ。

どちらも食べたくて2回行きました(笑)

タコライスは優しい味のタコミートにしっかり炒めた甘いタマネギがマッチ。フィッシュフライも出来立てのアツアツサクサクがいただけます。 作り方の秘訣を聞いたら「普通に作っています」とのこと。 普通に作っていて美味しいのが素晴らしい。サーターアンダギーやぜんざい、沖縄そばも美味しいとのことなので、ランチタイムはぜひ。

お食事処とくじん

待合所のすぐ隣にある食堂。ランチタイムとディナータイムの営業。地元料理が楽しめて、久高島名物イラブー(ウミヘビ)汁などもあります。

こちらでいただいたのは、沖縄そば定食。薄味でカツオのだしがきいた沖縄そばは、1日中走り回った身に染みます…沖縄はマグロがすぐ近くで採れるので、冷凍せずにチルドで食べられることもあり付け合わせの刺身がとても美味しく、刺身定食にすればよかったかもと思いました。 昼食・夕食共に、ラストオーダーの時間に気を付けてくださいね

船待合所の絶品ぜんざい

本島サイドの安座間港と違って、久高島サイドの徳仁港には売店がありません。 その代わりの機能を果たしているのが、港から坂を登った場所にある「船待合所」です。ここでオーダーを受けてから作る絶品の沖縄ぜんざいが絶品でした。 フワフワの氷に、甘く煮た金時豆と紅芋のお餅。そして上からきな粉のトッピング。船の出航1時間くらい前に行くとのんびり食べられますよ。

久高島のお土産は何を買う?

せっかく久高島に渡ったし「お土産を買いたい!」と思った私。 島内だとお土産物が一番そろっているのは待合所です。しかし…売れすぎて在庫がないというまさかの状況に直面。

困っていると「イラブー(ウミヘビ)でも撮影しますか?」と扉を開けて直に撮影させてくれました。ありがたいです

久高島といえばウミヘビ(イラブー)。イラブーは琉球国時代は王族しか食べられないほどの最高級の食材でした。 薬膳としても優秀で、栄養たっぷり。滋養強壮にも優れている……とはいえ、この状態で食べるのはやや勇気が……と思っている私の前に「こちらいかがですか」と差し出されたのが。

そう、イラブーの粉です!本来はこれで2人前のスープを作るのですが、お味噌汁やスープにほんのひとさじ加えるスパイス的な使い方をしてみると、ぐっとコクが出ます。カレーなどに加えるのも良さそうです。 中にはウミヘビの加工の過程を描いたイラストが入っているのですが、あまりの手の込みように「これは最高級食材だわ」と改めて感心。久高島の海から作った塩も名物なので、一緒に買って帰りました。

南城市地域物産館の奥には「久高島コーナー」とでもいうべき場があります

久高島のお土産は安座間港の売店と、斎場御嶽のチケット売り場がある南城市地域物産館でも購入可能です。 船の時間が気になる方はこちらでゆっくり見るのもおすすめ。

これからも久高島の環境を守るために

久高島では、島の文化と環境を守るために入島に際しての協力金(300円)をはじめています。協力金は現金以外にも各種アプリに対応。 次回もキレイな久高島に訪問させてもらうために協力してきました。

ガイドさんに連れて行っていただいた秘密の場所

今回は、お泊りで30時間ほど久高島に滞在したので、すっかり心身ともに浄化されたような気分になれました。 素朴で力強い空気に満ち溢れ、何にもないようで何もかもがある島、それが久高島なのだと思います。 記事を書き終える頃にはまた行きたくなっているのが不思議で、また近いうちに訪問できたらと思います。 ▼参考サイトなど ・久高島公式サイト「久高のシマ時間」 ・久高島ガイドツアー申し込みのご案内 ・【公式】久高島定期船(本日の運行・料金・時刻表) ・X(Twitter)久高海運 久高島フェリー 本日の運航状況 ・久高島来島者向け公式マップ

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