「首吊り屋敷、ましらさま、赤い女、謎のお札」の意味とは?映画『近畿地方のある場所について』〈怪異ポイント〉まとめ
『近畿地方のある場所について』ついに映画化
書店に並ぶ“なにか気になる”あの表紙を、あなたも一度は目にしたことがあるだろう。普通に見えて普通じゃない、どこか異質で不思議な違和感……それは発行部数40万部を突破し、いま日本全国で話題沸騰中の小説「近畿地方のある場所について」(著者・背筋/KADOKAWA)だ。
2023年1月、Web小説サイト・カクヨムに第一話が投稿されると、「これは本当に虚構のストーリー?」「その場所は実在するのではないか」などなど様々な反響がSNSで拡散された本作。小説の世界観に引きずり込まれた読者の間で、熱を帯びた議論が巻き起こり、瞬く間に大注目作として2,200万PVを超えるヒットを記録した。しかも同年8月に単行本化されるや、たちまち人気が爆発。日本全国の書店でベストセラーの棚を独占し、<このホラーがすごい!2024年版>で堂々の第1位を獲得するなど、今もなお読者を魅了し続けている。
そんな異色ホラー小説が、ついに実写映画化。今夏8月8日(金)より全国公開となる『近畿地方のある場所について』は、これまでのキャリアの中でも異色の役どころに挑戦となる、菅野美穂と赤楚衛二をW主演に迎え、『ノロイ』『貞子VS伽椰子』『サユリ』の鬼才・白石晃士が監督を務める。さらに監督の大ファンであり、著作への影響も受けているという原作者・背筋も自ら脚本協力として参加した。
映画をより楽しむための<怪異ポイント>を解説!
映画『近畿地方のある場所について』は先日、衝撃シーンが連続する本作の本予告が解禁されると、SNSを中心に「予告でもう震える」「怖くて、最後は目を瞑ってしまった」「映画館で観たらおかしくなってしまいそう」「予告だけで怖くて嫌なドキドキとまらない…」など大興奮のコメントが続出している。
いまだ謎の多い本作だが、じつは予告編の中にも“近畿地方のある場所について”のヒントが隠されている、というウワサが。ということで今回は映画公開まであと2か月を切ったこのタイミングで、本作を存分に堪能するための<注目怪異ポイント>を紹介したい。
幼女失踪、集団ヒステリー事件、都市伝説、心霊スポット…
「これは、ある地方の地図です。この地方の■■■■では、怪現象、行方不明、未解決事件が多発しています」
そんなナレーションから始まる、不気味な本予告。行方不明のオカルト雑誌の編集者が消息を絶つ直前まで調べていたのは、幼女失踪、中学生の集団ヒステリー事件、都市伝説、心霊スポットでの動画配信騒動など、過去の未解決事件や怪現象の数々だった。
彼は、なぜ消息を絶ったのか? 今どこにいるのか? 同僚の編集部員・小沢(赤楚衛二)と記者の千紘(菅野美穂)は、行方を捜すうちに、それらはすべて“近畿地方のある場所” へとつながっていることに気付き……。
▼瀬野千紘(演:菅野美穂)
失踪事件の調査を進めるにつれて“ある場所”へ迫っていくオカルトライター。
▼小沢悠生(演:赤楚衛二)
千紘と行動を共ににしていくうちに“ある場所”の謎に魅せられていく雑誌編集者。
◆小沢と千紘の背後のポスターに、“人らしき顔”が浮かび上がる!?
予告編でまず目を引くのが、エレベーターでのシーンだ。小沢によって編集部に呼び出された千紘。二人が資料室に向かうためエレベーターに乗っていると、不意にライトが点滅し始め、暗転した一瞬、二人の後ろに貼られたポスターに“人の顔らしき影”が! 謎に近づく彼らへの警告か、それとも何かのメッセージか……。
◆幼女失踪、中学生集団ヒステリー、恐怖のチェーンメール…どんな事件なのか?
失踪した雑誌編集者が残した資料を調べる中で、小沢と千紘は次々と不気味な事件の映像を発見。ある日、忽然と姿を消してしまった8歳の山科慶子ちゃん、林間学校中に集団ヒステリーを起こした中学生たち、「三人以上に送らないと死ぬ」というガラケーに送られたチェーンメールを受信し事件に巻き込まれてしまった女子高生……。
千紘も「この事件、有名なやつだよ」と口にするほど、“その筋”には知られた事件であることが推察される。恐らく異なる年代で発生したと思われるが、それぞれ一体どんな事件なのか? 資料映像のその先が待ち望まれる。
◆<了>と書かれたお札、「首吊り屋敷」、謎の遊び「ましらさま」…禁断の領域に誘われる
予告映像をよく見ると度々出てくる、四隅に<了>と書かれた謎のお札。真ん中には鳥居とその下に人らしきものが描かれているようにも見えるが、これは何かのシンボルなのだろうか。おびただしい量のロープが天井から釣り下がった“首吊り屋敷”の映像の仲にも、壁一面に貼られた<了>のお札を見ることができるが、これが指し示すものとは――。
そして小沢の「不吉な遊びですよね」というセリフと共に現れる、無邪気な子供たちが繰り広げる謎の遊び「ましらさま」。いかにも民間伝承的なネーミングだが、一体どんな意味を持つのだろうか。その謎に迫るごとに、観客もまた禁断の領域へと誘われていく…そんな危険性を感じさせるこれらの要素も必見だ。
◆ベランダの外で手を挙げる、そしてトンネルにたたずむ「赤い女」は何者?
衝撃シーンが連続する予告編の中で一際目を引くのが、赤い服を着た髪の長い女性の姿。夜にベランダの外から両手を挙げながら中をのぞいていたり、映像のラストで千紘と小沢が車でトンネル内を走っていたかと思えば突如目の前に出現したりと、どうやら本編でも「赤い女」は“キーパーソン”になりそうな予感だ。千紘や小沢とどのように対峙していくかにも期待が高まる。
「ここから全国に広まったんじゃないですかね」
「ちょっとヤバくないかな……」
「ここから全国に広まったんじゃないですかね」と、ある現象の広がりの根源を突き止めたと示唆する小沢、「ちょっとヤバくないかな……」と、記事に関連する不審死や失踪が多すぎることに不安を募らせる千紘。散りばめられた怪異と謎の数々が、“近畿地方のある場所”へとつながっていく。真相を確かめるため、誘われるように“その場所”へと向かうふたりだったが、そこは、決して見つけてはならない、近づいてはならない禁断の場所だった――。
予告映像ではさらに、ハンドルを握りしめながら吼え、祠の前で力なく佇む狂気を帯びた千紘の姿も。また、予告映像を細かく見ていくと、千紘と小沢が調査したであろう“ある場所”への地図や、気になるキーワードが盛りだくさんの付箋なども目にすることができる。果たして二人はどうなってしまうのか? 登場人物たちと共に“ある場所”に誘われる、新感覚の“場所ミステリー”に引き続き注目したい。
『近畿地方のある場所について』は8月8日(金)より全国公開。