境内や参道に熊手や食べ物の露店がズラリ!「十日市」が大宮の武蔵一宮氷川神社で12月10日に開催
埼玉県さいたま市の武蔵一宮氷川神社では、「十日市(とおかまち)」が2025年12月10日(水)に開催。当日は参道から境内にかけて約300の露店がズラリと並んで、夜遅くまで多くの人でにぎわう。大宮が活気づく師走の風物詩に出かけよう。
いつの時代も大宮っ子たちのお楽しみ
約2㎞にわたって南北にまっすぐ延びる、日本一長い参道があることとして知られる武蔵一宮氷川神社。社伝によると、今からおよそ二千有余年前の第5代孝昭天皇の時代に創建された関東屈指の古社だ。約1200年前の聖武天皇の時代には、武蔵の国で最も格式の高い「武蔵一宮」とされ、その後も朝廷からの厚い崇敬を受けた。大宮という地名は、古くから人々が武蔵国一宮である氷川神社を「大いなる宮居(みやい)」と崇(あが)めたことに由来するといわれている。
そんな由緒ある武蔵一宮氷川神社で、江戸時代から続く神事「大湯祭(だいとうさい)」の本祭に合わせて毎年12月10日に行われるのが「十日市」だ。商売繁盛や家内安全を願って縁起物の飾り熊手を売る市が境内に約40店並ぶほか、二の鳥居から境内にかけて食べ物の露店も数多く出る。「昔は十日市の日には小学校の授業が半日で終わって、午後は友達と、そして夜は親と一緒に出かけたものです」と懐かしむのはさいたま観光国際協会の大月さん。大宮っ子にとっては年に一度の楽しみだったという。
活気に満ちた師走の雰囲気が楽しめる
熊手市は東京都内では“酉の市”として11月の酉の日に各所で行われるが、埼玉県内では12月に開催される。「12月3日の秩父神社に始まり、6日は行田の愛宕神社、10日は大宮の氷川神社、12日は浦和の調(つき)神社、15日は川口のおかめ市、17日は蕨の和樂備(わらび)神社と南下していくのが特徴です」と大月さん。境内に並ぶ熊手はひとつひとつ形や飾りが異なるので、見て回るだけでも楽しい。商談成立の暁には、熊手商による威勢のいい掛け声と手締めがあちこちで鳴り響き、周囲は活気にあふれる。
「境内で色とりどりの熊手を見ながら参拝して、参道の露店で食べ歩きを楽しむのがおすすめのコース。氷川参道は雰囲気もいいので、ぜひお越しください」と大月さん。神社ではこの日限りの福熊手や御札も頒布されるので、師走独特の雰囲気を味わいながら参拝してみては。
開催概要
「十日市」
開催期間:2025年12月10日(水)
開催時間:10:00~22:00
会場:武蔵一宮氷川神社境内(埼玉県さいたま市大宮区高鼻町1-407)と参道周辺
アクセス:JR・私鉄大宮駅から徒歩20分
【問い合わせ先】
さいたま観光国際協会☎048-647-8339(平日9:00~17:45、土・日・祝休)
URL:https://visitsaitamacity.jp/events/32
取材・文=香取麻衣子 写真=さいたま観光国際協会
香取麻衣子
ライター
1980年生まれ。『散歩の達人』編集部でのアルバイト経験を経て、2010年からライターとしての活動を開始。あだ名はかとりーぬ。『散歩の達人』では祭り&イベントのページを長らく担当。青春18きっぷ旅や山歩きなどのんびりと気ままにお出かけするのが好き。あとビールや美術館めぐりも大好物。