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猫が『飼い主に依存』しているときのサイン3選 放っておくのは危険?改善策も解説

ねこちゃんホンポ

猫の「飼い主依存」とは?甘えとの違い

一見、猫の甘えと依存はよく似ていて、どこからどこまでが単なる甘えなのかわからなくなりますが、実はこれらの境界線は明確です。

甘え行動の場合は、飼い主がいることを安心材料のひとつにしつつも、猫が家の中で自立して行動している状態を指します。たとえば、食事前にはベタベタついてきても食べ終わったらあっさりと自分の寝床に戻ってしまうようなケースです。

一方で、精神的に不健全な依存は、生活の大部分を飼い主中心で過ごすような状態です。飼い主に依存している猫は、根本的に強い不安やストレスを抱えていて、飼い主が離れることで鳴き続けたり、食欲不振やトイレ粗相など問題行動も出てきます。

また、最初は単なる甘えだったのに、いつの間にか完全な依存に移行してしまうケースもあり、飼い主にとっても心理的・生活的負担が大きくなります。

飼い主への依存が強い猫の行動サイン3選

飼い主がいないと極端に不安がったり、生活の多くを飼い主中心で過ごす場合は、依存の可能性があります。

ここでは、猫が飼い主に依存しているときに見られる代表的なサインを、行動や心理の面から具体的に挙げていきます。

1.常に飼い主のそばにいる

飼い主が視界から消えると、猫の行動に落ち着きがなくなり、一日の大半を飼い主中心で過ごすようだと依存の傾向があります。日中、仕事などで不在になる飼い主には気づきにくいサインです。

通常の猫は、飼い主が在宅していても一定時間はひとりで過ごせますが、依存傾向のある猫は、常に飼い主の視界に入ることや同じ空間にいることを選びます。

ずっと足に絡みついてくる、飼い主の食事中も隣にいる、トイレやお風呂は出待ちをするなど、大声で鳴くことがなくても物理的に密着を求めすぎている場合は気を付けたほうが良いかもしれません。

2.留守番時にストレス行動を示す

飼い主が出かけている間、玄関ドア付近でずっと過ごして待っていたり、鳴きながら部屋をウロつくことがあります。これは分離不安症が疑われる場合に見られる行動です。玄関前で待っている行動は、外出している飼い主には確認できないため、見逃しやすいかもしれません。

トイレ以外での粗相や食欲不振、過剰グルーミングが見られる場合は、分離不安の可能性があります。健全な猫は留守番中に寂しくても、自己解決が可能なことが多いので行動に大きな支障は出ないことが一般的です。

3.日常的な生活行動を依存する

飼い主依存の猫は、日常的な生活行動も飼い主の注目を求めることがあります。寝るときはもちろん、食事やトイレ、遊びなどです。

健康的な猫であれば、食事の要求で鳴くことはあっても、食べているときはひとりで食べ、トイレでの排泄もひとりでできます。

しかし、依存傾向のある猫は、食事を出しても飼い主が一緒にいて見ていないと食べない、トイレに行くときも鳴いて呼ぶ、飼い主が来ないとガマンしたり粗相したりするという甘えを超えた問題が起きてきます。

猫の飼い主依存を改善する方法

飼い主への依存を改善するには「分離練習」が有効です。この方法は軽度の依存傾向がある猫に適しています。依存を軽減するために、猫がひとりで楽しめる環境を少しずつ整えていくようにします。

具体的には、おもちゃなどで遊ばせている間に、一時的に飼い主だけが部屋から出て猫を隔離します。猫が鳴く前に、数秒〜数十秒程度でドアを開けて「ここにいるよ」と存在を示します。ただし、部屋には入らないようにしてください。すぐに部屋に戻ると、猫が飼い主の帰りに依存する可能性があるためです。

もし、猫が鳴いてしまった場合は、鳴き止むのを待ってから戻るようにしてください。これにより「鳴けば飼い主が来る」という学習を避けることができます。

この練習は毎日少しずつ行い、猫の様子を見ながら数週間から数ヶ月程度は続けてみてください。猫の性格や依存度によって必要な期間は違ってきますので、焦らず猫のペースに合わせることが重要です。

飼い主が不在ということに気づきにくいよう、知育おもちゃなどの集中できるものを使用することも効果的かもしれません。

なお、すでに分離不安症の問題行動が見られる場合や、練習をしてもあまり改善が見られない場合は、獣医師や動物行動の専門家に相談しましょう。

まとめ

猫が依存的になる要因には、早すぎる離乳、母猫・兄弟からの突然の分離など急激な環境変化があります。また、飼い主の過保護も自立心を欠如させる一因になることもあります。

甘えん坊がかわいいからとそのままにしておくと、猫がストレスを抱えることになります。依存傾向は、早めに対応することで少しずつ改善が可能です。

今回、紹介したサインに気づいたときから少しずつ対策しましょう。

また、分離練習をしても改善が見られない場合は、専門家の力を借りることも検討してください。依存症は身体の病気と異なり、すぐに命に別条があるわけではないのですが、猫にとっては強いストレスになっています。愛猫の心の健康を守りながら、猫が安心して自立できる環境を作っていきましょう。


(獣医師監修:葛野莉奈)

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