Yahoo! JAPAN

2024年 求人ボックス 求人検索トレンドランキング発表!~「軽作業・倉庫作業」「配送・配達」が急上昇!産業回復や物価上昇による就業状況の変化が明らかに~

求人ボックスジャーナル

2024年 求人ボックス 求人検索トレンドランキング発表!~「軽作業・倉庫作業」「配送・配達」が急上昇!産業回復や物価上昇による就業状況の変化が明らかに~ 【求人ボックスジャーナル】はたらき方やキャリアを考える機会を創出するメディア

2024年の求人ボックスにおける求人検索キーワードランキングを発表します。
本ランキングで紹介する「急上昇検索キーワードランキング」は、検索回数が2023年と比べて急上昇したキーワード(※1)です。中でも、2024年を象徴するような特徴的なキーワードを「番外編」、仕事の種類にまつわるキーワードを「職種編」、店舗や施設の名称系のキーワードを「施設・団体編」としてそれぞれランキング形式で発表します。
求職者の検索行動は、外的要因やトレンドに多少なりとも左右される傾向があります。今回は、検索キーワードから2023年と比較した2024年の求職者のニーズの変化を考察していきます。
さらに、年間を通して多く検索されたキーワードを「人気検索キーワードランキング」として10位まで紹介します。どんなキーワードが人気なのか、仕事探しの参考にぜひご覧ください。

本ニュースのサマリー 2024年 急上昇検索キーワードランキング 注目職種編は「清掃スタッフ」「ラウンダー」「トラック運転手」 2024年急上昇したキーワード番外編は「75歳以上 パート」「単発1日」「障がい者雇用」 施設・団体編は「2025 万博」「TSMC」「タイミー」が急上昇 2024年 人気検索キーワードランキング 【総評】

2024年急上昇検索キーワードランキング

求人ボックスにて、検索数が大きく伸びたキーワードランキングは以下の通りです。

集計・算出方法:「求人ボックス」利用ユーザーが、「求人ボックス」上で仕事探しを行う際に入力した検索キーワードをもとに算出。増加率は前年同時期との比較。

急上昇検索キーワード第1位「軽作業・倉庫作業」
「軽作業・倉庫作業」の検索数が2023年と比べて大幅に増加し、1位にランクインしました。その背景には、2023年以降、物価上昇による家計負担の増加から、収入を補うために働く主婦やシニア層が増え、育児や介護の合間に短時間で働ける仕事を求める人が増加していることにあります。中でも、未経験でも始めやすく、比較的柔軟な働き方が可能な「軽作業・倉庫作業」が注目されました。また、EC市場の成長による物流需要の拡大も追い風となり、企業側からの求人件数が増加したことが検索数の増加につながったと考えられます。
「軽作業・倉庫作業」に関する仕事を求人ボックスで見る

第2位「配送・配達」
物販のEC化と消費者ニーズの多様化に伴い、小口配送や多頻度配送が増加しています。また、 EC化拡大による物流需要の急増と人材不足の深刻化、そして2024年4月からのドライバーの残業時間・拘束時間規制の適用で人手不足が顕著となり、未経験者でも参入しやすい職種として注目を集めました。さらに、企業が人材確保のために賃金や働きやすい環境を整備していることも、求人検索数増加の一因と考えられます。
「配送・配達」に関する仕事を求人ボックスで見る

第3位「接客販売」
昨年の急上昇ランキングでは9位だった「接客販売」が大きく順位を上げました。2023年5月の新型コロナウイルス感染症の5類移行を機に、飲食業や観光業が正常化し、特にインバウンド需要の増加が接客業全般の求人検索が増加しました。また、物価高で副業やパートを希望する求職者が増え、接客販売が未経験でも始めやすい職種としても注目を集めました。
「接客販売」に関する仕事を求人ボックスで見る

