いろんな意味で釣り業界を揺るがしている!?「ダイソー・ビッグベイト」を開封レビューしてみた
この晩夏に、とあるルアーが発売されてイロイロと話題になっている。しかも発売したメーカーは100円均一ショップでお馴染みの「ダイソー」。エサ釣りからルアー釣りまで、さまざまなジャンルのタックルを税込110円~という激安? 爆安? で世に送り出し、よい意味でも悪い意味でも釣り業界に多大な影響を及ぼしているわけだが、そんなダイソーがついに禁断の“アレ”にまで手を出してしまった…。そのアレとは…そう、「ビッグベイト」だ!
本州は品薄状態?11月になって沖縄にもようやく入荷!
需要と供給の問題なのか? 私が住んでいる沖縄のダイソーでは発売直後にビッグベイトは入荷していなかった。東京や大阪、名古屋などの都市圏では需要が多いだけに品切れ状態だったようだが、そもそも沖縄は本州ほどルアー人口が多くないだけに、致し方ないところだろう。
ただ、11月にフラっと入った近所のダイソーの釣具コーナーに、シレッと入荷していたのを発見! さすがにビッグなだけに税込110円とはいかないが、ビッグベイトとしては破格の税込330円ということもあり「在庫全部買い占めたろか!?」との邪念もよぎったが、ほかの釣り人のことも考慮して色違いで2個お買い上げ。少数派ではあるけれど、沖縄でもビッグベイトでGTとかマングローブジャックをねらっているアングラーがいるんでね~。
開封前のパッケージ。結構な大きさなのに両方ともナチュラル系カラーなので、売り場でもまったく目立つことなくほかの釣具に紛れ込んでいた。注意しながら探していなければ、通り過ぎていたところだ
まずは第一印象から
コレで税込330円は消費者にとってはありがたいが…
で、今回は開封レビューのみ。実際の使用感や釣れ具合に関してはすでに動画サイトでたくさん公開されているので、私がやるまでもないだろう(というか、買ってから記事を書くまで、釣りに行く時間がない…)。動画ではバスやシーバス、ナマズなどが釣れていたのを観たが、私は現在執心中の「バラマンディ釣り堀で使えるのか?」に焦点を当てて、イロイロ文句をつけてみたいと思う。
その前に、まずはパッと見の印象から語っていこう。
まずは開封前から。税込330円ともなるとパッケージもなかなかで、インナーはブリスターパックになっている。そして前面最下部にはルアーの動きのイメージイラストが、そして背面にはラインの結び方とスナップとの接続方法が、やはりイラスト化されている。この辺の分かりやすい説明はありがたい。
分かりやすいイラスト解説ではあるが、とくに前面のイメージイラストは何処かで見たことあるようなイラストのタッチ…気のせいだろうか?
そしてパッケージから取り出してみて、一番驚いたのはカラーリングのリアルさ。写真上のカラーなんかもう完全にコノシロで、「シーバスのビッグベイトパターンに使ってください」ということなんだろう。下は淡水のフナorコイというところか、大きめのウロコ模様が妙に生命感を感じさせる。
いやいや…あくまでもパッと見の第一印象だが、コレを税込330円で売られちゃあ購入する釣り人としてはありがたいものの、同業他社のルアーメーカーとしてはたまったモンじゃありませんな…
スペックは全長170mm、重量は約40gのフローティングタイプ。手で持った限りではそれほど重さは感じられず、バスロッドならM~MHのパワーがあればキャストできるのではないだろうか。テールはシリコンゴム製で、取り外しが可能になっている。
全長170mmとは…ということで、イメージとしてメガバスの「ジャイアントドッグX」との比較。ジャイアントドッグXの発売当時(30年近く前)は、全長98mmがとても大きく見えたが…やっぱりビッグベイト、デカイな…
重量は実測で41.1g。公式発表の約40gと大差ない。ビッグベイトの中ではレギュラークラスの重さ、もしくはチョイ軽めといったところか
フローティング仕様だが、体積が大きいボディで安定した浮き姿勢を実現するため、フロントボディに4つ、リアボディに2つの計6つの金属製ウェイトが内蔵されている
ラインアイは横向きを採用。左右へスライドするグライドアクションということを考えると、理にかなった構造か。サイズも大きいので、スナップも難なく通すことができるだろう
独断と偏見かつ妄想の範囲では、
ノーマルでバラマンディ釣り堀は難しそう…
