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山菜小鉢にお米。古民家で味わう南魚沼の恵み「和dining隠居」。

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山菜小鉢にお米。古民家で味わう南魚沼の恵み「和dining隠居」。

南魚沼市の門前地区にある和食店「和dining隠居」。地元の「桜井建設」さんが運営しているお店です。昭和50年にできた築50年の邸宅が、昨年、新たな飲食店として生まれ変わりました。今回は女将の水上さんと櫻井社長に、お店がオープンするまでのことや地元の皆さんとのつながりについて、いろいろと聞いてきました。

和dining隠居

水上 麻衣子 Maiko Mizukami

1984年魚沼市生まれ。調理師の学校を卒業後、東京で飲食関係の仕事に就く。その後は別業界で働き、数年前に「桜井建設株式会社」へ入社。「和dining隠居」のオープン時からお店を盛り上げる女将さん。

和dining隠居

櫻井 祐一朗 Yuichiro Sakurai

1975年南魚沼市生まれ。新潟市の建設会社で経験を積んだ後に、家業の「桜井建設株式会社」へ入る。2019年に代表取締役に就任。2024年「和dining隠居」をオープン。採用難が続く建設業だが「桜井建設」は若手が多く、社長がいちばんのベテランなのだそう。

50年活躍した邸宅の、新しい道。

――水上さんはもともと「和dining隠居」を運営している桜井建設さんで働いていたそうですね。

水上さん:産休中の事務員さんの代わりとして桜井建設に入りました。事務員さんが戻ってこられるというので、私はもうお役御免のはずだったんです。でもその後も「和dining隠居」のスタッフとして働かせてもらっています。最初はしばらくぶりの飲食業だったので「私にできるかな」と少し心配でした。

櫻井さん:水上さんは、愛嬌があって、笑顔がとても似合うので、接客業にピッタリな方だと思っていたんです。ちょうどその頃、この建物をどうしようかと迷っていまして。

――とても立派な建物ですよね。周りの石垣もあまりに見事で、思わず「すごい」と声が出ました。

櫻井さん:十日町の松之山から移築し、昭和50年に完成した建物です。長らく私たち家族の住まいとして使っていたんですが、ここ数年は空き家だったんです。でも、この建物にはまだまだ活躍してもらいたくて「和dining隠居」をはじめることにしました。水上さんという心強いスタッフにも恵まれましたしね。

――水上さん、こちらの建物をはじめて見たときの印象は?

水上さん:それはもう、驚きました。「なんじゃこりゃ、旅館みたい」って(笑)

櫻井さん:2階も合わせると14部屋ある昔ながらの建物で、思い出がたくさん詰まった大事な場所ではあるんですが、あまりに広すぎて。現在の建物と比べると、断熱などの機能面も違いますし、掃除も大変でして。でもやっぱり、この家にできることはまだあったんですね。

――そういうご事情でしたか。

櫻井さん:お店にぴったりな建物がある、水上さんも力を貸してくれる。それ以外にも、この地域の皆さんが後押ししてくれたことが大きいです。店舗の奥は、以前まで段々畑だったんです。そこを整地して、一面菜の花畑が広がるように地域の皆さんが中心となって動いてくださいました。「ぜひ、新しい商売をはじめてくれ」と期待を込められたと思っています。

訪れる人を魅了する、建物と人のあたたかさ。

――この邸宅が飲食店として再出発することについて、ご家族や社員の皆さんはどんな反応をされたんですか?

櫻井さん:「また何か妙なことをはじめたぞ」って呆れていたかもしれません(笑)。遠方から観光で来られる方向けのお店になったらいいなと思っていたんですけど、予想以上に地元のリピーターさんに恵まれました。人の名前と顔を覚えるのが得意な水上さんの力もあると思いますよ(笑)

――「和dining隠居」のいちばんの特徴は、どんなところでしょう?

水上さん:飲食店ですからお料理はもちろんなんですけど、私はやっぱり、この建物が特にお客さまの印象に残るんじゃないかと思います。いらっしゃる方、みんなが驚かれますし、「見に来るだけでも価値がある」とおっしゃった方もいます。奥座敷なんて、たぶん普段お食事するようなお部屋ではなかったんじゃないですか。

櫻井さん:そう言われると、お正月とかお盆とか、特別な日以外は使っていなかったかも。

水上さん:そんな場所でお食事が楽しめるなんて、「和dining隠居」ならではの魅力だと思います。調度品も含めて、この建物には、ずっと暮らしと共にあった温かみが感じられます。

南魚沼市の山の幸と、人気メニュー「隠居カツ御膳」。

――お料理についても伺いたいです。

櫻井さん:自分たちで採ったぜんまい煮物と小鉢、ご飯とけんちん汁やお味噌汁がセットになっている「山のごっつぉ御膳」や厚切りポークが主役の「隠居カツ御膳」、お蕎麦のメニューなどを用意しています。カフェメニューもあるので、ぜひゆっくりと過ごしてください。

水上さん:「隠居カツ御膳」がいちばん人気で、「カツのお店」だと思っている方もいます(笑)。低温調理でじっくり火を通した分厚い豚肉を高温でカラッと揚げています。

――お米はやっぱり南魚沼産?

櫻井さん:すぐ近くの「井口農場」さんから仕入れたお米と、地元「門前」で生産されたお米を使っています。

――門前地域の子どもたちのためのサービスがあるとか。

櫻井さん:「和dining隠居」は門前地域のいちばん奥にあるので、行き来が増えることで、皆さんに迷惑をかけちゃうと思いまして。なので、門前の子どもたちは200円でメロンソーダが注文できるんです。自動販売機でジュースを買うお小遣いにちょっと金額を足せば、広くて涼しい場所でメロンソーダが飲めると、去年の夏は特に賑わいました。

――オープンして1年、門前地域でお店をはじめていかがですか?

水上さん:すごく良かったと思っています。田舎のいいところは、口コミで評判が広がりやすいところ。「あの人から『和dining隠居』のことを聞いて」とたくさんの方が来てくださいました。それにお客さまが、ほんとうに温かくて。私は調理の学校を卒業してから、東京の飲食店で働いていたことがあるんです。当時と今とでは、お客さまとの親密度が違います。東京ではそこまで深い話はしないし、「その場のお付き合い」でしたけど、ここはリピーターさんも地元の方もたくさんいらっしゃるので、関わり方がすごく深いんですよね。

和dining隠居

南魚沼市門前234

070-1185-7704

<営業時間>

ランチ 11:00~14:00

カフェ 14:00~16:00

営業日は、Instagramでご確認ください。

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