注目職種編は「清掃スタッフ」「ラウンダー」「トラック運転手」

急上昇検索キーワードランキングTOP10のうち、職種に関するキーワードをピックアップしてご紹介します。

「清掃スタッフ」
観光業の発展やホテル業界の成長に加え、日本国内における建築物の高層化や大型化の進展から、清掃スタッフのニーズが増加しています。コロナが5類移行して以降、観光業が復活し、多くの宿泊施設が新たにオープン。これに伴い客室清掃のニーズが拡大しています。さらに、建築物衛生法の適用対象となる大型の建物、「特定建築物」が増加していることで、商業施設やオフィスビルなど、清掃スタッフが必要とされる建物全般の需要が高まっています。資格や経験が不要な就業可能なこと、短時間勤務可能な求人も多いことから、シニア層や主婦層からの人気を集めました。

求人ボックスに掲載された、「清掃」の30日以内の平均求人数は1,419,445件、平均時給は1,069円でした。(2024年11月掲載時点、以下同様)

「清掃スタッフ」に関する仕事を求人ボックスで見る

「ラウンダー」
ラウンダーは、自宅から直行直帰が基本で時間の自由度が高く、短時間勤務や扶養内での働き方が可能です。未経験者でも始めやすいことや、自家用車手当などのメリットもあり、家事や育児との両立が求められる層に支持され、検索回数が急増しました。パートよりも高時給であることや、成功報酬による収入アップの可能性があること、自家用車を使用する場合は手当がもらえる求人も多いことが人気の理由となっています。

求人ボックスに掲載された、「ラウンダー」の30日以内の平均求人数は58,311件、平均月給は30.0万円でした。

「ラウンダー」に関する仕事を求人ボックスで見る

「トラック運転手」
2024年4月の労働時間規制改正により、運送業の年間労働時間の上限が短縮され、過重労働の改善が進みました。また、未経験者や女性ドライバーを歓迎する企業が増え、勤務時間の柔軟性を高める取り組みも進んでいます。この職種は資格があれば転職が容易なうえ、有効求人倍率が2.62と売り手市場で、より良い条件を求めて転職を考える人が多い状況です。働きやすさの向上と求職者にとって魅力的な条件の増加が「トラック運転手」の検索増加につながったと考えられます。

求人ボックスに掲載された、「トラック運転手」の30日以内の平均求人数は88,537件、平均月給は35.4万円でした。

「トラック運転手」に関する仕事を求人ボックスで見る

2024年急上昇したキーワード番外編は「75歳以上 パート」「単発1日」「障がい者雇用」

急上昇検索キーワードランキングには入らなかったかったものの、ほかにも2024年を象徴するキーワードが検索されました。2023年と比較して検索数が伸びたキーワードの中から一部をピックアップし、その需要について、「求人ボックス」に掲載された求人数推移と平均年収を調査しました。(※3)

「75歳以上 パート」
2024年に「75歳以上 パート」の検索回数が急増した背景には、物価上昇で年金だけでは生活費が賄えない事情に加え、高齢者人口と就業率の上昇が挙げられます。総務省が公開している「統計からみた我が国の高齢者」によると、65歳以上人口は3625万人で総人口の29.3%を占め、75歳以上も増加しています。65歳以上の就業者数は20年連続で増加し914万人、就業率や高齢者の雇用者割合も過去最高を記録しています。また、日本は主要国中でも高齢者就業率が高く、非正規雇用の割合も上昇傾向にあるため、柔軟に働けるパート職が注目されています。企業側も人手不足の中で高齢者の雇用を積極化し、年齢に関係なく働ける環境整備が進んでいることが、75歳以上のパート需要を後押ししていると考えられます。

求人ボックスに掲載された、「75歳以上 パート」の30日以内の平均求人数は66,673件、平均時給は1,145円でした。

「75歳以上 パート」に関する仕事を求人ボックスで見る

「単発1日 バイト」
スポットワーク市場の急成長と働き方の多様化から、「単発1日 バイト」の検索回数も増加しました。スポットワークは短期間で柔軟に働けることが特徴で、仲介サービス市場は2021年度から2023年度にかけて年平均30%成長を遂げています。デジタルプラットフォームを活用した簡便な就労手続きや、副業解禁による働き手の増加から利用が拡大しており、手軽に収入を得る手段として注目されています。単発バイトの浸透のほか、企業が繁忙期や人材不足を補うために単発求人を拡大したことや、メルカリの「メルカリ ハロ」など新サービスの影響も検索数増加に寄与したと考えられます。

