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新橋駅のおすすめ待ち合わせ場所9スポット~鉄道の歴史とキャラクターの交わる駅~

さんたつ

machiawase8新橋駅

「待ち合わせ」、それは情緒あふれる響きである。ところがスマホが浸透した現在、ひとは特に「待ち合わせ」をしなくても、なんとなく会えるようになってしまった。それでも駅に行けば、今日も多くの人たちが、誰かを待っている。皆はなぜ駅で待ち合わせるのだろう、そして駅のどこを目印にすれば相手に会えるのだろう。「サラリーマンの街」「日本の鉄道発祥の地」などともいわれる新橋駅で、おすすめ待ち合わせスポットを探っていきたい。

狸広【新橋駅前ビル1号館入り口(JR汐留口)】

「新橋」と聞くと、どうしても「サラリーマンの街」というイメージが真っ先に頭に浮かぶ。オフィス街であると同時に、手ごろな飲食店が多くあるからだろう。またJR・東京メトロ銀座線・都営浅草線・ゆりかもめと複数の路線が乗り入れているのも、「居酒屋で同僚と一杯やって帰宅」というサラリーマンにはうってつけである。そんな新橋駅には、どんな待ち合わせ場所があるのだろうか。

「サラリーマンの街」というイメージとは裏腹に、新橋にはかわいらしいキャラクターがあちこちにいる。たとえばJR汐留口の向かいにある新橋駅前ビル1号館の入り口には、巨大な狸が立っている。

巨大な狸広はひときわ目立つ。台座に腰かける人なども見られ、皆の心のよりどころとなっている。

「開運狸」と名づけられたこの巨大狸、かつて新橋駅前にあった「狸小路」にちなんで建立されたとのことで、「狸広(たぬこう)」とも呼ばれている。狸広は、クリスマスが近くなると巨大なサンタ帽をかぶることでも知られており、目立つ待ち合わせ場所としても利用できそうだ。

クリスマスに巨大サンタ帽をかぶる狸広。

コインロッカー【JR駅改札内・外】

JR汐留口から銀座口にかけての壁面には、多くのコインロッカーが設置されているが、それぞれにかわいらしい昆虫のイラストがあしらわれている。

汐留口側にはチョウチョのデザインのロッカーが。
銀座口側にはテントウムシ柄。
料金支払い口のところにはかわいらしい案内が。「カタツムリさん」と、さん付けなのがとても良い。

この出口はゆりかもめへの乗り換え口にも近く、「トンボのロッカー前で待ち合わせね」というような約束は、お台場などに遊びに行く家族連れにも喜ばれそうだ。

ライオン像/乙女と盲導犬の像【JR日比谷口】

一方、JR日比谷口を出ると、後にも触れる「SL広場」がある。もちろんSLも待ち合わせ場所にはうってつけなのだが、この広場には小ぶりのライオン像や、乙女と盲導犬の像などの銅像もあり、それぞれに目印となる。

中型犬くらいの大きさのかわいらしいライオン。募金箱も併設されている。
可憐な乙女と盲導犬の像は、盲導犬の普及にも役立っている。

これらの像は社会奉仕活動を行うライオンズクラブにより設置されており、待ち合わせをしながらそうした活動に思いを馳せるのもいいだろう。

駅案内ロボットコンシェルジュ「ARISA」【浅草線改札口横】

この新橋駅に2024年3月、新たなキャラクターが設置された。都営浅草線改札口横に導入された、駅案内ロボットコンシェルジュ「ARISA(アリサ)」である。

近未来を感じさせるARISA。わからないことをいろいろ教えてくれて頼もしい。

AIが搭載されたARISAは、駅構内や乗り換え、観光案内などのほか、記念撮影などにも応じてくれる。待ち合わせの際に利用するのもいい。

鉄道唱歌の碑・D51機関車の動輪【JR汐留口】

ところで新橋駅にはもう一つ、大きな特徴がある。それが「日本の鉄道発祥の地」ということだ。明治5年(1872)、新橋-横浜間に日本で初めて鉄道が走った。当時の新橋駅は現在汐留の再開発エリアになっており、現在の新橋駅はかつて烏森駅だった駅を改称した2代目ではあるのだが、それでも「日本初の鉄道」という要素は新橋駅周辺のあちらこちらに存在している。

JR汐留口を出たところには、「鉄道唱歌の碑」が設置されている。

鉄道唱歌の碑。よく見ると上部に小さな機関車があしらわれている。

「汽笛一聲新橋を~」の歌い出しで知られる「鉄道唱歌」の作詞家、大和田建樹生誕100年を記念して、1957年に建立されたものである。隣に設置された「D51機関車の動輪」が大変目立つため、待ち合わせ場所にも適している。鉄道の歴史を振り返りながら待ち合わせることができる。

鉄道唱歌の碑の隣にあるD51の動輪。大きいのでよく目立つ。

くじゃく窓【JR駅構内】

ちなみにJR駅構内にも「汽笛一聲」碑があるのだが、地上2番ホームと3番ホームとの間に設置されているため、待ち合わせ場所とするのは難しそうだ。

2番線と3番線ホームの間に見える「汽笛一聲」新橋地下駅開業記念の碑。どちらのホームからも同じデザインに見えるようになっている。

この「汽笛一聲」碑は、1976年に新橋駅地下駅が開業したことを記念して設置されたものである。この地下駅開業を記念するものとしては、他にも地下ホームへ向かう階段に設置された巨大ステンドグラス「くじゃく窓」などがあり、構内で待ち合わせする際の目印にしてもいいだろう。

地下ホームに向かう階段正面に設置された「くじゃく窓」。日本画家・吉岡堅二の原画で、羽を広げたクジャクの両脇に機関車や明治の人々があしらわれている。

明治41年製造の柱【JR北改札】

かつての烏森駅を彷彿とさせるモニュメントもある。JR北改札を出たすぐのところに、味のある柱が立っている。

北改札を出てすぐのところにあるので、みんな歴史ある柱とは気づかずに待ち合わせ場所にしている。

説明板によれば、この柱は烏森駅の開業当初から93年間ホーム階段を支えてきた「明治41年製造の柱」であり、2002年のエスカレーター新設に伴い取り外されたものを、2022年にこの場所に設置したのだそうだ。床には新橋停車場があった方向を示す軸線が引かれており、新橋駅周辺の歴史を示すものとなっている。改札に近いことから多くの人が待ち合わせに利用しており、新たな待ち合わせスポットとなっている。

SL広場【JR日比谷口】

そして、新橋駅と言えばのSLである。

新橋を象徴するSL。先頭部にあった女性像「愛の像」は、高輪築堤の設置工事に伴い、近くの桜田公園に移設された。

日比谷口に面した新橋駅西口広場、通称「SL広場」の奥に、昭和20年代に運行していたC-11蒸気機関車や信号機が設置されている。鉄道開業100周年を記念して1972年に設置されたもので、やはり新橋での待ち合わせ場所といえばここ、と思う人も多いことだろう。2023年には鉄道開業150年に関連した事業として、SLの土台に鉄道開業当時の「高輪築堤」の石垣を再現するリニューアルが行われた。今後もきっと多くの人の待ち合わせ場所として利用されていくことだろう。待ち合わせのついでに、鉄道の歴史にも思いを巡らせてみたい。

イラスト・文・撮影=オギリマサホ

オギリマサホ
イラストレータ―
1976年東京生まれ。シュールな人物画を中心に雑誌や書籍で活動する。趣味は特に目的を定めない街歩き。著書に『半径3メートルの倫理』(産業編集センター)、『斜め下からカープ論』(文春文庫)。

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