さてさて、外観からわかるのはこんなところか。それでは冒頭でも述べた通り「バラマンディ釣り堀で使えるのか?」という点に注目しながら、独断と偏見で「…なんじゃないか?」との見解を示してみようと思う。
まずはフックだが、相手がバスだろうとシーバスだろうと、ダイソールアーに関してはフックを替えるのがベターだろう。もちろんノーマル状態のフックでも釣れなくはないだろうが、「すぐにナマる」「すぐに曲がる」「すぐに折れる」など、トラブルは避けられないかと思われる。
ただ、最近のダイソールアーには以前よりも太軸のフックが付いていることが多く、このビッグベイトにもソレが付いている。「もしかしたら…このままイケる?」と思ってしまいそうだが、某動画サイトで見たダイソー・ビッグベイトによるシーバスフィッシングの動画では、60cmクラスが釣れはしたが、フックは開き気味になっていた。結論としてバラマンディじゃなくとも、フックは替えた方が間違いないだろう。
パッと見た目は前よりも太軸になって、フッ素コーティングされてそう(恐らくされていない)? なフックだが、強度に不安あり。そもそもボディサイズと比較してフックサイズが小さ過ぎるので、ノーマルの#4から#2くらいにサイズアップしたいところ。また、スプリットリングもバラマンディ相手では確実に伸ばされそうなので、交換必至だろう
続いてラインアイやフックアイについて。ジョイント式のビッグベイトはボディの構造上ワイヤースルーにするのは不可能なので、当然ながら8管(エイトカン)を装着する形となる。ただ、ルアーの種類や強度にもよるが、8管構造はバラマンディのパワーに耐えられないことも多々あり、バレたかと思ったら8管から抜けていた…なんてことは結構あるのだ。これはもう抜けたら終わり、と諦めるしかないだろう。
最初の1尾目から抜けてしまうほど強度は弱くないだろうが、適切な強度のフック&スプリットリングを装着してバラマンディを釣り続けたら、恐らく8管は抜けてしまうだろう。でも、税込330円だからね…それほど痛くはないよね…
そして、最後はビッグベイト最大の特徴ともいえるジョイント部分。曲がりの角度は割と浅めなので、グライドアクションも大回り気味になると想像する。上下2ヵ所の8管にシャフトが通る形でフロントボディとリアボディをつないでいるが、これも適切な強度のフック&スプリットリングを装着した状態でリアフックにバラマンディが掛かったら、ラインアイやフックアイ同様にパワーに耐え切れず8管は抜ける可能性が高い。
壊さないための解決策があるとすれば、リアフックは付けないでフロントフックオンリーでやるのが正解だと思える。
正直な話、ダイソー・ビッグベイトじゃなくても、バラマンディ相手ではジョイント式のルアーはどれであっても強度面では心配が尽きない。私の友人はビッグベイトの代名詞でもある「元祖S字系」ルアーを真っ二つにされていた…(※本来はバスを釣るルアーなので、破壊されても致し方なし)
(使ってもいないのに)結論!!
税込330円なら破壊されても痛くない!!
さて、駆け足ではあったがダイソー・ビッグベイトの開封レビュー、いかがだっただろうか。実際に使ったわけではないので妄想の類と思われるかもしれないが、税込330円という価格を考えれば当たらずといえども遠からず、といったところではないだろうか。
その反面、税込330円だからこそ怖がらずに思い切って使えるという利点もあり、これはリーズナブル過ぎるダイソールアーだからこそ可能なのだと思う。
次にダイソー・ビッグベイトの話をするときは、ぜひともバラマンディの釣果報告とともにお届けしたいところだ。しかし、いつになることやら…(円安過ぎて気軽に海外に行けない…)。
試しに、あの「元祖S字系」の128(?)か148(?)の予備テールらしきモノがあったので装着してみたところ、問題なくハマった。果たしてノーマルのテールとアクションの差が出るのか…早くバラマンディ釣り堀で試してみたい(いつになるやら…)
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レポーター
プロフィール:くどぅちゃん
バイク雑誌→釣り雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライター&編集者に。個人的な趣味としてもバイク&釣りを楽しんでいるが、完全にヘタの横好きで費用対効果がひじょうに悪いのが悩みドコロ…。