求人ボックスに掲載された、「単発バイト」の30日以内の平均求人数は360,420件、平均時給は1,300円でした。

「単発1日 バイト」に関する仕事を求人ボックスで見る

「障がい者雇用」
令和6年4月に障害者雇用促進法改正による施行があり、障害者法定雇用率が2.3%から2.5%に引き上げられるほか、対象事業主が従業員43.5人以上から40人以上の企業に拡大されたこと、また、短時間労働(10~20時間未満)の障がい者も雇用率算定にカウントされるようになり、特に長時間勤務が困難な障がい者の雇用促進が進み、企業の障がい者雇用が活発化しています。厚生労働省が公表した「令和5年 障害者雇用状況の集計結果」によると、2023年度の雇用者数および実雇用率が過去最高を記録しており、雇用促進の流れが強まっています。加えて、障害者雇用調整金や報奨金の支給方法が見直されるなど、企業が取り組む動機づけとなる政策も整備されています。これらの変化に伴い、「障がい者雇用」の関心が急速に高まったと考えられます。

求人ボックスに掲載された、「障がい者雇用」の30日以内の平均求人数は342,713件、平均月給は25.7万円でした。

「障がい者雇用」に関する仕事を求人ボックスで見る

施設・団体編は「2025 万博」「TSMC」「タイミー」が急上昇

急上昇検索キーワードランキングには入らなかったかったものの、2022年と比較して検索数が伸びたキーワードの中から、店舗や施設の名称系のキーワードをピックアップしてご紹介します。

「2025 万博」
2024年は大阪・関西万博の準備が本格化し、会場運営スタッフのアルバイト募集がスタート。その募集時給が1,850円と関西平均を大きく上回る高給で注目を集めました。また、今後各パビリオンでもスタッフ募集が行われる予定であり、求人に関する関心が高まっています。2025年4月の開催まで、万博の求人情報を求める検索は増加すると考えられます。
「2025 万博」に関する仕事を求人ボックスで見る

「TSMC」
2024年2月、熊本県菊陽町に半導体受託製造大手のTSMC(台湾積体電路製造)の日本法人JASMの熊本工場が開所。新工場周辺ではアパートやマンションの建設が進み、中でもTSMC工場の食堂スタッフの時給は3,000円を超えるといった報道もあり、注目が集まりました。現地では第2工場の建設も予定しており、さらなる雇用創出が期待されています。
「TSMC」に関する仕事を求人ボックスで見る

「タイミー」
単発アルバイトの仲介アプリを手掛けるタイミーが、2024年7月、東京証券取引所グロース市場に上場。働きたい時間と働いて欲しい時間をマッチングする手軽さが評判を呼び、認知度も2023年よりも上昇したことで検索回数が急増加したと考えられます。
「タイミー」に関する仕事を求人ボックスで見る

2024年 人気検索キーワードランキング

求人ボックスにおける、検索回数が多かったキーワードランキングは以下の通りです。

集計・算出方法:「求人ボックス」利用ユーザーが、「求人ボックス」上で仕事探しを行う際に入力した検索キーワードをもとに算出。

検索数1位は「パート 主婦」
2023年に引き続き、今年も「パート 主婦」が最も検索されました。物価上昇に伴い、就業を希望するトレンドは今年も続いています。世帯収入の確保を目指しつつ、家事・育児・介護との両立を図るため、パートを選ぶ人が多いのが現状です。また「平日のみ」や「短時間」など、ワーワークライフバランスを重視した条件での検索も多く見られました。
「パート 主婦」に関する仕事を求人ボックスで見る

2位は「内職」
2023年では7位だった「内職」が、今年大きく順位を上げました。物価上昇の影響により、収入を増やしたいと考える人が増加したことが背景にあると考えられます。厚生労働省の「令和5年度家内労働等実態調査」によれば、内職の平均工賃収入は月約3万7,641円で、週4日程度・1日5時間ほどの就業が主流とされています。家内労働者全体の平均年齢は60.1 歳、「女性」が88.3%を占めていることから、女性シニア層が、「内職」を家計の補助手段として注目したことで、検索の増加につながったと考えられます。
「内職」に関する仕事を求人ボックスで見る

3位は「在宅ワーク」
子育てや家族のケアなどに対応するため、フレキシブルかつ自分のペースで働ける在宅ワークの需要が高まっています。さらに、少子高齢化による労働人口減少への対応策として、政府が副業を解禁し、誰もが副業や兼業に取り組める環境を推進していることも影響しています。コロナ禍で普及したテレワークやライフワークバランスの意識向上により、フリーランスや副業という働き方が広がりました。2024年11月には、フリーランスが安心して働ける取引環境を整備することを目的とした「フリーランス保護新法」が施行され、今後も在宅ワークへの注目が高まると考えられます。
「在宅ワーク」に関する仕事を求人ボックスで見る

総評

2024年に最も検索されたキーワードは「パート 主婦」で、毎年定番の人気キーワードとなっています。総務省が公表した「2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)10月分」によれば、総合指数は2020年を100として109.5、前年同月比では2.3%の上昇となっています。一方で、日本銀行「生活意識に関するアンケート調査」によると、94.7%の人が物価上昇を実感しており、1年前に比べた物価変化率の平均は+14.5%となっています。つまり、消費者は実際の物価上昇率以上に値上げを強く感じていることがわかります。
夏に起きた「令和のコメ不足」では米の価格が大幅に上昇し、2024年8月の「米類」は前年同月比+28.3%まで達し、特に家計に大きな影響を与えました。
こうした状況の中で、ランキング2位に「内職」、3位に「在宅ワーク」がランクインしました。主婦層やシニア層を中心に、時間の融通が利く条件での仕事探し需要が一層高まった年となりました。

2025年(令和7年)には、働く人々に関する改正法や新法の施行が予定されています。
・ 「育児介護休業法」改正(2025年4月施行) :残業免除の対象が3歳未満から小学校就学までに拡大されるほか、子の看護休暇が学校行事参加などにも利用可能になることで、子育て世代の働きやすさが向上すると期待されています。
・ 「高年齢者雇用安定法」の経過措置終了(2025年3月31日) :2025年4月1日以降、企業は65歳までの継続雇用を希望する人全員を雇用する義務を負うため、シニア層の労働市場参加が進む見込みです。
・ 「建設業法等改正」(2025年度中施行予定) :労働者の処遇改善や、資材価格高騰時の請負代金への反映が容易になる仕組みが導入され、職人の賃上げや労働環境の改善が期待されています。
また、年金制度改革により、第3号被保険者の「年収の壁」に変更が生じる可能性があります。扶養内で働く主婦や学生にとっては、働き方の調整が必要となるかもしれません。

「2024年 求人検索キーワードランキング」概要

■集計期間:2024年1月1日~2024年11月10日
(※1)急上昇検索キーワードランキングは、前年同時期との比較
■集計対象:求人ボックスの利用者(スマートフォン・PCサイト、モバイルアプリの合計)
■集計方法:
<急上昇検索キーワードランキング>
以下の観点から検索キーワードを選出しています。
・【検索上昇率】2024年に「求人ボックス」内で検索されたキーワードを前年同時期と比較し、どれだけ検索が伸びたか。
・【象徴性】2024年において、象徴的だったといえるか、話題となったといえるか。
<人気検索キーワードランキング>
2024年に「求人ボックス」内で検索されたキーワードの中で検索数の上位をランキング化しました。
(※2)包含関係にある複数キーワードはより具体的なものを、同義語はより一般的なものをそれぞれ採用しています。
(※3)求人数推移は、2023年9月から2024年10月に「求人ボックス」に掲載された求人数。平均年収は、2024年11月に求人ボックス上で掲載されていた求人情報から算出(統計上正確には中央値)。

出典元
ランキングデータ:Adobe Analytics

【関連記事】

おすすめの記事